★上総水電・苅谷水力発電所跡 

 
   現在は農業用ダムとして使われている

東電が原発事故の不始末をすべて消費者にかぶせて電気料金を10.28%上げると勝手に通知を出し、あちこちからブーイング。
それで昨日、8.47%台に圧縮すると報道されていました。やむえない措置とは思うけれど、心は納得できません。

東電が関東唯一の独占企業になったのは戦時中の政府の合併政策で、それ以前は各地に中小の電力会社が独立企業として存在していました。上総水電もその一つです。
画像はいすみ鉄道・国吉駅近くにあった旧上総水電の苅谷水力発電所の施設の一部で、遠くにいすみ鉄道の赤い陸橋が見え、夷隅川のなかなか絵になる景色です。

原発なんかなかった頃、いすみ市に水力発電所があったのです。
地元の人の話では、ここで取水し、苅谷橋付近まで地下の導水管を通し、橋に隣接した発電所で落差を生かした発電をしていたということでした。
国府台の苅谷橋の横に歩行者専用の橋があります。二つの橋の間に導水管のなれの果てのような水路が見えました。それが旧導水管だったという確証はありませんが。

この取水堰も現代の産業遺産として保存していくべきだと思っています。
少なくとも看板の一つぐらいあってもいいんじゃないですかねぇ。
もしもこの導水管が多少の整備費で復活するならば、地域の独立電源としての利用価値もありそうです。
巨大な風力発電所をどこかに立てるよりは簡単な気がするのはシロウトの思いつきでしょうか。

上総水電の苅谷水力発電所は完成大正12年、出力は75kw。
このダムは当時から農業用水としても使われており、稲作の時期には大きな役割を果たしました。
しかしその時期に雨が降らないと、農民たちと上総水電との間で水利権を巡ってトラブルがあったと伝えられています。
新たに最新式の小型水力発電機を設置するにしても、地元の水利権者との調整が必要になるでしょう。
近くの大手コンビニが資金を出してくれるといいのですが。

上総水電は地元で吹き出す天然ガスを利用した発電所も持っていました。
「苅谷火力発電所」は47kw。その跡地は地元の人も知らないという話でした。
水力にしろガスにしろ、地元に眠るエネルギーを利用した点がすばらしい。
もっとも、それでひと儲けしようという胸算用はあったことでしょう。

とにかく大正12年になって初めて電灯のまぶしさを感じた人々のうれしさと感動はいかばかりであったかと想像します。文明開化がようやく夷隅にも訪れたのです。
昨年の計画停電を経験したわたしたちも電力のありがたさを実感しています。

制御不可能な核発電所はすべて閉鎖し、再生可能な持続的エネルギー、つまり太陽光・水力・風力・波力・潮力・バイオ発電の時代です。
昔の人は今そこにあるエネルギーをどう利用するかに真剣に知恵を絞ったのです。
そしてちょうど今から90年前、いすみの地元に夢だった水力・火力発電所を作りました。
今の時代、昔の人のその努力と情熱とに学ぶべき時でしょう。

  

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