★庭のミソハギ 

 
   高さ60cmぐらいで盆花(ボンバナ)ともいわれる

ミソハギは“禊萩”と書くのにミソギハギとは読まず、ミソハギと言います。
この花を初めて知ったのはもうずいぶん前、父の新盆の時でした。
田舎から菩提寺の御坊様がお経をあげに来るというので、あわてて新盆の飾りつけなどを調べている時にこの花の名を知りました。
お供物などに水を遣る時に、この花の枝に水つけて振るのだとか。そんな習慣は聞いたことがなかったので驚きました。
川崎ではどこにも売っていないので省略しましたが気にはなっていました。

最近ではいすみ市でもおなじみのお馬さんや蓮の葉など、手軽でおもちゃみたいなお盆セットが売り出されております。でも川崎同様、そこにミソハギは含まれていません。

地元の旧家の方にお伺いしたところ
 「あぁ、ミソハギね。昔はそれに水をつけて振ったそうだけど、今はしないねぇ」
という話でしたから、昔は確かにこの地域ではそのような習慣があったようです。

禊(ミソギ)とは邪を払うために身を清めること。
萩の花に似た花が咲くこの枝を水に浸して振るという作法は“場を浄める”という意味があったと思われます。
いわば「悪霊祓い」のしぐさで、それに使用するからミソギハギ➔ミソハギになった。

ところが、ミソハギは畔や川辺など湿地に良く育つから“溝萩”が語源だという人もいます。
また、水に浸して振る意味は「亡者の渇きをいやすため」だと説明する人もいます。
今日では名前の由来も、しぐさの意味も本当のことは分からなくなってしまいました。

蓮もミソハギもいすみ市ではそれほどめずらしい植物ではありません。
盆花や仏花は昔は買って来るものではなく、庭の花や野の花を摘んで盆棚を飾り、ご先祖様を迎えたのが始まりでしょう。
ミソハギはこの時期に咲く花としては大変丈夫で長持ちし、しかも美しい。
この花でご先祖様を迎えようと決めた庶民の優しい心根が感じられます。

この花が咲くともうすぐお盆になり、どんなに暑くとも秋の気配が忍び寄ってきています。

    みそ萩や 水につければ 風の吹く    一茶

 

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