★五月、危険な美しい野草の花、二題

キツネノボタン クサノオウ
      左=キツネノボタン  右=クサノオウ

野山に出て花を摘むなんて、大人になればほとんどしないけれど
子どもは「ワー、きれいな花だ」と言って摘むかもしれません。
大人だって、美しい野草を見れば自宅に飾ろうなんて思うかもしれません。

子どもに人気があるのがキツネノボタン(狐のボタン)
黄色のかわいい花が咲き、熟して種になるとトゲトゲのある丸い実ができます。
その実を「引っ付き虫」と言って、昔の子どもらは投げ合って楽しんだものでした。
その実の形状をコンペイトウに見立てて、コンペイトウ草ともいうそうですが、聞いたことはありません。

なお、「引っ付き虫」の元祖・家元はオナモミの実です。
アメリカセンダングサの実も勲章のようにくっつきます。
ヤエムグラの軸も粘ってくっつくので「引っ付き虫」と呼ぶ人もいました。

キツネノボタンの葉はヨモギに似ているので、誤まって採集される場合があります。
ヨモギは葉の裏や軸が白。こちらは若草色ですから容易に区別できます。

まさか食べる人はいないでしょうが、摘むときに手に着いた草の汁でひどくかぶれます。
その汁がついた手でお握りを食べれば、ひどいことになる人もいることでしょう。

一方、クサノオウはこちらに移住して初めて知りました。都会地では見かけません。
ヤマブキの咲く季節ですから、クサヤマブキと称してもおかしくない華麗な花です。

今日、毒草と呼ばれる種類の植物は江戸時代は薬草だったことが多い。
文字通り、毒にも薬にもなったのですが、西洋医学の発達ですたれました。

吹き出物をクサ(瘡)といい、クサノオウは吹き出物やイボ、タムシなどの治療に使われたようです。茎葉をちぎると、黄橙色の汁が出ます。それを利用しました。
それで、瘡の王 または 瘡の黄 でクサノオウ。
強力な薬草なので 草の王 など名前の由来は諸説あります。

千利休がおもてなしにヤブツバキを1輪だけ用意したというのは有名な話です。
それにあやかって、自宅にクサノオウ一輪飾ろうなんてと考えない方が良いでしょう。
手折った時の液汁に触れるとひどくかぶれます。

地元でも知らいない人の方が多くなりました。
特にお子さん連れで山野を歩く場合は、手を出さないように気を付けてください。


 
 
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