スカンポの花咲く頃

        
        スイバの大群落が近くにあり、そのスイバの花。

    <酸模の咲く頃>         北原白秋 作詞
                        山田耕作 作曲
  土手のすかんぼ ジャワ更紗 昼は螢が ねんねする
  僕ら小学一年生 今朝も通って またもどる
  すかんぽ すかんぽ 川のふち
  夏が来た来た ド レ ミ ファ ソ

市街地で育ったわたしはスカンポを見たこともありませんでしたが、この歌は記憶に残っています。もっとも出だしの部分だけで後半は思い出せませんが…。

<酸模の咲く頃>という題名です。何と読むのでしょうか。
酸模でスカンポと読むのは苦しいし、スカンポの本名・スイバとも読めません。

スイバを漢方の生薬として使うと「酸模」と表記し、サンモと読むそうです。
では<サンモの咲く頃>という題名なのでしょうか?そんな、あんまりな。
おそらく白秋は無理を承知で「酸模」を「スカンポ」と読ませたのでしょう。

スカンポの語源は不明で、俗に酸っぱくて茎がポンと手折れるからだと言われています。
「模」は「モ・ボ」と読みますが、「ポ」とも近い音です。
サンモ→サンポと読み、酸をすっぱいの「ス」と読むと俗名のスカンポに近くなります。白秋はこんな苦しい語呂合わせをしたのだろう、と想像しています。
<酸葉スイバの咲く頃>じゃ、情緒も風情もありませんからね。

もう一つの謎は、唐突にジャワ更紗が出てくること。
なんでスカンポがジャワ更紗と関係があるのか、子どもの頃は何も気にしませんでしたが、気にし出すと気になります。
この答は田舎で暮らすようになり、スカンポ(スイバ)の花を見て解けました。
ヒントは<酸模の咲く頃>という題名に示されていたのです。

スカンポの花はよく見るとまるでジャワ更紗の模様のように美しいじゃないか、素敵だなという意味でしょう。解けて見れば答など簡単なものでした。
ジャワ更紗の衣に包まれて昼は蛍が寝んねする--ロマンチックな情緒たっぷりの詩で白秋らしい表現です。

ところでスカンポという野草は他にもイタドリ(虎杖)やギシギシがあります。どれが本当のスカンポかと悩む必要はありませんし、それは違うなどと言い張る必要もありません。どれもスカンポと言います。

わたしは何年か前、ホームセンターで「ソレル」というハーブを買ってきて育ててきました。
“若いソレルの葉はサラダに調理する際はほうれん草と同じ感じで扱う。ソレルの葉を使ったハーブティーは肝臓、腎臓に有効”なんて言う能書きを信じて購入したものです。
ところがどうも変だと思ってきました。だってスイバそっくりなんですよ。

調べてみてまたビックリ。
まぁ要するに、スイバとはジャパニーズソレル、だったわけです。
198円も出して苗を購入することはなかった。
もっともスイバを日本のハーブ、ジャパニーズソレルと銘打っても売れないでしょう。
逆に、ソレルを日本のスイバの親戚なんて書いたら誰も買わない。
ちなみに何有荘のソレルは「フレンチソレル」などというたいそうな名前でした。

 

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