★まだまだ元気な レモンバーム

レモンバーム

関東地方で一番遅い紅葉は千葉県の養老渓谷で、11月下旬~12月上旬が盛り。
常緑樹の多いいすみ市でも朝晩は寒くなり、紅葉・黄葉が目立つようになりました。

そんな晩秋・初冬でも元気なハーブが画像のレモンバームです。
バーム balm とは油性・芳香性の物質の総称。文字通りレモンの香りがするハーブです。
ティーにするほか、柔らかくクセがないので生のまま食用に利用できます。
スープやシチュー、煮物・焼き物、ケーキやサラダにそっと載せていただいたりします。

レモンバームの別名がメリッサ。
メリッサとはギリシャ語で蜜蜂のこと。
6月に咲く白い花に蜜蜂が群がるので、蜜蜂の花という意味でこのハーブもメリッサと言われます。

語源をたどれば、メリッサとはクレタ島に住むニンフの姉妹に由来します。(ギリシャ神話)
姉は半神半獣のアマルティア、妹がメリッサでした。
父クロノスから命をねらわれた幼子ゼウスを姉妹が育てました。

アマルティアはヤギの乳、メリッサは蜂蜜をゼウスに与えました。
それで蜜蜂がメリッサ、花蜜を提供するこのハーブもメリッサ。
メリッサはゼウスの命綱でした。

さて 「乳と蜜」 と言えば旧約聖書・『出エジプト記』 が思いおこされます。
神がユダヤ人に約束した地カナンは 「乳と蜜が流れる場所」 と言われます。

草食動物である牛・ヒツジ・ヤギは草を食べますから、花蜜を提供するハーブとて容赦しません。
牛・ヒツジ・ヤギが増えて「乳が流れる地」 となればなるほど、大地の植物は食い荒らされて荒野となります。
ところが 「蜂蜜が流れる地」 とは豊かな緑の自然の大地です。

つまり 「乳と蜜が流れる場所」 は矛盾しており、両立しない。
その矛盾が解決されている場所とは、無尽蔵の緑の大地から尽きることのない乳と蜜が取れる場所で、そこが理想の大地でした。いわばこの世の天国。

古代ギリシャ人もユダヤ人も 「乳と蜜」 で理想の地を表現したのは偶然でしょうか。
ギリシャ神話には石から人類を作った話や、ノアの方舟を思わせる大洪水の話もあります。
どうやら古代の中東・地中海東沿岸地域に住む人々には共通の思い出があったように思います。

しかし、どんなに丈夫なハーブでも霜が降りるようになると葉は枯れてきます。
今がフレッシュで利用できる最後の時期。
やがて春になると最初に芽生えてくるのもレモンバーム。
利用価値の高い丈夫なハーブであり、豊かさと希望を象徴するハーブです。


 
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