★房総の地球磁場逆転層

逆転層1
           パワースポットというけれど――期待してはいけません

地球は大きな磁石で、だから方位磁針は必ず南北をむきます。
ただし、地図上の北極と磁力線の北極はずれていますから、地図を広げて現在位置を確認する場合、地図をやや右回りに傾けねばなりません。(約7°)

磁石が必ず北を指すというのは逆に言えば南を指すわけで、広大な中国平原を疾駆する古代中国の軍隊は方位磁石を持つ「指南車」を備えていました。
ここから正しく導くことを“指南する”という単語が生まれました。

文明が生まれた頃から磁石は南北を指すと信じられてきましたが、ここ数億年というレベルで考えると、地球の磁極は迷走し、時には逆転していた時期があったことが知られるようになりました。
その証拠が残っている場所が、千葉県養老渓谷近くにあります。
何有荘から車で1時間。
養老川の河原を5分ほど歩きますから山靴か長靴が必要です。

画像のように何の変哲もない崖で、赤黄緑のタグがなければ見過ごしてしまう場所です。
“ここに来ると方位磁石がグルグル回り、方向が分からなくなる“というような劇的なことは何も起こりません。
シロウトには、なにこれ?の世界で、5分もいれば飽きてしまう場所です。
       逆転層2


崖をよく見ると棒でつついたような跡を見ることができます。
おそらくこれは、鉄パイプを打ちこみ、引き抜いて中の地層を調べた跡でしょう。
パイプの中の土を丹念に調べ、磁鉄鉱などの微小沈殿物を見つけます。
ある種の岩石は磁性を持っているそうです。
その磁性を調べると、同一方向を向いています。
ところが上下の地層ではそれが異なっている―――つまり時代によって磁極が北の時代もあれば南の時代もあったことが証明されたという場所です。
世界中でイタリアとここの2か所しかない貴重な場所だそうです。

緑のタグは現在と同じ正極期、黄色が不安定期、赤タグが逆極期。
例えば針を磁石でこすると磁化することは知っていますよね。
南北を指したその針が静かに海に沈み地層の中に閉じ込められたとしたら、その時代の南北の方向が分かる訳です。
地中のかんらん石や磁鉄鉱など磁化した粒子を調べるのはそれと同じです。
それにしても地質学者さんの仕事って地味で大変ですねぇ。

学者さんがなぜこの場所に目を付けたのか知りませんが、房総半島はかつての海底が隆起して地上に現れた場所であり、その地層には砂鉄が多く含まれ、古代は製鉄産業が盛んだったことと無関係ではないでしょう。

この場所は小湊鉄道、月崎駅から歩いて来られますから、小湊鉄道は“パワースポット”として売り出して乗客を増やそうとしているようです。小湊鉄道HP の案内が親切で分かりやすい。
車ならば市原市田淵1165の田淵会館に駐車スペースがあります。




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