★小野湖山 絶筆碑を読む 


   太東崎灯台下、海浜植物園近く。

小野湖山(オノコザン)とは何者か、ネットで調べてみると
1814-1910 幕末-明治時代の漢詩人。若い頃から尊王思想に目覚め、安政の大獄で幽閉される。維新後政府の要職に登用されるも短期間でやめ、詩人として活躍した。明治43年4月10日死去。97歳。近江出身―――とあります。

湖山は晩年をいすみ市岬町で過ごし、その絶筆が石碑となり、太東崎の南麓に建てられています。市の指定文化財。
石碑に彫られた文字を読み取るのは大変面倒ですが、幸いにも教育委員会が建てた看板に全文が載っていました。

    避寒東海値陽春
    転覚乾坤帯瑞光
    萬里水天金一色
    曦輪徐輾太平洋

教育委員会になんと読み下すのかとメールで問い合わせたら数日後に「資料がないからわからない」という返事がありました。
それじゃしょうがない。自分勝手に読んでみることにしました。
漢詩などはるか昔に高校の漢文の授業で習ったきりですから、読み下しに自信がある訳じゃありません。眉に唾してお読みください。

    寒を東海に避け陽春に値(あた)る
    転(うたた)に覚(おぼ)ゆ乾坤瑞光を帯(お)ぶ
    萬里の水天金一色
    曦輪(ぎりん)徐(おもむろ)に太平洋に輾(てん)ず

調子にのって現代語訳にしてみました。

   避寒のために東海に来て正月を迎えた
   寝ぼけ眼で空を見れば天地が瑞光を帯びてきたのがわかる
   万里の海と空が金色一色に染まっている
   やがて太陽がゆっくりと太平洋上に昇ってきた

これが97歳の「じいちゃん」が作った「初日の詩」ですから、われわれとは格が違います。
詩文に余韻があり、碑文に彫られた文字も大変力強く驚かされます。

太東崎灯台を観光名所にする企画があるらしく、この湖山絶筆碑も周辺コース案内に載っています。その際、その読み下し文ぐらいないと碑文の説明ができませんヨネ。
現地は草ボウボウに荒れ果て、石碑が建つ神社はもはや廃屋です。
いくら予算がないとはいえ、これでは湖山先生に申し訳ない気がしています。

  

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