★明日は重陽の節句 

 
   菊の花を浮かべて菊酒 

明日10月23日は旧暦の9月9日。
奇数はおめでたい数(陽数)だという信仰が中国文化圏にあり、奇数のうちで最大で、かつ、ぞろ目となる9月9日は陽が重なるおめでたい日、重陽の節句と言います。
別名が“菊の節句”
このような昔からの行事は新暦で行うのは無理ですね。今年の新暦9月9日は気温が30℃を越えて暑かった。
もちろん菊が咲いているはずがありません。

重陽の節句に飲む酒が 「菊酒」で、本格的な菊酒は手に入りませんから、お酒に菊の花を浮かべて菊酒としましょう。あるいは盃に菊の花をのせて酒を注ぎます。
菊は邪気を祓い、不老長寿の妙薬とされてきました。
中国には菊の葉に滴る露を飲み700年もの間生き続けている仙人の伝説があります。
菊の節句は中国文明に親しんだ朝廷行事から始まり、江戸時代には庶民にまで広がりました。
花札は紛れもなく庶民文化で、その9月は「菊と杯」ですから庶民も菊酒を飲んだり、「菊見で一杯」としゃれ込んだことが判ります。

画像の清酒の銘柄は「菊水」といい、不老長寿の銘酒という意味でしょうね。
不老長寿は今日的な言い方をすれば、アンチエイジングですから宮中の女性は信じ込んでいたようで、重陽の日の前日の夕方に菊の花を真綿で包み、一夜外気にさらし、翌朝、その菊の香と露の移った綿で肌を拭って永遠のうるおいを願ったそうです。
これを「着せ綿」といいます。
現代のCM風に言えば、 「お肌つるりんこのクリサンチマムローション」 ですね。
きっと実効性があったのでしょう。そう思わないとお化粧なんかできません。

さて、陰陽でいうと男は「陽」ですから、重陽の節句とは「男と男の節句」という意味になります。性的マイノリティーの話ではなく、男と男の友情物語が 「菊花の契り」 という江戸時代の作家・上田秋成の『雨月物語』の一章。
菊の節句には必ず戻るという約束を果たすために自害して魂魄だけが戻ってくるという怪奇物語です。
この物語に着想を得たのが太宰治の『走れメロス』
中学生の頃に読むと泣ける物語ですね。

昔の人はさまざまな思いを菊の花に重ねてきました。
今晩はちょうど上弦の月。
盃を傾け、お月様を見ながら物思いにふけってみるのも一興です。
奇しくもここ数日、オリオン座流星群の夜ですから流れ星も見られることでしょう。

  

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