★夷隅川、海岸砂丘のハマヒルガオ

ハマヒルガオ
    今年は例年より咲いている範囲も個体数も少ない

夷隅川河口の広大な砂浜は実にすがすがしい。
余分な人工物がなく、うるさいスピーカーの音もしません。
一人二人の釣り人がじっと動かず、のんびりと糸を垂らしています。

その砂浜の一部が小高く連なっているのは、海岸に砂が波で打ち寄せられ、それが風に運ばれて積み重なったものです。
おおむね2mぐらいの高さでしょうか。
まるで堤防のように連なり、自然堤防というようです。
そこは海浜植物の宝庫でもあり、いくつもの変わった植物を見ることができます。

浜豌豆浜防風
画像左:ハマヒルガオの群落にまじっている鮮やかな紫色の花はハマエンドウ。
サヤエンドウの仲間だそうで、その気になれば食べられます。
もっともマメ科の植物はどうれもそうであるように、生のままだと食中毒になるので、無理して食べることもないでしょう。

画像右:高級食材として有名なのが、画像のハマボフウ。
せり科でシシウドの仲間。シシウドを小型にしたような花で特徴がしっかり出ています。
花が咲く前の若い葉は刺身のツマに使われます。
昔は海岸でいくらでも採集されたと話に聞きますが、最近はほとんど見かけなくなり、特定の場所でしか発見できません。

弘法麦チガヤ
画像左は弘法麦(こうぼうむぎ)。
この枯草はボサボサで、そうなると使い古しの筆に見えなくもありません。それで別名がコウボウフデ。
弘法は筆を選ばず、といいますが、弘法様ならばこんな筆でも立派な文字が書けるだろう、として名付けられたといいます。
画像右は陸地化部分な顕著なチガヤ。
チガヤもそろえばなかなか美しい。逆光のチガヤの群落は好きな景色です。

とろで、3.11以後、東日本の海岸を高い堤防で取り囲むという計画が進んでいます。
第1期といいますか、さしあたって東北から隣町の一宮までの計画が実行に移されています。
たとえば高さ10mの防潮堤の場合、頂上の幅3m以上とされます。
この場合、東京葛飾区のようなカミソリ堤防ではなく、緩やかな傾斜を持つ堤防が想定されていますから、その底辺の幅は43m以上となります。

つまり、海岸に幅43m高さ10mの堤防が延々と続く景色が広がることになります。
住民に説明会が開かれますが、住民に決定権はありません。
その海岸に住む小動物や植物群落は壊滅的な打撃をこうむることでしょう。

日本の白砂青松の景色が消えようとしています。
そして、これだけの構築物をつくるのに税金をどれほど投入するのでしょうか。
その上、3.11クラスの津波には対応していない。
いったい、誰のための堤防かと疑ってしまいます。
 


関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント