★雑草なのにミヤコ草 

 
   散歩の途中で発見しました

関東に住んでいると、都草、都鳥という命名には特別な、憧れに近い語感があります。
都鳥とはユリカモメのことで、在原業平の『伊勢物語』の「東下り」での歌

名にしおはば いざ言問はむ都鳥 わが思ふひとは ありやなしや

の歌に因みます。ユリカモメを知らなかった頃は、どんなゆかしい鳥かと思いましたが多摩川にも夷隅川河口にもいる普通の水鳥です。(かわいい顔です)
業平も都にいた時はなじみの鳥だったので、隅田川河口にも都と同じ鳥がいるのかと感じて思わず「都鳥」と言ってしまったのでしょう。

一方、都草の方は命名の由来が不明で、京の都だとか奈良の都だとか諸説あって決定打がありません。
いずれにせよ、命名した人は地方出身者で故郷に戻った時に「そういえば都で咲き乱れていたなぁ」と思ったのではないでしょうか。
そう思わせるだけの高貴な雰囲気があるマメ科の植物ですが、雑草扱いです。

画像は太東海岸(夷隅川北岸)で撮影しました。雑草ゆえにか『夷隅川河口周辺の動植物』という当地の「自然を守る会」の冊子にも記載がありません。
海浜だけではなく、線路、道端、野原に普通だそうですが、わたしはこの地の海岸で初めて出会いました。
そんなに普通の草なんでしょうかねぇ。さほどありふれた草とは思えません。
たとえばハマエンドウは海浜植物としては有名で、マメ科特有の姿でその紫紺の色合いは素晴らしいものがあります。
雑草でもカラスノエンドウなんか有名なのに、都草は忘れられています。

都草は今でも京や奈良の野原で順調に育っているのでしょうか。
知る由もありませんが、太東埼で咲いていた黄金色の都草には昔の人の思いと、都の雅(ミヤビ)がかすかに漂っているように思えます。
ミヤコグサ―――もっと注目されてしかるべきマメ科の“雑草”でしょう。
 
 

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