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★井上ひさし『一分の一』(2011年刊行)

一分の一
    市の図書館で借りた文庫本

風邪で寝転んでいるうちに何冊本を読んだでしょうか。
読みだすと止まらなくなってしまいます。
この本は井上やすしの絶筆というか、未完の大作。
荒唐無稽のドタバタ劇の中に氏の願いが込められているように思います。

吉里吉里国の独立同様に、農業立国、医学立国、静かで謙虚、真に知恵のある日本の国が理想――宮沢賢治が描いた世界でしょうか。

時は1986年の日本。戦後、日本は米、英、中、ソに分割統治され、戦後40年もたつとそれぞれ米英中ソ風に風俗習慣が染めれれています。
主人公はソ連統治下の北ニッポンのさえない地理学者、遠藤三郎。地元ではロシア風にサブーシャと呼ばれます。

ひょんなことで日本統一・独立運動に巻き込まれ、上を下への大騒ぎ。逃走大活劇。
やがて国家反逆罪で逮捕、裁判にかけられますが、そのままでは終わらない…というところで絶筆。
理想の国、日本のあり方は読者にゆだねられました。

『一分の一』とは実物大ということで、等身大のニッポン、虚飾を排した本当の日本人とは?という意味だと思います。

井上氏の名前を知ったのは、ひょっこりひょうたん島のシナリオライターであったことからですから、もうずっと昔です。
TVを見ながら、アスパラガスとかチーズとか、どんな食べ物だろうと思ったものです。

『国語元年』や『父と暮らせば』など井上氏の作品はお笑い満載で、それでいて考えさせれれます。
『9条の会』の呼びかけ人でもありました。
ご冥福をいのります。

 
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