★ススキが穂を出し、いすみ市は秋祭り

すすき
   このススキの穂の色を蘇芳(スオウ)色といいます。

9月の23日、24日は大原のはだか祭り。昨日は勇壮な“汐踏み”が海水浴場で行われました。今夜は神輿が一か所に集い、走り回り、そして“大別れ”です。

この祭の隠れた主役がススキ。
祭の準備に氏子たちは鎌を手にして野のススキを刈りに出かけます。

各神社には幟旗(ノボリバタ)が建てられ、そのてっぺんにはススキが飾られました。
神社の正面にはしめ縄が張られ、榊の枝と共にススキが飾られます。
ススキには邪を払う魔除け効果があると信じられ、秋祭に不可欠な神聖な植物でした。

ススキの穂の色は一見すると白ですが、月光を浴びれば銀色、夕日に映えれば黄金色――
でも若いススキは画像のようにやや赤みがかっていることに気付きます。
このようなススキを 「まそほのすすきなどいふ事あり」(吉田兼好「徒然草188段」)

「まそほ」とは【真赭】と書き、赤い土の色、硫化水銀の古名だと辞書にあるけれど、
『方丈記』の著者・鴨長明は【真蘇芳】(ますはう)の短縮形だと『無名抄』に書いています。
蘇芳とはどのような色なのか、こちらをご覧ください→●

いずれにせよ、ススキの穂には赤味が含まれると見た昔の人の観察眼は鋭い。
赤味を帯びた若いススキの穂は力強ささえ感じます。
それが魔除けの力だったのでしょう。
秋祭りに欠かせぬ植物になりました。

ススキと言えばお月見。
ススキは単なるお飾りではなく、邪気を払い、家内安全の魔よけの仕掛けなのでしょう。
だとすれば、お団子を載せる机は、本来は祭壇だったと見るべきでしょう。

旧暦8月の満月が中秋の名月で、今年は今月の27日(日)の晩です。
旧暦8月15日のこの日の晩、実際には左側がやや欠けていますが、ほぼ満月。
翌晩、28日の方が真円に近いのですが、気にしない。

月の地球を回る公転軌道はやや楕円です。
地球に最も近づくのが今月で、近いがゆえに一年で一番大きく見える満月だそうです。
秋で空気が澄んでいるから名月なのでしょうが、一番大きな月だから名月に指定されたとも言えそうです。

ススキに満月と言えば、花札の8月。
ススキの20点札=「ススキ野に満月」のデザインはすばらしい傑作です。

極端に単純化したデザイン。シンプルな色遣い。
現代絵画だと言っても通じると思います。
とても凡人には思いつかない色遣いとデザインで、江戸文化の懐の深さを感じます。

       芒




 
関連記事
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント