★茅の輪と蛇信仰 

 
    玉崎神社の茅の輪

今年も玉崎神社(いすみ市岬町中原)で茅の輪くぐりをしてきました。(1月2日)
本来は12月31日の大晦日の大祓(オオハラエ)の行事ですが、ま、新年でも良いでしょう。
藁で大きな輪を作り、その輪の中を「左・右・左」と三回くぐります。
神社の参道を「産道」と見立て、三度もくぐることによって穢れが払われ、新しい自分に生まれ変わるという呪術的な儀式・風習です。

右左、先にどちら廻りだったっけと毎年戸惑いますが、右大臣よりも左大臣の方が偉いのと同じで「左優先」です。
これはお相撲さんが懸賞を受け取る時の手刀とほぼ同じです。
関取は「左・右・中央」と手刀をきります。手刀は「心」という字の筆順と同じだという人もいます。そう心得ていると左優先を忘れません。

蛇は昔は神様でした。それは神話にかいま見られます。
神話ではヤマタノオロチ(八岐大蛇)をスサノオが退治しました。縄文人の信仰対象である巨大な蛇を殺したことによってスサノオは刃こぼれしない霊剣を手に入れます。
列島に金属器文明が始まったことを象徴する物語です。

里山にはヤマカガチという名の蛇がいます。ヤマは山、カガは赤く輝く・光るという意味。「チ」はオロチのチと同じで古い時代の神様の称号と考えられます。
大国主命の古名はオオナムチ。アマテラスオオミカミの古名はオオヒルメムチ。
どちらも語尾に「ムチ」がつきます。ただの「チ」よりも格上であることを示していますが、「チ」が神様の意味であることが確認できます。
大和に伝わる伝説では、ある娘のもとに夜な夜な通う貴公子の正体は蛇で三輪山の神様(大物主=大国主)であったと伝えています。
蛇は本当は神様なのだという信仰は、縄文時代が終わっても引き継がれていったのです。

藁で作った長い縄が蛇を(神を)象徴していることは容易に察しがつきます。
それを輪にした茅の輪が意味していることは「永遠」です。
蛇が自分の尻尾を噛むと輪になり、それは洋の東西を問わず「永遠」のシンボルになりました。
 
  画像左:古代エジプト。    右:古代インド。

生まれ変わりを繰り返せば不老不死、永遠ですからね。
茅の輪の行事って全世界の古代文明と通底しているのだからすごい。
いつまでも続いて欲しい行事です。

  

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