★竹藪のクマガイソウ(熊谷草)

クマガイソウ
        ラン科では国内最大の花だとか。市内の某竹林にて

東京都ではすでに絶滅。千葉県では絶滅危惧1類で近い将来に絶滅の恐れがある種類。
「いすみ市はまるでガラパゴスだ」 とはいすみ市の自然を守る会会長の言葉。
氏の言うようにいすみ市には絶滅危惧種が当たり前の顔をして私たちの前に現れます。
例えばニホンアカガエルなど、我が家にも出没し、市内でもっとも普通のカエルです。

クマガイソウはタケノコを採りにいって、その林で見つけました。3年前の話です。
以後、毎年気を付けて保護してきました。
タケノコ掘りの人たちはタケノコに目が行き、林内に出てくる他の植物なんて雑草なんでしょうね。
踏みつぶしても気にしない。

2枚のウチワ(団扇)のような葉の中央から花芯を伸ばし、丸くまとまった袋のような花をつけます。
奇妙というか可愛いというか、野草が趣味の人に人気があり、野草業者による乱獲で全国全県で絶滅危惧種になってしまいました。

似た仲間に、もう少しカラフルなアツモリソウ(敦盛草)があります。
熊谷とか敦盛とか聞けば、連想されるのは平家物語ですね。命名の由来は平家物語にあります。

源平、一の谷の合戦にて源氏方の老武者・熊谷直実は平家の若い公達・平敦盛の首をはねます。
そのいきさつは平家物語の名場面の一つですから、ご存じない方はぜひ一度、平家物語をざっとでも目を通してみてください。
熊谷直実は立身出世ではなく、諸行無常を感じて仏門に入ったと語られています。

その心境を唄ったのが織田信長による幸若舞の『敦盛』 
――人間(ジンカン)五十年 下天の内をくらぶれば、夢幻のごとくなり。一度生を得て滅せぬ者のあるべきか―――
TVでの桶狭間の戦い、本能寺の変の場面では必ずと言ってもよいほど映像化されています。
『下天の夢』という宝塚の舞台やお酒もあります。
若いころ、『下天の夢か』という津本陽さんの新聞小説を毎日楽しみにしていました。

二つの草がなぜ敦盛、熊谷の名を負ったかと推測すれば、その特徴的な花の形にあります。
当時の騎馬武者は背後からの矢の攻撃を防ぐために、母衣(ほろ)という巨大な風呂敷のようなものを背負っていました。
花の形がこの母衣みたいだと命名者は思ったのでしょう。
それで少しあでやかな花の種類を敦盛草、地味な方を熊谷草と名付けたのだと思います。

いすみ市でも在来のメダカはほぼ絶滅しました。
田畑に農薬がまかれ、小川がU字溝になって生息場所を奪われました。
いくらでもいるよ、珍しくないよと思っていても、気が付けば都会のように昆虫はゴキしかいないということになりかねません。
豊かな自然を後世に残す、今の赤ちゃん世代に残すというのは、今を生きる大人の責務だと思っています。


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