★大多喜町・水力発電所跡 

    
    静かな渓谷の先に発電所跡(ダム)がある
     旧西畑水電、宇筒原発電所跡

いすみ市のとなり、大多喜方面から国道465号で総元駅を過ぎると左手に黒原の赤い橋が見えます。この橋を渡って村道にはいり、やがて右手に西原駅からの道と合流しますから、そこで車を適当な場所に停めます。数台停まれる場所があります。
バス停は「新船塚橋」で橋から平沢川の下流を見ると小さな橋が見えます。来た道を少し戻ってこの橋を渡ると左側に河原に降りる小道があるので便利です。

ここからは河原や川の中を歩きます。なかなか気持ちの良い散歩コースですが、長靴でなければ無理。夏場なら思い切ってウオーキング用サンダルで濡れながら歩くのも良いかもしれません。
所々、岩盤が割れて深みになっている「クレバス」や「ポット」という穴がありますから、うかつに歩くとずっぽりはまって下半身ずぶぬれになることでしょう。
濡れるのが嫌な人は登山用のスパッツの着用をすすめます。
山歩き・沢歩きの経験者と同行してください。危険な場所ではありませんが、物見遊山の観光気分では泣きを見ます。

房総はこのような滑滝のような河川が多いなぁ。画像のような静かな渓谷に誰一人いません。カワセミが飛び、カジカ(カエル)が鳴いていました。ハヤだか何だか、小魚が群れを成して泳いでいます。
東京近郊ならば間違いなく観光客でごった返し、ゴミで汚れていることでしょう。初冬の紅葉の時期にまた訪れたい場所です。

川の中の「クレバス」に注意しながら10数分ほど上流にさかのぼれば目的の「発電所跡」に出会えます。
う沢喜久雄さんの『ちば滝めぐり』という本でこの場所を知りました。
―――大正の終わりから昭和にかけて、家に一灯だけという決まりで共同して造り上げた水力発電所だ―――そうです。
構造はコンクリートブロックを丁寧に積み上げ、左は魚道として残してあるようです。
往時の全体像が思い浮かびませんが、確かにここに水力発電所があり、その光に歓喜した人々がいたのです。
やがて東電の電線がこの村落まで入るようになると維持費等の関係で見捨てられたものでしょう。

しかし当時の人々が政府や東電に頼らず、自力で電力を獲得したことは素晴らしいことです。原発とさようならするために、小規模発電設備を網の目のように張り巡らせるのが時代の要請ですから、もう一度脚光を浴びてよい施設です。
少なくとも『千葉県文化・産業遺産』に指定されてしかるべきでしょう。

    
 

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