★庭のマロウにラミーカミキリ発見 

 
   どうやら葉をかじっていたらしい

マロウの花を摘もうとしたら美しいカミキリムシらしき虫を発見しました。
見たことのない虫だったので画像に撮り、カミキリムシと見当をつけて画像検索をかけたら、これは“ラミーカミキリムシ”でした。ネット検索は本当に便利です。

でも、ラミーって何だろうと気になると、以前は広辞苑や図鑑を愛用したものです。
“ラミー【rami マレー語】[稙]イラクサ科の多年性繊維植物。チョマの変種。(後略)”
広辞苑の記述ですが、今度は「チョマ」って何だろうと思いますよね。
やはり、ネットで調べる方が画像も多く、簡単です。

 画像元“みんなの花図鑑”
チョマ=芋麻。カラムシの異称。真麻(マオ)ともいう。
ラミーはマレー語からフランス語のramie となり、今やラミーは世界共通語だそうです。
ラミーとチョマは厳密にいうと異なるが、今はカラムシも「ラミー」ですますらしい。カラムシよりずっと高級でハイセンスな感じがしますからね。

さて「ラミーカミキリ」ですが、江戸末期にラミーの輸入にともなって侵入した南方系の外来種で、関東が北限らしい。なるほど南方系じみた風貌です。
ラミーを食べるからラミーカミキリ。ところがムクゲにも付くとはネット情報。
マロウはムクゲやタチアオイと同じくアオイ科だから、何有荘のマロウで発見された次第です。

現代人はカラムシと言ってもほとんどピンときません。
しかし、大昔から昭和の初期まで、日本の庶民の衣類を支えてきたのはカラムシです
絹はもちろん麻や木綿だって高級品でした。だから江戸庶民は衣類を最後の最後まで徹底的にリサイクルしたものです。
その点、カラムシは雑草みたいなものですから現金収入のない農村部では重宝されました。

  しずやしず  しずのおだまき  繰り返し  むかしを今に  なすよしもがな

有名な静御前の歌です。「おだまき」は糸車。「しず」は静御前自身のことですが、同時に「賤(イヤ)しい」という意味を持ち、さらに「賤(シズ)」というカラムシ製の上等ではない布地の意味にもなります。
鎌倉八幡宮で頼朝から、義経の妻という扱いではなく、都の白拍子として舞を強要された時の歌です。頼朝に対して強烈な皮肉として自分の身分が低いことを繰り返し強調し、それでも人間として義経を愛しているという内容ですから頼朝が激怒したのも無理はありません。

もっともカラムシから織る布地は粗雑な布だけではありません。
現在は無形文化財、重要無形文化財となっている宮古上布、能登上布、糸に強いよりをかけた小千谷縮など素晴らしい布地を編み出したのは日本人のたゆまぬ努力のたまものでしょう。

江戸末期からの人口急増期に国産カラムシだけでは需要に追い付かず、同類のラミーを東南アジアから輸入したものと推測します。
昔は衣料用繊維植物としてどこの農家の庭先でも育てていたのに、今や放置されて田舎のあちこちに雑草として繁茂しています。
これがかつての衣料原料だったとはちょっと気づかないし、想像もできません。

美しいラミーカミキリから、思わずいろんなことを考えてしまいました。

 

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