★七夕あれこれ

七夕
    織姫・牽牛(彦星)の星座 画像元を加工

「本日は七夕です。」 どこのTV局の気象予報士もそう言っていますが、本当は…という話がないので、あれこれ、よもやま話にお付き合いください。

まずは画像の説明。
いすみ市では晴天の夜、天の川がかろうじて見えることがあります。
夜8時、東の空、天の川の下の方に輝くのが彦星(牽牛)。鷲座のアルタイルです。
天の川を挟んで天頂近くの輝く星が、織姫(織女)。琴座のベガ。
そして天の川真ん中に輝く星が、白鳥座のデネブ。

洋の東西を問わず、夏の夜空で目立つ星です。
特にアルタイル(彦星)、ベガ(織姫)、デネブは「夏の大三角形」として有名ですから
一度、探すのにチャレンジしてください。見つかるとうれしくなります。

星座と星の名前はギリシャ神話由来の名前が今では世界共通ですが、
それとは別に日本でも独特の、あるいは中国伝来の星の呼び名がありました。
織女・牽牛と言うと中国的。それを日本的にアレンジしたのが織姫・彦星。
その細かい話は面倒くさいのでカット。
7月7日の晩、カササギが羽を連ねて天の川に架かる橋となり、二人は年に一度のデートだったとか。

わたしが問題にしたいのは、7月7日の晩とはいつか? ということです。
7日の晩に笹の葉に吊るした願い事を祈ったって、実は遅いのです。
6日の晩には飾りつけ終わり、願い込めてから7日を迎える――これが大昔からの作法。

日本の神事は真夜中に行われます。それは伊勢神宮でも出雲大社でも同じです。
夜が明ければすべてが終わり、庶民は笹の葉を川に流したものです。
地上の川は大海に流れ込み、その果てで天の川につながると考えられていましたから、川に流してこそ、天に願いは通じると思いました。

今は川に流すなどできないので、お寺で御炊き上げなどありますが、ゴミに出しちゃうというのは興ざめですね。

つまり7日は「星に願いを掛けた」翌朝の後始末の日です。笹を流して行事は完結します。ようやくひと段落ついて、「お茶にしましょうか」となり、おいしい物でも食べたのでしょうか。
それが7日です。
それは大晦日までにすべての準備を整え、元旦(1月1日)を迎えるのと同じです。
7日に飾りつけをしたのでは遅い理由がここにあります。

また、伝統的な七夕の祭りを新暦で行うのは無理があります。
今日7月7日は旧暦では6月4日で、まだ入梅中。すっきりした夜空は見込めません。
だから、仙台など月遅れの七夕が各地であるのも当然です。
時期的には良い季節で晴れの確率が高い。今年の8月7日は旧暦の7月5日に当たります。

旧暦では初秋になる7月7日の晩の月はどういう月か、ご存知ですか。
旧暦では1か月を、上旬、中旬、下旬に分けると、月の姿は上弦、満月、下限にほぼ対応します。
7日は新月と満月(15日)のほぼ中間。完璧な上弦の月となります。

すると七夕の晩は毎年必ず、月は夕刻に天頂にあり、明け方に西端に沈みます。
夕涼みがてら深夜まで、恋人と手を取り合って、星に願いを掛けるのには最適なシチュエーションですね。
昔の人はイキな行事設定をしたものだと思います。なんとか夜道も歩ける明るさですから。

日本の古来からの伝統行事は月の満ち欠けと共にありました。
それが太陽暦に変わって日常生活は便利になりましたが、伝統行事と月の関係はズタズタになりました。

今では7月7日の月の形など誰も気にしません。
笹を飾りつけ、短冊に願い事を書いて、七夕の歌を歌えば、ハイ、おしまい―――これではちょっとさびしいなと思います。
昔の人が七夕にかけた思いを 少しは共有してみたいものです。


 
 
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