★躍動する防空壕の壁画――館山 


館山といっても見物(ケンブツ)地区。休暇村の近くの防空壕に描かれた壁画

館山市立博物館の資料によれば――日本水墨画界の第一人者として知られる岩崎巴人(ハジン)画伯は、水墨画の中に禅的思想を表現することで著名である。防空壕跡の洞窟に描かれたこの壁画は、画伯が館山市見物に居を構えた昭和42年(1967)頃の作品。昭和32年に結成した日本表現派の会員と共同で制作したもの――

製作当時から50年近くたち、現場はまったく薮の中。
懐中電灯で照らした壕内の天井にはヤスデだかゲジゲジだかがびっしりと動めいており、ヘルメットを着用すべきだったと思いました。
ヘビを踏みつけると危険なので長靴がいいでしょうね。
光が届かず、観光客が来ない壕内は保存状態がまぁ良いといえるでしょう。

『表現派』とは外界の印象impressionに基礎をおく印象主義に対して,内面の表出expressionをめざす芸術をいい,非写実的なゆがみの表現を伴うのが特徴だそうです。
形式や伝統、気品や装飾にとらわれず、内面を表現します。たとえばムンクの『叫び』。
巴人の場合はムンクのような不安がテーマではなく、生きる喜びにあふれています。
それは、やなせたかしと同じく、地球上のすべてのものが一列に並んだ友達だと言いたげです。
月も星も、蟹も骸骨も“みんなみんな友だちなんだ”と歌って踊っているように思えます。
おそらく、それは過酷な戦争を体験した者として、反戦平和・鎮魂の壁画でありましょう。
せっかくですから、ギャラリーをご覧ください。



 

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