★太東埼海岸のスカシユリ 

 
   絶滅危惧種で7月から8月にかけて咲きそろう

黒いドットがある鮮やかなオレンジ色の花で、花だけ見るとオニユリやクルマユリに似ています。背がそれらよりも低くて50~60cm、葉が密集しているのでがっしりとした印象を受ける野の花です。
多くのユリと同様に6枚の花弁のうち、本当の花弁は3枚だけで、残りの3枚はガクです。
そしてどちらも葉が変化したものだと学者はいいます。
「花弁に見えるが花弁ではない」という知識があるかないか、時々有名中学入試問題に出題されますが、そんな知識が受験生に必要なのでしょうか。

千葉県では絶滅危惧種Ⅱ類に指定され、いすみ市でも天然記念物である「太東海浜植物群落」以外ではほとんど見かけません。
たまに海岸の断崖絶壁の岩肌のわずかな隙間に咲いているのを見かけると「オーッ、お前も頑張っているな」と共感してしまいます。

「太東海浜植物群落」はわが国の指定天然記念物第1号となっています。
昔はずっとずっと広い海岸砂丘に様々な海浜植物が咲き乱れていたのでしょう。
ところが太平洋の荒波に削られ、あるいは海流の変化で砂丘そのものが風前の灯です。
海岸砂丘の雰囲気はもはやなく、護岸工事がなされた海岸にそって幅50m、長さ300m程度の「荒れ地」が柵で囲まれて保護されています。

広大な自然堤防、海岸砂丘に海浜植物の群落があることが貴重だったのに…。
しかも毎年のようにコンクリ護岸は波で崩され、補強工事を繰り返しています。
「太東海浜植物群落」は存在自体が今は貴重になってしまいました。
そこに絶滅危惧種のスカシユリがこの季節にだけ咲いて、見捨てないでくれと言わんばかりにその存在をアピールしています。

スカシユリは絶滅危惧種ですから保護するのは当然ですが、いすみ市の宝として積極的に増やすことは考えないのでしょうか。
観光の目玉として、満開の写真はあちこちで見かけるけれど、本物は市の関係施設の花壇にもありません。

岬高校園芸科でスカシユリを増殖して市民に配布してくれませんか。
小学校の総合学習や課外活動で扱えば、地域の花として愛着が湧くでしょう。
「千葉県いすみ環境と文化のさとセンター」は絶滅危惧種のミヤコタナゴは飼育しているのですから、スカシユリの増殖を行ってもおかしくないでしょう。

何有荘でスカシユリの球根をホームセンターで買って育ててみたら園芸品種でした。
カラフルでかわいい花が咲きましたが、絶滅危惧種・スカシユリとは別物です。
考えてみれば絶滅危惧種のスカシユリが市販されているわけがありませんね。おろかなことでした。
絶滅危惧種の無断採集は罰則規定がありますから、その増殖拡大は個人が行うことではなく、行政の力が必要です。
増やしたいと思っている人は多いのではないでしょうか。

 
 

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とし兵衛さん、こんにちは。どなたかと思ったら珠姫さまのご主人でしたか。とんぼ池のメンテナンス費用がなく、だんだん落ちぶれていくのが残念ですね。とても良い場所なのに。そんなこととは無関係に睡蓮の花が咲いています。たしかに睡蓮と羊草の見分けは慣れないと難しい。 

とんぼ池の睡蓮も整備してほしい。日本一番になる ところで、睡蓮はヒツジクサと違って朝に咲くのですね