★これは絶品、ワラサのナメロウ

ワラサのナメロウ
          醤油のもろみで味付け
ナメロウとは房総半島の漁師料理。
新鮮な鯵(アジ)を長ネギ、生姜、大葉などと一緒にたたけば出来上がり。
火を通したものはサンガ焼きと呼ばれ、
サンガもナメロウも最近は素材も味付けもバリエーションが多く、観光客にも人気のある料理。

先日、大原の漁師・拓さんから立派なワラサを頂きました。
さっそく3枚におろし、一部は刺身、一部は塩麴漬け、一部は煮物で楽しみます。
さて、骨身に残った「ナカオチ」をスプーンでこそげ落して作ったのが画像のナメロウ。

味付けは普通は味噌(ミソ)味ですが、いすみ市の若い人たちが自家製醤油を作った、その搾りかすを頂いてあったので、それを使ってみました。
つまり、主材料は友人・知人からの頂き物で絶品料理ができました。感謝。
こんどなんかでお返ししなくちゃね。

<ワラサのナメロウ、作り方>

  1.ナカオチをスプーンでこそげとり、さらに包丁でたたくと粘りが出てくる。
  2.長ネギ、生姜のみじん切りを混ぜる。
  3.味付けは塩少々と醤油のもろみ(醬油製造の搾りカス)適量。日本酒少々。
  4.全部を万遍なく混ぜ、再度たたき、葉の形に整え、金ゴマを振れば完成。

もともとは房総の漁師さんが船の上でチャカチャカっと作るマカナイ料理ですから簡単です。
お酒はやっぱり日本酒が良いでしょう。ちびちびと。
残ったらアツアツ白ご飯にのせて、お茶をぶっかければ、絶品お茶漬けになります。

いすみ市って良い所ですね。
20年ほど前、いつか都会を脱出しようとあちこち調べていました。

海の近くか、山の近くか? 
海の近くの方が美味しいものが沢山あるという結論になりました。
では伊豆か、房総か?
伊豆への道路は超混雑して渋滞します。それで房総。
房総でも観光地はやはり混みます。
それで “何もない” といわれる当時の夷隅郡岬町を選びました。
なるべく静かな場所が良いと思っていました。

何もないどころか豊かな自然がありました。
海の幸、山の幸、里の幸。うっすらとだけど天の川が見える。希少種の小動物・植物。
画像には撮れませんでしたが、今日はミサゴが飛んでいました。
ミサゴは英語でオスプレイ。あの醜悪な垂直離着陸機ではなく、本物のオスプレイです。

昔ながらの助け合いの精神と豊かな人情がありました。
多種多芸、なんでも教えてくれます。
昔の長屋の住民のごとく、余ったものはおすそ分けで、品物がぐるぐる回ります。
本当にいい場所に越してきたものだと思います。


 
 

★牡蠣(カキ)のオイル漬け

オイスターオイル漬け
    うま味を閉じ込めてさらにプラス

牡蠣の本場は数々あれど、兵庫県赤穂市坂越(サコシ)湾の牡蠣は天下一品です。
そのプチプチの牡蠣を知人が贈ってくれました。
定番の酢ガキ、カキフライ、焼きガキ、蒸しガキ、てんぷら…

どのように調理してもおいしいのですが、今回はオイル漬けにしてみました。

   1.カキの下処理:よく洗ってザルにとり、両面に軽く塩を振って5分経過。
     再び水洗い。ペーパータオルで水気をきっちりとっておく。
  2.フライパンにオリーブオイル300cc、ニンニク3片、輪切り唐辛子と粒胡椒を少々。
     じっくり弱火で熱し、泡が出てきたらカキを投入。
  3.カキに火が通ったら引き上げる。ここがポイント。加熱しすぎない。
  4.オイルに塩、醬油を少々、ベイリーフを加えて混ぜ、粗熱が取れるのを待つ。
  5.粗熱が取れたら消毒した保存ビン、またはジップロックにて冷蔵庫保管。

家庭で作るオイスターオイル漬けですから1週間程度で食べきっちゃう方が良いでしょう。
日本酒やワインのお友、パンやパスタのおかず。何に仕立ててもOK。

食べるときにはレモン片があるとおしゃれ。
牡蠣殻の上に載せて出せば、これはもう気分は WEST COAST ですな。
ダイニングを暗くして、ジャズでもかけてみましょうか。

 
 

★寒風に干し大根

大根1大根2大根3
   すっきりした青空に大根を干す

房総半島は雨が少ない。まして雪になることはめったにありません。
房総の山々は標高が低く、最高峰の愛宕山でも408m。せいぜい300mレベルの山並みが続いています。
そのため太平洋からの東風も、東京湾を越えてくる西風も山脈にぶち当たって雨雲を作るということが少ないのでしょう。

連日、気温は寒くとも晴れて乾燥した日が続き、干し野菜を作るには絶好の季節です。
寒いから台所作業です。

泥の付いた大根を頭を切り落としてから、よく水洗い。
大根本体の皮をむくのが上品だけど、むいてもむかなくとも 歯ごたえ・味に大差はありません。
皮付きの方が栄養価は高いでしょう。

円盤形にスライスした大根と、千切り大根の二種類干しました。
うっすらと色が変わり、カサカサになるまで干すには数日間かかります。
干しが足りないとカビの原因になりますが、冷蔵庫保管ならば問題ないでしょう。

干せば栄養価は高くなるけれど、たいてい水に戻して使いますから、単位重量当たりの栄養価はたいして変わらないでしょう。
植物繊維とカルシュームは戻しても増えているそうです。不思議ですね。

