太陽と月が連れ添って昇る日

   
      海王宮から上陸した神々が体を清めた「神洗神社」

今年2010年の旧暦元旦は2月14日(日)。もうすぐです。
この日は太平洋から太陽と月が連れ添って昇ります。
上総一ノ宮での月の出が午前6時14分。日の出が6時27分。
その差はわずかですから、太平洋から一緒に昇る といっても良いと思います。

もっとも太陽の光で月は隠され、月の出を目視で確認はできません。
一日中連れ添って天空を巡るので、一日中、月の姿は見られません。
このような日を旧暦では朔日(サクジツ:1日のこと)、月の形を “新月” といいます。

見えなくとも連れ添って昇る姿が昔の人には実感できたのでしょう。
旧暦1月1日とは立春の後の最初の朔日。
初日を拝むとは、実はそろって昇る日月に今年1年の幸福を祈願する行事でした。
元旦という日は元々そのような特別な日だったのですね。

上総一ノ宮の玉前(タマサキ)神社は日月を祭る神社です。神宝は赤玉と白玉。
赤玉・白玉とはもちろん太陽と月のことでしょう。
太陽と月の引力が太平洋の潮の干満を支配していることはご承知の通りです。
潮の干満を自由に支配できたらどれほど素晴らしいことでしょうか。
日本神話の「海幸彦・山幸彦」の物語では山幸彦が綿津見(海)神から塩盈珠(しおみちのたま)・塩乾珠(しおひのたま)という秘宝を受け取り、ケチな海幸彦をやっつけたました。
潮の干満を自在に操作できる海神の宝玉、これが玉前神社に伝わっていた赤玉・白玉なのかもしれません。

山幸彦の嫁さん(海神の娘=豊玉姫)は出産の際に大きなサメに戻った姿を見られたのを恥じて海王宮に帰ってしまい、妹(玉依姫)を保母代わりに地上に送りこみました。たぶん彼女も本体はサメ。
玉依姫は姉の産んだ子(ウガヤ)の世話し、やがてウガヤと結婚して神武天皇の母になります。
神話の世界だから夫婦の年齢差や近親結婚など関係ありません。
神武の実母・祖母とも海神の娘・本体はサメなんですね。

その神武が天皇として即位したのが2670年前の2月11日。戦前の紀元節。
今でも本気で信じている人がいるのが不思議であり、恐ろしい。
神武の母・玉依姫を祭っているのが上総一ノ宮・玉前神社。
祖父・山幸が海神から贈られた秘宝は海神に返却したのではなく、海神の娘である豊玉姫・玉依姫が管理していたと考えるのが順当でしょう。

玉前神社とは親類筋にあたるのが一ノ宮の隣町、岬町中原の玉崎神社。
姉の豊玉姫を祭神としています。ここには紅白の秘宝が伝世されており、それは大きな赤い水晶球・白い水晶球だそうです。(非公開)

海王宮から地上に来た山幸・豊玉らの神々が清水で体を清めたとされる池のほとりに建立されたのが一宮町綱田の「神洗神社」。
ここ(画像)は今はうらさびれておりますが、ここでは近年、新暦の元旦ではなく、旧暦の元旦に行う祭礼が復活されました。
もちろん、海神から贈られた紅白の秘宝=干満を操る秘宝=日月に対して永遠の恵みを祈願してのことでしょう。

海洋漁労民の古い神話の世界が現代の千葉県で生きていることに驚きます。
何有荘から車で20分ほどの神社です。
14日、朝晴れますように! 
朝、海岸に行き、改めて日・月・海原の恵みに感謝したいと思います。

補足
新暦2010年元旦は、日の出6:47、月の出17:09。太陽と月は離ればなれ。天文学的には何の意味もない日です。

 

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