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★おたち祭――いすみ市長者町の天神社

おたち祭
   なかなか立派な神社です。

旧暦10月を「神無月 カンナヅキ 」というのはご存じだろうと思います。
この月に島根県、出雲大社に全国の神々が集まって、諸事万端、とりわけ男女の縁組などを相談するのだそうです。
それで出雲では反対に旧暦10月を「神在月 カミアリヅキ 」というそうです。

それじゃ地元には神様がいなくなるのかと不安になりますが、その期間は出雲出身の神様、えびす様ががっちり留守を守ってくださるので心配ありません。

えびす様は本来、漁業・大漁の神様です。大黒様(農業の神様)と一緒に並んでいることが多く、右手で釣り竿を担ぎ、左手で鯛を抱えた姿で良く知られています。
やがて商売繁盛、招福の神様として全国的にメジャーな神様に進化しました。
いすみ市でもいくつかの商店はその時期に「えびす講」と称して特売を行っております。

さて「おたち祭」とは神様が出雲に出立する日の祭礼で、そんな祭りがあるとはこちらに居を構えるまで知りませんでした。
神話に出てくる豊玉姫を祭る地元の玉崎神社でも「おたち祭」が行われます。
でも、天神社は平安時代の菅原道真公が神様(天神様)になった神社ですから、道真公も出雲に行くのかなぁ、などと思ったりしますが、深く考えないことにしましょう。

10月31日が「おたち祭」なのは、11月が旧暦の10月に相当するからでしょう。
出雲では伝統に従って旧暦で神々の集いの行事が執行されます。
今年は、旧暦で閏(ウルウ)五月というのがあったので五月が2回ありました。つまり1年は13カ月。旧暦10月1日は11月18日です。例年より約半月、後ろにずれました。

出雲大社の西の海岸、稲佐の浜で11月27日19時から「神迎え」の神事が始まります。
この時期の19時はもう真っ暗。海岸ですからひどく寒いことでしょう。
旧暦では10月10日。19時とは、晴れていれば上弦の月が南の空に見えるはずです。

全国の神様が稲佐の浜から続々と上陸して出雲大社に向かいます。
稲佐の浜とはアマテラス一派がオオクニヌシに国を譲れと強談判した現場ですから、何か本当は深い意味があるのかななどと思いますが、とりあえずパス。

この時期、強い偏西風で荒れた海の中から南国育ちのウミヘビ、龍蛇(リュウジャ)様が打ち上げられることがあると言います。
龍蛇様の実体はセグロウミヘビという毒蛇です。腹は金色縞模様で、波間にキラキラ光るそうです。これは龍宮からの使いの神様として大切に扱われました。
  Pelamis_platura,_Costa_Rica[1]  画像元ウィキペディア
蛇が神様というのは縄文時代からの信仰ですから、出雲神事の起源の古さを思わせます。

オオクニヌシの国造りの相棒であるスクナヒコナが常世の国(トコヨノクニ)に行ってしまい、困惑するオオクニヌシの前に海の彼方から光り輝く玉がやってきて、奈良の三輪山に祭れば国造りは成功すると請け合います。その正体はオオモノヌシ。
でも、もしかすると龍蛇様かもしれませんね。海から来た光る神様ですから。そして三輪山は蛇が神様です。

御柱祭で有名な諏訪大社の神様はタケミナカタで、アマテラス一派に反抗して敗れ、諏訪に逃げ込んだ出雲の神様。本体は蛇だと言われています。蛇は縄文時代は神様でした。

そして、いすみ市刈谷の国吉神社のそもそものご祭神は、そのタケミナカタです。
出雲系の神様は全国各地にたくさんいたんだなぁ、と思います。
その神様の年に一度の里帰りが、神在月・神無月なのです。


 
 
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