★幸福を運ぶというてんとう虫の話

 
    暖かさに浮かれて散歩中

七星天道虫と書けば良いものを、“動植物名はカタカナで表記せよ”というくだらない慣例があるから、ナナホシテントウムシと長々しく書かねばなりません。
小学生だった頃、“ウスバカゲロウ”は“薄バカ下郎”だと思っていました。
本当は“薄羽カゲロウ”なんですヨネ。もっともカゲロウを蜉蝣と漢字表記したら読めないから、漢字表記・カタカナ表記は一長一短ではあります。

テントウムシは成虫で越冬し、今日みたいな暖かい日には散歩に出かけます。
NHKの朝ドラで、てんとう虫の話が出ていました。
幸せを呼ぶ虫。英語で”Ladybird” というのだとエリート崩れの女性が言っていました。米語だと”Ladybug” ですヨとまで紹介してくれればよかったのに。

Ladyは「淑女」ではなく、「聖母マリア」のこと。マリアは七つの悲しみ(苦しみ)を負っているとかで、七星がその象徴と考えられて命名されたのでしょう。
bug は“虫”だから納得できるが、bird(鳥)は理解しがたい。
それで 英語でもわざわざ“Ladybird beetle” とbeetle(甲虫)を付加することもあるらしい。

―――昔、無実の罪で刑場に向かう男の肩にてんとう虫がとまった。男はそっと息を吹きかけて逃がした。そのてんとう虫は見物人の肩にとまった。その男はそれを叩きつぶした。
それを見ていた領主は死刑を中止して事件の再捜査を命じた。心優しい男が凶悪な殺人犯とは思えなかったからだ。やがて真犯人が捕まった。てんとう虫を叩きつぶした男だった。―――

この物語(伝説)の出典は知りません。昔、読んだ話です。
この物語から、てんとう虫が肩にとまったら、あるいは、手にとまったらその人に幸福が訪れるといわれています。金運とか結婚運とか。
必殺逆転パワーを秘めた聖母マリアの幸運の虫として愛されています。

手塚治虫の『火の鳥・鳳凰編』の中で、人殺しで強盗の極悪人・我王が腕にとまったてんとう虫を助けるという話がありました。てんとう虫は速女という人間の女になって我王を助けますが、疑われて殺されてしいます。
Ladybirdの伝説を踏まえた感動的な創作です。我王は真実を知って驚愕し――続きは本を読んでもらいましょう。

そっと息を吹きかけて逃がすのが礼儀作法ですから覚えておいてください。
決して“転倒虫”ではありません。

 

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コメント

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komakoさん、ハナリンさん、コメントありがとうございます。テントウ虫は野菜につくアブラムシ(アリマキ)を食べる益虫ですから世界中で親しまれているのでしょう。おっしゃる通り、結婚式の一昔前の定番ソング・テントウ虫のサンバは、テントウ虫が結婚を祝福するマリア様の使者だからです。NHKの朝ドラもあやしい雰囲気です。トランペットの箱に付いているテントウ虫。そして太陽の方角を向くというヒマワリの題がついたテーマソング。どうもそちらの方向(幸福)にドラマは収束するのだろうと推測しています。