煮物やみそ汁の具に大活躍しますが、油で炒めるのも良いという話です。
炒めると言えば大根の葉ですが、そう大量に食べられるものではありません。

葉もきれいに洗って刻み、乾燥させます(画像右)
葉は干物ネットに入れておかないと、乾燥した葉は風で飛ばされてしまいます。
これは “大根葉風呂” 用です。

野にあるヨモギの葉でも入浴剤になります。
食用になる野草なら安全ですが、スイセンなどの毒草は入浴剤にはなりません。
見た目や香りが良いからなどと ウカツに利用すると新聞沙汰になってしまいます。


 
 

★外房の海苔雑煮

海苔雑煮
     ネット画像をまねして作ってみました

房総半島の太平洋岸では地元の「ハバ海苔」をつかった雑煮がソールフード、故郷の味だそうです。
海苔(ノリ)と言えば、浅草海苔、山本山タイプの海苔か岩海苔の佃煮ぐらいしかなじみがありませんが、外房ではいろいろな海苔が採集されます。

ハバノリという海苔は、ハバをきかすというダジャレからか、特に正月に珍重されました。
ところが昨今は不漁で、さっぱり市場に出回りません。
ネット通販では3枚で3500円。何かの間違いじゃないかと思うほどの高値です。

やむなく「地のり」なるものを購入し、たっぷりの海苔を使った雑煮にしてみました。
出汁だけで具なし。真っ黒けの雑煮でしたがこれがけっこう結構いけます。(画像なし)
画像なしではさみしいので、翌日、蒲鉾と伊達巻を飾って画像にしてみました。

これもまたgoodで、入れる具は各家庭ごとにバリエーション、定番があるとききました。
根菜類や、魚介類、何を具にしても大丈夫だと思います。
「ハバ海苔」じゃないけど、おいしいから「地のり」で満足です。

海苔からはたっぷりと出汁が出るのだと先だってのNHKガッテンで言っていました。
海苔には多くのアミノ酸が含まれ、このアミノ酸は昆布出汁のグルタミン酸と同じ成分で、
カツオ節の旨味成分のイノシン酸と組み合わさると、最高の旨味になるんだとか。

カツオだしを使った海苔雑煮はだからウマイのだと納得します。
真っ黒けというなじみのない雑煮ですが、その旨さは見た目の悪さをはるかに上回ります。
真っ黒けでもイカスミパスタなんてありますからね。
真っ黒な海苔雑煮がいいんですよ―――外房のソールフードが少しわかった気がします。
明日は里山の餅つき。真っ黒けの雑煮をお出しすることにしましょう。

「地のり」は地元大原産。ほぼ同様な「磯のり」は内房産。どちらも手ごろな価格です。
しいて文句を言えば、何という海苔なのか、その品種名がどちらも表記なし。

地元で大豆を買うとき、何という品種ですかと聞いても「大豆です」という返事しかないことがあります。
サツマイモはさすがに最近は紅東、鳴門金時などと品種名が表示されるようになりました。
地元の海苔だから地のり、磯で採ってきたから磯のり――でも、都会から来た人にも販路を広げようとするならば、品種名を書くことはこれからは必須になることでしょう。

たとえば東京湾の浅草海苔は激減し、近縁種が浅草海苔の名前で流通しています。
それは厳密にはマガイモノです。――規制法令がないからOKなのかしら。
大切なことは昔ながらの浅草海苔なのか、そうではないのか、そこを消費者としては知りたい。

今食べている海苔は何という海苔なのか知りたいと思います。
内房で浅草海苔が激減し、外房でハバ海苔が激減した、その理由が知りたいところです。
そうすれば豊かな浅草海苔、ハバ海苔復活の手立ても見えてくることでしょう。


  

★お汁粉を作った

田舎汁粉

先日、「餅つきをしたから」 と知人のAさんが、つき立てお餅を届けてくれました。
もう師走ですね。あちこちで餅つきの話を聞きます。

里山の会でも今月の末にセンターの大掃除を兼ねて餅つきがあり、新年になると正月の行事として餅つきが恒例になっています。
その時は手作り納豆を持参するつもりです。あんこはU夫人が持参するでしょう。

それはそれとして、冷蔵庫に死蔵されていた小豆を使ってあんこを作ってみました。
それに湯を足して簡易お汁粉(画像)にしていただきました。
できたてのお餅にできたてのお汁粉、おいしいに決まっています。

小豆は1袋300g。一度1リットルの水を入れ、煮こぼしアクを抜きます。
あらためて900ccの水で活力鍋。沸騰したら弱火で20分。
ピンが降りたら砂糖250gを加えます。適当な砂糖がなかったので氷砂糖で代用。
放置しておけば溶けますが、はやく食べたかったので多少加熱しました。

小豆は事前に水に浸す必要がなく、活力鍋ならばほとんどスイッチポンだけで出来上がります。
本当に便利な調理器具です。

冬至には小豆粥(カユ)や小豆・カボチャの煮物を出す地域があるんだそうです。
小豆の赤色が邪気を払うとして珍重されました。
小豆のお汁粉だってインフルやノロをやっつける威力があるに違いない――そう信じていただきました。

冬至には小豆。そして立春に(節分)には大豆。
豆類を食べる機会が最近はめっきり減りましたが、日本人の生活に不可欠の栄養食品でした。
豆類の持つ多様な栄養素が、「邪気を払う」とされた根拠かもしれません。

寒さに縮こまり弱った体に小豆粥や小豆カボチャが、特効薬として体力回復に役に立ったのだとすれば、冬至の食習慣は迷信として切り捨てるのは惜しいことです。
たぶん餅つきも単なる伝統行事ではなく、根拠があることなのだと思います。