★トリカブトの花 

 
    ヘルメットをかぶっているように見える

トリカブト殺人事件で使われたから、毒草と言えばトリカブトと言われるくらい有名になりました。
時代劇で毒薬と言えば「石見銀山猫いらず」や「トリカブト」が定番です。

初めて出会ったのは丹沢で、その時はちょっとドキドキしましたね。
ところがいすみ市ではそんなに珍しい花ではないようです。
昔はいくらでも簡単に入手できたことでしょう。
実際、自宅で育てているという人もいるようです。

自宅で毒草を育てる人は「ヘンタイ」ではありません。
たとえばアジサイやフクジュソウ、ヨウシュヤマゴボウ、ツルニチニチソウ、水仙、彼岸花、シキミ、オシロイバナ、オトギリソウ、キョウチクトウ、キンポウゲなど。
エゴノキ、イチョウ、梅だって毒があります。
あの人福寿草を育ててるなんてアブナイ人ね、なんて言いません。
だからトリカブトを育てても「アブナイ人」とは言えません。

ホウレンソウに含まれるシュウ酸だって毒と言えば毒ですから、ホウレンソウが嫌いだとか食べられない人がいても不思議ではありません。
敏感な人は体がシュウ酸を拒否するのでしょう。
ジャガイモの芽はたいへん危険です。

植物は歩くことも走ることもできないから、多くは毒を持つことで動物たちの餌になることを拒否してきました。
あるいは繊維質が固く食べても消化不良となることでエサになることを防いできました。

だから今、野菜として食べられる植物はきわめて貴重で、人間が守り育て、絶滅する恐れがないから毒など持たないでも良いとなだめすかし、品種改良を重ねてきたものです。

ゴーヤの苦みだってそうです。実が未熟なうちに鳥に食べられたらかなわない。
だから苦みを強くして食べられないようにし、赤く熟せば苦みは消えて甘くなり、鳥に種子を運んでもらおうとするしたたかな戦略が見えてきます。

そう考えるとトリカブトはむしろ気の毒な植物です。
旺盛な繁殖力がないために全身を強力な毒で固めて種族の絶滅を防いでいます。
実際、今年の夏は異常な暑さが続き、雨も降らなかったので多くのトリカブトが枯れ死してしまいました。
あちこちで咲いているはずのトリカブトが今年は本当に少ないのでちょっとがっかりしていますが、本当に危機感を感じているのはトリカブトでしょうね。
生き残ったトリカブトは子孫を残すために全身に毒のヨロイをまとっておびえて暮らしているように思えます。
守るべき使命(種の保存)があるからこその有毒なのです。

 

関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント