★春の毒草・ムラサキケマン 

 

やや湿った土地に生育するとWebにはあるけれど、お日様バンバン、乾燥した土手にも普通に生えている雑草です。
10~20cmの小型の野草だが条件が良いと50cm位に大型化している場合もあります。
道端の草を食べてみようと思う人がいるとは思えませんが、毒草です。
ただし「毒にも薬にもなる」とのことで漢方では薬草指定になっています。

ケマンという訳のわからぬ日本語は「華鬘」と書き、仏様の胸飾り、転じて仏壇の装飾デザインにもなっています。元々は古代インド語であるサンスクリット語の「クスママラ」の音訳で、原意は花輪のことです。
インドでは昔から生花を編んで首にかける装身具としたり、貴人を迎える際に花輪を贈る慣習 があるそうです。 これが仏教・仏像にも採用されました。

そういうわけで何となく複雑系の花で外国風の感じがする植物です。
葉はニンジンの葉にやや似ています。
この手の葉は食べられるか、猛毒かのどちらかですから手を出さないのが「正しい生き方」です。
馬や牛は本能的に食べないけれど、人間は本能が発達していないことが弱点です。
先日も北海道でトリカブトを食べて、二人死亡してしまいました。

毛虫が食べているから毒がない、人間様も食べられる、と思う人がいるそうです。
昆虫類と人間とは消化器系が根本的に異なるので比較の対象にはなりません。
ウスバシロチョウという絶滅危惧種の蝶の幼虫はムラサキケマンを食べて育ちます。
だからこの蝶にはこの毒が効かない。ただし体内に取り込んでいるので、この蝶を食べれば人間は中毒を起こすといいます。誰かそんな人が昔いたのでしょうか。

雑草は世の中の嫌われもの。
都会のコンクリートジャングルからは追い出され、農村部でも刈り払い機でちょん切られ、家庭菜園では引き抜かれます。
そんなに雑草を嫌う必要はありません。
よくみればムラサキケマンは美しい。これを保護することが今は見ることも稀になったウスバシロチョウを守ることにつながります。

   

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