蒲(ガマ)の穂

   

幼い頃、都会地でも湿地帯にはガマが生えていたものです。
都会の湿地帯はすべてなくなり、ガマなどは絵本の中の存在ですが、何有荘近辺にはまだガマの自生地がいくつかあります。

♪大きな袋を肩にかけ…という「大こくさま」の歌の中で赤裸にされたシロウサギ(原文では素兔。白兔ではない)の傷を治したことで有名。
しかし、あの蒲の穂にどうやってくるまるのか、それが永年の疑問でした。

蒲の穂はもう1か月もするとボロボロになり、真っ白な穂綿ができて風で飛んでいきます。それを初めて見た時に、あぁこれがホワタかと納得したものです。
海水で洗うのではなく、河口の真水で洗う――というのは理にかなったことで、河口の水はやや塩分が含まれ、生理食塩水に近い。
その後、このホワタに包まれれば包帯代わりになり、ただれた皮膚の回復も早そうな感じです。
ホワタをびっしりと身につけていれば、毛が生えたように擬装(ぎそう)できますから、たちまちもとのシロウサギ。

もっとも学者によれば、茶色い蒲の穂をポンポンと叩くと黄色い花粉が採れる、これが穂黄(ほおう)という生薬で外傷に効くという話です。
するとホワタに包まれたのではなく、やはりあのフランクフルトソーセージのような蒲の穂をたくさん集め、その中に潜り込んで治したのでありましょう。

ホワタではなく、穂が正しい治療法のようです。
あの穂が治療薬になるのか、と思ってみるとなかなか立派な姿に思えてきます。

ついでながら余計な話を二つ。

*フトンを蒲団と書くのは蒲の穂綿を集めてフトンにしたのが始まりだとか。

*因幡のシロウサギは白くない。日本の野ウサギは薄茶色。
  赤目の白ウサギが日本に来たのは明治になってから。
  ほとんどの絵本は間違っているようです。
 

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