★年末・年始のローマの神様

            
      紀元前3世紀、ヤヌス神のコイン(ワールドコインギャラリーから転載)

各地で暮れの大祓えや大掃除が行われており、まもなく新年となります。
「January ジャニュアリ・1月」とはローマの神様ヤヌス(Janus)が語源。
この神様は画像のように一つの体に前と後、二つの顔を持ち、本来は家屋の門・扉の神様で境界の神様です。
ドアは室内と戸外を区切る場所ですから、ヤヌス神はドアに陣取って室内を守り、戸外の敵を威嚇しています。門に宿れば敷地内外を監視し、家人を守ります。
だから二つの顔が内と外とを向いている。

敷地や家屋という「空間」の内と外、始まりと終わりの境界に立つ神様ですが、
始まりと終わりを「時間」に置き換えると、行く年・来る年の境目に立ち、その双方を守り、監視する神となります。
だから1月の神様。

これは考えてみると、本当は実に恐ろしい神様です。
人間の過去をじっと見つめ、今後どうあろうとしているのかをじっと監視している。
その人の内面と外面の境に立ち、その双方を見つめている。
その家の中で何が起き、何が行われているのか、よその人には見えないがヤヌス神は見逃さない―――。

1年が終わり、新しい1年が始まる時にヤヌス神にどう見られたか、古代ローマ人は反省する機会としていたのでしょうか。
ある時期、ローマの最高神がヤヌスだったのもうなずけます。

日本で言えば「お天道様」でしょう。良いも悪いもお天道様は知っていると昔の人は言ったものです。
一つの体に顔が二つだなんてグロテスクだなんて考えが甘い。
日本には十一面観音なんていうのもあるから日本の方がスゴイ。

神も仏もいないかのような日本ですが、今年はちょっとだけ違うようです。
きっと、便所の女神様は掃除する苦労をけっして見逃さないと信じる人が増えたことでしょう。
ともあれ1年の計は元旦にあり。
年末・年始には少しは真剣に「来し方・行く末」を考えてみますか。

 

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