★10月の野の花、トリカブト

トリカブト
    ヤマトリカブトではなく、ツクバトリカブトらしい

手入れに行き届いた庭の花は美しいけれど、野草だってこんなに美しい。
美しい野草を手元に置き、品種改良をしたのが園芸品種。
山野の食べられる植物――野草を手元に置き、品種改良して効率的に育てたのが野菜。

だから本来はみな、山野の野草でした。
犬も猫も、牛も豚ももともとは野生動物でした。
イネも小麦もトウモロコシも芋もみんな野生のものを改良したものです。
そこから人類の農業が始まりました。

そんな現代社会でも山野を歩けば野生の花に出会えます。
いすみ市に自生のトリカブトが咲いているのを見た時は本当に驚きました。

江戸時代、トリカブトは鎮痛剤として利用され、その主な産地は富士裾野だと何かの本で読んだことがあります。
実物をはじめて見たのは神奈川県の丹沢でした。
海浜植物が多く、人家近くの外房の山野に自生しているとは思いもしませんでした。

花びらや茎葉を含め全草に毒がありますが、特に猛毒なのが根。
その根を採集して乾燥させたものが漢方で言う附子(ブシ、ブス)。
毒にも薬にもなる典型例です。

トリカブト殺人事件なんてありましたね。
妻が急死し、後妻も、三度目の妻も急死した事件はトリカブトを使った連続保険金詐欺事件として、TV、週刊誌を多いににぎわせました。
こうして、トリカブトの名を知らぬ人はいなくなりました。

だからトリカブトに触るのも恐ろしいと思う人もいますが、触っただけで死ぬことはありません。
有毒植物は身近にたくさんあります。

秋の彼岸花、お正月の福寿草、春の水仙、梅雨のあじさい、夏の夾竹桃…。
どれも有毒ですが、恐れる人なんかいません。 (それも問題ですが)
汁に触れるとかぶれる場合があるけれど、食べなければ無害です。

野草が一番美しく思えるのは山道でふと出会った時。
そんな自然環境が残っているということは素晴らしいことです。


 
 
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