★野蒜(ノビル)の季節

ノビル
        小さな球形の鱗茎と緑の葉は野草として美味

これから田植えの季節にかけて、あぜ道や農業用貯水池の土手に無数に生えてきます。
何有荘の庭にも見境なく乱雑にはびこっているので、今年は掘り起こして整理しました。

食用にはできるだけ茎が太い個体を引き抜きますが、途中で切れてしまう場合が多い。
鱗茎は根を張っており、10cm以上深い場所にあることも往々なので、ちいさなスコップ、移植ごてなどで掘り起こします。

鱗茎をよく洗ってひげ根を切り落とし、そのまま生で食べても良いが、1~2分間ゆがいた方が食べやすくなります。
味噌をちょっとつけて食べます。酢味噌でもごま味噌でもお好みで。

葉はV字型をしており、緑鮮やかでしなやか。
見慣れればすぐ遠目にもノビルだとわかります。
葉も刻んで薬味としていただきます。汁物の具としても利用できます。

ニンニクやラッキョの仲間を蒜(ヒル)といい、野に勝手に生えるので野蒜(ノビル)。
古事記や日本書紀に、ヤマトタケルとノビルの話が載っています。

―――山道で疲れた尊が食事をしようとした時に、山の神が白鹿に化けて尊の前に立って妨害しようとした。尊はその鹿をあやしみ、一個の蒜をはじいて鹿の目に当てて殺した。すると尊はたちまち自分のいる場所がわからなくなってしまった――

ノビルというのは地元の神様を一瞬にして殺してしまうほど強力な食べ物ということなのでしょう。
禅宗のお寺ではニンニク・ラッキョなどを食べてきつい臭いを漂わしている人物は入山してはいけないという規則があります。
エジプト庶民はニンニクをバリバリ食べてピラミッドの建設に従事したそうです。

それにしてもヤマトタケルの振る舞いは傲岸不遜。
この事件以後、タケルの運命は暗転し、最期は死して白鳥になるという物語に続きます。

まぁ、あまり難しいことは考えず、ノビルってけっこうオイシイじゃんと春の野の恵みをいただくのが、一番よろしいと思います。


 
 
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