★海から陸地を眺めれば絶景が続く

海岸断崖
    山脈をスッパッと切り取ったような断崖が連なるいすみ市大原・岩船海岸

大原のイセエビ漁師の拓さんからメールがはいっていました。
――明日、いラ研の女子を乗せて船を出すから、一緒に乗ってみないか――

いラ研とは NPOいすみライフスタイル研究所 の略称で、活気のある地元にするために、“次世代の田舎生活” を活発に提案しています。→●
何有荘のエコな暮らし方という企画でご一緒してから親しくしています。

漁師の拓さんの船は14人乗り。イセエビが禁漁の今の時期は釣り船として活躍しています。
でも、先日の鯵釣りフェスタでは不漁だったと愚痴っていました。
海に行けばいつでも釣れるっていうもんじゃない。いくら探しても魚がいない日もある。海が荒れれば陸でじっと海を見つめて待ち続けるしかない―――

漁師も生きていくのは大変だと語っていましたが、今日は気楽な海の散歩みたいなもので、バッチリ晴天。ご機嫌です。
多少のうねりはありますが、まぁ画像のようにベタナギ。絶好の航海日和です。
いラ研女子ははしゃぎながら念入りの日焼け止め対策にご執心。

大原漁港から南下して岩船までの往復70分。
海流に逆らって南下する時は時間がかかり、波しぶきも大きい。北上時はスムーズです。
西に陸地を見て進みます。
漁港脇の丹が浦を過ぎれば、真夏の濃い緑色、鬱蒼とした山脈が続き、人家はほんの少しだけ。
海に面したわずかな平地部分にへばりついた小さな漁村です。

その山脈(ヤマナミ)が、まるで巨人が巨大な包丁でケーキをスパッと切り分けたような断崖になって続いている景色に気づきます。
その断崖が、大なり小なり、一直線になって繋がっていることも気になります。

もしも地上にこのような一直線になる地形があれば、まっさきに断層を疑うのですが、
この地域で断層の話は聞いたことがありません。

すると、これは黒潮が気の遠くなるような長い時間をかけて山脈をまっすぐに切り取ったと考えるのが妥当でしょう。
波が作った断崖を “海食崖 カイショクガイ ” といいます。
強い波で山脈の裾が洗われて崩れると、上部が崩れ落ちて切り立った崖になるのが海食崖。

大原から岩船まではかつて大きな半島部であったが、黒潮によって半島部の先端が最初に削られ、しだいに半島の根元にむかって徐々に削られ、とうとう今では、半島はなくなってしまい、断崖だけが残った…。
黒潮の流れにそって一直線の断崖が続くのは、そのような理由だと想像しています。

今船が進んでいる場所から、陸地近くにはうかつに近づけないいと拓さんはいいます。
海面下に岩礁地帯があり、そこは伊勢海老の良い漁場だそうです。
その危険な岩礁地帯とは、かつて半島だった場所が波で崩され、海に沈んでいる場所なのでしょう。

さて、大原漁港に戻り、今度は北上して太東埼往復の約60分間。
景色は一変して砂浜の海岸が続きます。
千葉県第二の大河・夷隅川の河口に当たり、黒潮と夷隅川が運んだ土砂で複雑な海浜地形が作られています。

この砂浜がアカウミガメの産卵地であり、サーファーの天国でもあります。
海の波も南下岩船コースと比べるとずっと穏やかです。
拓さんが 「イワシの大群だ 」と叫びました。
海がうっすらと黒くなっている場所がそうだそうです。拓さんは魚群探知機で正確に場所を把握できます。

大原漁港への帰り船。黒潮に逆らうからか、やや波が荒くなりました。
拓さんが、ホラ、富士山が見えるヨ、雪がないから真っ黒だけどと言います。

たのしいクルージングが終わりました。ありがとうございます。
海から眺めるいすみ市の景色は、地上の景色とは全く違いました。
新鮮な発見です。風も飛び散るシブキも酷暑の中ではさわやかでした。

いラ研さんは、このクルージングをタネに何か企画を考えているようです。
拓さんの 漁師工房拓 では8月になると伊勢えび漁が始まります。

わたちたちも、網のごみ取りのお手伝いに通って、網にかかったあれこれをゲットするのが楽しみな季節となります。



 
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コメント

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お礼

いすみライフスタイル研究所の宇井と申します。
先日の拓さんのクルージングではありがとうございました。
ご一緒できましてとても嬉しかったです。

ブログ拝見させて頂きました。
とても勉強になりました。
いラ研の紹介もありがとうございます。

お話しはゆっくりできませんでしたが、
新しい事務所の方にも是非お越し下さいませ。

美味しいシソジュースも御馳走様でした。

宇井里実