十五夜は満月とは限らない

   
        小型デジカメでも満月の写真が撮れました

10月3日(土)が旧暦8月15日で中秋の十五夜でしたが、あいにくの空模様。
翌日の4日(日)はすっきりすっきり晴れた満月(画像)の晩でした。
今年は十五夜なのに満月ではなかった、その理由をできるだけ簡単に説明しましょう。

新月から次の新月まで、月の1周期は約29.5日です。したがって旧暦の一ヶ月とは29日か30日のどちらかです。小の月、大の月と言い、例外はありません。
暦を完全に月と連動させると1年は29.5×12=354 で354日になります。
太陽を基準とする1年は約365日ですから、太陽の1年と月の1年との差は
365-354=11 つまり1年に11日ほどずれていきます。

このズレを放置しておくと3年で33日。約1か月も早く新年が来てしまいます。
9年も放置すると3か月と10日もずれますから季節感はメチャクチャ。
季節感など無視して、1年を354日と定めているのがイスラム暦で、1月は暑いか寒いかなど誰も判りません。それを気にしないのがイスラム暦です。

古代エジプトや古代中国では洪水の時期、季節を正確に知る必要から太陽暦を採用しました。しかし月の満ち欠けは一目瞭然の便利なカレンダーですから、中国ではこれも合わせて利用することにしました。
こうしてできた暦を太陽太陰暦(旧暦)といいます。太陰とは月の別名。
太陽と月の1年の周期の差11日をどう処理するか、学者が頭をひねって出した結論が「うるう月」です。
19年に7回うるう月を挿入し、1年を13か月として季節のズレを防ぐことにしましたが、どの年の何月にうるう月を挿入するかは面倒くさい計算が必要でした。

だいたい、月の満ち欠けは日ごとに変化するのではなく、昼も夜も刻一刻と目に見えない程度で変化していきます。
したがって新月というのは正確にいうとある一瞬のことで、その一瞬を含む日を旧暦では1日(ついたち)とします。ところがその一瞬が午前0時ちょい過ぎに来ても23時59分であっても、その日がツイタチなのです。月齢(月の形)との絡みで言えば最大24時間近い差があっても、その日がツイタチなのです。
満月の場合も同様で、その一瞬を含む日を「満月の日」といいます。

月の1周期は正確に言うと29.53日で、月の軌道は正円ではありませんから季節による微妙なズレをも加味すると、それを修正するために小の月(1か月29日)を連続させたり、ある時は大の月(30日)を連続させたりと暦学者は毎年大変な苦労をしたものです。
そんなこんなで、1年間の暦の合理性を保とうとすると、どこかに無理が重なり、必ずしも旧暦15日が「満月の日」にならない場合も出てしまいます。
そもそも旧暦では1か月が29日の場合が多々あるのです。15日が満月でなくとも不思議でも何でもありません。

現代は基本が太陽暦(新暦)ですから、4年に一度、2月末日に「うるう日」を挿入すれば季節との整合性がとれ、面倒くさい話はなくなりました。そのかわり、月の満ち欠けなどまったく無視です。
新暦の15日の夜はどのような月が出ているか全く判りません。月を見て今日の日付や今の時刻を知る人はいなくなりました。

あぁ疲れた。なぜかというと、家内はこれを何度説明しても判らないのです。
みなさんは理解して頂けましたか?

旧暦は月の満ち欠けを基本にしているが、時々十五夜と満月が同じ日にならないことがある、それが旧暦だ――ということだけでも承知して頂ければけっこうです。
 

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十五夜だから満月だ思い込み、満月に見えないのに満月だと納得する方が恐ろしい。裸の王様と同じで、あれは満月に見えないという自分の感覚を大事にしたいですね。自信を持っていいのです。人から笑われようとも。それが正しかったのですから。

超、超、嬉しいお話でした。タイムリーなお話でびっくりしました。今頃コメントしていますが、読ませて頂いたのは、十五夜の日が満月でなかったから不思議でいらいらして、図鑑で調べてもわからなかったころでしたから、教えていただいてうれしかったです。実は、あの夜、曇っていて、次の日、こうこうと満月で、孫とお月様を見て、十五夜おつきさんの話をしようとしたが、なんか変だったので、話ができなかったのでした。じつは、せっかく説明していただいたのですが、理解不能に近く、ただ、合致しないことがあるとわかって喜んでいるしだいです。めんぼくない。合掌。