★お彼岸の墓参りと松の枝

墓前
       お隣さんの墓前には松の枝が

往復6時間かけてお墓参りに行ってきました。
墓前には季節の花を添えて 「幸せに暮らしているから大丈夫」 と報告しておきました。

由緒あるお寺なので江戸時代の古いお墓もあり、最近建てられた新しいお墓もあります。
いくつかのお墓には画像のように松の枝が飾られていました。
松は古くから神霊の宿る木とされ、祭礼に用いられ、待つの意味を持ち、永遠にあなたを忘れないという願いが込められています。

能の舞台の正面にはみごとな老松が描かれていますね。
能は多くの場合、神あるいは死者の霊が登場して過去を物語ります。
その舞台に描かれた老松は霊を暗示するものと考えて良いでしょう。

若松は元気さ、生命力の象徴として正月の飾りに。花札の1月の図柄も若松です。
♪めでためでたの若松様よ、と婚礼の席で歌われもしました。
一方、老松は不老不死・不老長寿の象徴として七五三の千歳飴の袋に描かれています。

      磐代(イワシロ)の 浜松が枝(エ)を 引き結び
             真幸(マサチ)あらば また還り見む  有馬皇子(巻2-0140)

歌の意味は――磐代の浜に生えている松の枝を結んだ。幸いにして許されたなら、帰り道でこの枝を見る事にしよう。――
松の枝を結ぶとは、長寿のおまじない、または永遠の誓いのパフォーマンスでした。
有馬皇子が中大兄皇子の謀略にかかり、謀反の罪で連行される時の歌。
この翌日、絞首刑。18歳でした。

松に関しては聖徳太子3歳時のエピソードも有名です。
――父が庭の松の枝と桃の花の枝を手に取り、どちらが好きかと尋ねた。太子は「松が好き」と答えたので、父は不思議に思い、なぜかと再度問うと、「桃の花は美しいけれどはかなく、松は万年枯れることがないからです」と答えた――

栄華を求めず、真理のみを幼い時から求めていたという太子のエピソードです。
いかにもウソ臭い話ですが、松の枝が持つ意味を端的に伝えています。

時は移り、現代社会ですからお彼岸のお墓の前は花盛り。
それでも伝統的な 「御松」 を飾る方がいるのですねぇ、感心しました。
ちなみに、歴代住職様の墓前は松+仏花でした。


  
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