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★サフランの花、一本の雌しべが三裂する

サフラン

サフランライスとかパエリアとかに必須のサフランですが、スパイスとしてはかなり高額なので購入にはためらいます。
そんな時に見つけたのがサフランの球根で、チューリップの球根程度の価格で手に入ります。
庭の色取りが寂しくなる晩秋のころにかわいい花を咲かせます。ちょっと気の毒ですが三本の赤い雌しべを引き抜いて乾燥させ、サフランとして保存します。

3本も雌しべがあるのは変ですよね。実は一本の雌しべが先端から三分裂し、三本に見えるのです。
その三本のそれぞれに受粉する柱頭があるのだそうですから、虫媒花として受粉する機会が少ない晩秋に生き延びるために受粉の機会を増やすようにと進化したものでしょう。

新春になるころ、クロッカスの花が咲きます。サフランとよく似ていると思っていたら同じ仲間でした。
サフランと違って赤い雌しべではありませんから、クロッカスは雌しべを抜き取られることはありません。サフランとクロッカス、はたしてどちらが幸福なのか。神のみぞ知り給うところです。

雌しべがなくなってどう子孫を残すのかといえば、球根です。
花が終わると葉が生い茂り球根を太らせます。そしてまた来年花を咲かせます。
そもそも球根で増える植物は受粉受精をあまり期待していないように思えます。
そうすると、何のために柱頭が3本になって受粉の機会を増やしたのか?
まさか人間にお奉仕するために赤い雌しべを増やしたのじゃないですよね。


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★ホトトギスの花--不思議な二階建て

ホトトギス


今年は花の咲く時期がどれも数週間遅れています。
庭のホトトギスは房総半島に3回訪れた台風・強風によって葉が落とされ、10月になって残ったツボミからようやく花が咲き始めました。
山野に自生している山野草ですが、風情のある草姿から昔から庭に植えて楽しむ愛好家も多いようです。

画像のように花に紫色のドットが多数あります。その色合いが野鳥のホトトギスの胸毛に似ているのでホトトギスの名前が付きました。
何有荘近辺には初夏になると野鳥のホトトギスが訪れますが、残念ながら声はすれども姿が見えないホトトギスで、その胸毛を実見したことはありません。
図鑑で見れば確かに似てなくもありません。でも、ちょっと無理があるかなとは思います。

花の構造は二階建てで何か不思議な感じがします。どこが雄しべでどこが雌しべなのでしょうか。
調べてみると1階の6枚の花弁は実は3枚が本当の花弁で、残りの3枚は本当は萼(ガク)なのだそうです。花弁と萼がほとんど区別がつかない植物はユリやモクレンなど、さほど珍しくはありません。
雄しべと雌しべは寄り添って1階から立ち上がる柱を構成し、雌しべは3裂して広がり、1階の花弁と同じ模様をしています。それで2階建てのように見えるのですね。

雌しべが3裂するのはサフランもそうです。サフランはいかにも雌しべの雰囲気があります。それに比してホトトギスの雌しべはまるで花弁のような姿で不思議な花です。しかもその先端(柱頭)はさらに2裂するのですからもう訳がわかりません。
雄しべはというと、雌しべの下に広がっているのですがほとんど目立ちません。

花の構造など知ってもしょうがないのですが、知っていれば少しは精密に観察でき、少しは自然の微妙な働きに感嘆する余裕が生まれます。
やや日陰で育つホトトギスにとって、花弁のような目立つ模様を二階建てにして繰り広げて虫を呼び込み、受粉する機会を増やそうという戦略なのでしょう。

植物だって地球上に生命が誕生して以来ずっと進化を遂げて今日に至っているわけです。途中で滅び去った植物は数え切れなくある事でしょう。
そう考えると今ある植物は、いや昆虫も人間も大変な苦労を切り抜けて今日に至っているわけです。
みんな大変だなぁ、頑張ってんだなぁとつくづく思います。