夏を涼しく

エアコンのない我が家では夏をどう涼しく過ごすか、いくつか工夫をしている。基本は直射日光をさえぎること、風通しを良くすることに尽きる。
南側の大きな掃き出し窓の上の庇(ヒサシ)は長く、直射日光が室内にささない設計になっている。しかし照り返しはきついものがあるので農業用の遮光ネットをタープのように張っている。西側は大変よく西日が当たるので、ゴーヤや朝顔でグリーンカーテンとしている。
 遮光ネットタープもグリーンカーテンもできるだけ大きく作り、直射日光が直接に建物本体にささないようにしているので、この下を通ると気温が周囲より数度低くてさわやかな感じがする。
建物に昼間蓄積された熱が夜間に放出されるので、夏の夜は暑苦しいのだ。だから夕方、庭に散水するときに、蓄熱された建物本体(屋根やガルバ鋼板の外壁)にもたっぷり水を撒いて放熱させる。夕方の打ち水は確かに効果がある。

       
 昔の人は暑い夏の晩をどう過ごしたかを見てみよう。国宝『夕顔棚納涼図』、(久隅守景くすみもりかげ筆。江戸初期)には、夕顔棚の下にゴザムシロを敷き、親子3人幸福そうな家族の夕涼みが描かれている。ヒョウタンの出来具合と左上の満月から旧暦の7月15日の晩の姿を描いたことがわかる。虫の音も聞こえてきそうだ。
 夕顔とは今日のヒョウタンで、棚にはヒョウタンが描かれている。夏の夕べ、ひと仕事終え、もう夕食も終わったのだろう。ござむしろを敷いて夕顔棚の下で寝転ぶ。そんな貧しく、質素な夕涼みである。時は徳川家光の時代、戦国時代はとうに過ぎ去り、ゆっくりと平和な時間が流れている。庶民にとって一番の幸福とはこのような親子3人の姿ではあるまいか。

蛇足:
この家族をアップで見てみると、男の妻にしては若すぎる女が描かれているので、学者があれこれ説を述べている。学者の説とは無関係に、自分勝手にこの3人の物語を想像してみるのも絵画鑑賞の楽しみである。

もう一つ。女が半裸なのに男が薄物の着物を着ているのはおかしい。筆のタッチもおかしいし、後世の加筆ではないかとも言われている。「夕涼みよくぞ男に生まれけり」という川柳がある。男は下帯姿が当時の常識であった。後世の加筆かどうか調べるのは学者の仕事で、絵画鑑賞には関係ない。男の青い着物がこの絵の場合、よいアクセントになっているとわたしは思うが‥。

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