野草:地獄の釜の蓋(フタ)

   

田舎で暮らすようになってはじめて知った野草です。
なんとも奇妙なネーミングで、確かに墓地の通路に咲いていたりします。
”春一番に咲く野草で、春のお彼岸の頃に咲くのでこの名前が付いた”そうですが、4月にならないとなかなか見つかりません。

仏教はいろいろ矛盾していることを平気で述べています。例えば亡くなった父母は極楽浄土あたりにいるはずなのに、お彼岸の時は地獄の釜の蓋が開いて有象無象(ウゾウムゾウ)の亡者も、ご先祖様も帰ってくるなどと言います。ご先祖様はいったい、いつもはどこにいるのでしょうか。
だいたい地獄の釜の蓋が開くのはお盆の時で、お彼岸ではありません。
彼岸過ぎの4月になると地獄の釜の蓋をするように墓地周辺に花を咲かせて広がるのでこの名がついたのではないかと勝手に想像しています。
昔は土葬でしたから、墓地を覆うようにしっかりと広がる葉と花が心強かったのでしょう。

正しい名前は『キランソウ』で、キは紫の古語、ランは藍で青色。
漢字で書くと『金襴草』で、キンランドンスのように美しいということですが、これでは『キンランソウ』で『キランソウ』とは読めません。どうも名前が混乱しているようです。

地を這うように広がっていますが気をつけないと枯れ草に紛れて見過ごしてしまいます。アップにしてみるとなかなか美しい。
昔は咳止め、タン切り、解熱、健胃、下痢止めの薬草としても使われ、土佐地方では『医者倒し(イシャダオシ)』という別名もあるそうです。
漆(ウルシ)かぶれや虫さされにも効くそうですから、私たちの地獄行きをストップしてくれるありがたい薬草という意味かもしれませんね。
里山で活動する時には強い味方になってくれる草です。
それにしても、いろいろと想像力をかき立てられる名前です。

 

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