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★カツオのカルパッチョ

カツオ
   
   目には青葉 山ほととぎす 初鰹  山口素堂

春を代表する鳥ならばウグイス。
そして夏になったと実感するのがホトトギス。
魚ならば黒潮に乗ってやってくる近海のカツオ。

ホトトギスの初鳴きを聞くために徹宵したという話が枕草子にあります。
平安末期の歌人・源俊頼は次のように歌いました。

  聞かずとも 聞きつといはん 時鳥(ホトトギス) 人笑はれに ならじと思えば
 (ホトトギスの初音はまだ聞いてないけど もう聞いた言おう 笑いものにならないように)

初音を聞いたかどうか、が当時の人々の重要な話題だったことがわかります。

三浦半島からオショクリ船(押送船=早船)で徹夜で江戸まで運ばれたのが初カツオ。
1尾十数万円払っても買うのが粋な江戸っ子だったようです。

初鰹銭と辛子で二度涙――この川柳は粋を貫くために初カツオの高価さに密かに泣き、刺身にたっぷりつけた辛子で泣いたという江戸っ子のやせ我慢を笑ったものですが、カツオにはワサビではなく辛子でした。

現代社会では南洋まで行ってカツオを獲り、冷凍冷蔵技術の発達、輸送手段の革新によりいつでもカツオが食べられ、価格もぐっと下がりました。
でもやはり、ホトトギスの声を聴きながら食べるこの時期のカツオは格別です。

画像のようにカツオの刺身にチーズと辛子、マヨネーズを載せました。緑は豆苗(トウミョウ)。
醤油とオリーブオイル。ペッパーミックスをかけてあります。

チーズは地元の 「よじゅえもんチーズ工房」 の 『ミルクの精』 というリコッタチーズ。
原材料は生乳と乳精(ホエー)のみの手作りチーズ。
ちなみに市販のクリームチーズ「キリ」の原材料は生乳、クリーム、乳たんぱく質、食塩、乳化剤、乳精ミネラル、ph調整剤――添加物で味と香り、食感を演出しています。
よじゅえもんさんは夫婦二人の零細工房ですが、どのチーズも誠実さとこだわりの作品です。
カツオのカルパッチョにこのチーズを載せて正解でした。

カツオは近くの勝浦漁港直送の生カツオ。
何有荘から太東崎の青葉を眺め、ホトトギスの声を聴きながらのカルパッチョ―――こういう暮らしを現代では贅沢な暮らしというのでしょうね。
いすみ市ならば珍しくない暮らし方だと思います。


  
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