★田んぼの強雑草がお寺のシンボル?

沢潟紋
  一宮町、観明寺の山門の装飾は沢潟(オモダカ)

オモダカはどんなに除草剤をまいても駆除できない田んぼの強雑草。
今の時期はかわいい白い花を咲かせています。
嫌われ者のオモダカですが、矢じりに似た特徴ある葉で、昔の武士に好かれました。
どんな逆境にあっても滅びないので。

一宮の観明寺の山門は一宮町で現存する最古の建築物だそうです。
1000年以上に渡って上総国一宮の玉前(タマサキ)神社の別当寺として栄華を誇ったお寺です。
明治維新前後の廃仏毀釈(ハイブツキシャク)で衰えましたが、それでもなお往時のたたずまいを残しています。

そのお寺になぜオモダカ紋が?と思いますが、その答えは意外と簡単です。
お寺の山門を寄贈した人物を象徴しているのです。
その人物とは、江戸時代初期、新たに一宮を領した堀親興。
新たに拝領した領土の由緒あるお寺に山門の建築費用を寄進したのでしょう。

堀氏の家紋が沢潟(オモダカ)紋で、画像を見ると、左右にオモダカ、中央にオモダカの花―――つまり、「抱き沢潟紋」をデザインし直したものだと推測できます。
  オモダカ葉 田んぼのオモダカとその花

鎌倉の古寺を散策すると、どの古寺にも屋根や灯篭に「ミツウロコ紋」が目立ちます。
もちろんこれは、鎌倉の実力者・北条氏の家紋です。
北条氏の財力でこのお寺が建立されたことを示しています。

オモダカは昔から「勝ち草」と呼ばれてきました。矢じりの先端が常に上向きだからです。
オモダカが「面高」に通じ、けっして屈しないという意味にもなります。
そのオモダカを家紋とした堀氏ですが、跡継ぎを定めぬうちに急死し、お家断絶になってしまったのは気の毒なことです。

「勝ち虫」と呼ばれたのがトンボ。
中国地方の雄・毛利元就は、若い頃、出陣の際にオモダカにトンボが止まったのを見て「勝ち草に勝ち虫 、勝利は疑いなし」と全軍を鼓舞して勝利したそうです。
それを記念して、「一文字三星」の替え紋としてオモダカ紋を採用したといいます。

その勝ち虫・トンボが止まってもスッと動かせば真っ二つになるという鋭い槍先を持つ槍が「蜻蛉切(トンボキリ)」の異名を持つ、本多平八郎忠勝の槍。
NHKの 「真田丸」でも平八郎は槍の名手として活躍しています。

隣町・大多喜の人々は平八郎を主人公とした大河ドラマを、と運動しています。
大泉洋さん演じる真田信幸の奥さん・小松姫は大多喜から嫁入りしました。
大多喜の人々は大河ドラマ誘致に熱が入ることでしょう。

勝ち草に勝ち虫、昔の人は自然とともに暮らしてきました。
農薬をばらまけば、自然のバランスは崩れ、トンボの数は激減しました。
そして、農薬が効かないスーパー雑草のオモダカさえ現れました。

じゃ、どうすれば良いのか、その答えはほぼ出ているのではないかと思っています。


 
 
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