ニラの花

   
       3枚が本物の花弁で残り3枚は苞(ホウ)だとか

9月になると庭のニラの花が咲きます。なかなか精緻で美しい。これもまた夏の終わりを告げる白い花です。
あぜ道や道端のあちらこちらにも雑草と一緒に無造作に白い花が咲いているので
「こんな所にもニラが生えていたのか」と初めて気づきます。
自動車に乗っていたのでは気づかないでしょう。田舎ではニラは雑草の仲間のようなものと言えます。

昔々、野菜は畑で栽培するものではなく、野に摘みに行き採集してきました。
そんな歌が万葉集にあります。ニラ摘み作業を歌った東歌。
                                  (万葉集14-3444)
   きはつくの 岡のくくみら 我れ摘めど 籠にも満たなふ 背なと摘まさね
                         
きはつくの岡(地名)のククミラ(ニラの古名)を摘んでいるけど、なかなか籠いっぱいにはならない。(それなら)あなたの彼氏と一緒に摘みなさいヨ――という女性たちの掛け合いの歌です。
女性たちは昔も今も仕事をしながらおしゃべりをし、冗談を言いあうのが得意のようです。

年に何度刈り取られても、元気に葉をのばして食卓を豊かにしてくれたニラですが
この時期は花茎を伸ばし、つぼみをつけ、そして花を咲かせています。
葉は固くなり普通はもう食べません。その伸びたつぼみ付の茎を切り取って調理する方法があるそうで、「花ニラ」料理と言います。
花ではなく、つぼみ+茎なのに「花ニラ」というのが不思議と言えば不思議です。
「ハナニラ」という植物とは別物。まぎらわしいネーミングですネ。

信州などの田舎料理ですが、れっきとした中華料理素材でもあります。
調べてみるとベトナムでも食材として利用するらしい。
調理はおひたしや天ぷら、炒め物、餃子、ぞうすいなど。油炒めはシャキッとした歯ごたえがあり、ほんのり甘いということです。
『肉花ニラ野菜炒め』なんぞ、きっとオイシイだろうと思います。

庭のニラでは数が不足ですから、万葉集のマネをして家内を誘い秋の空、花ニラ摘みにでも行ってみましょうか。

  

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