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★朝霧

朝霧
  窓から見える朝の景色。一面の霧でいつもの景色も何か幻想的に見えます。

千葉県は霧が多い地域だとは知りませんでした。今年はたびたびあります。
海に近いせいかもしれません。
地上の気温が放射冷却で急激に冷えるからでしょうか、空中の水分が結露状態、霧になって海岸の方から流れ込んできます。

霧に包まれる時刻は朝方が多いけれど、時には夜中から。
こういうのは夜霧というのでしょう。
あるいは、夕方にすごく濃い霧に包まれることもあります。夕霧ですね。

画像のように墨絵の景色になると思わず見とれてしまいますが、濃い霧の時は50m先も見えず、こんな日の車の運転は嫌だなと思います。情緒も何もありません。

都会暮らしの時は霧に情緒をあまり感じたことはありません。
「今朝は霧が深いな」 程度の感想でした。
昔の歌謡曲に 「夜霧よ、今夜もありがとう」 なんて歌がありましたが生活実感とは離れていました。

夜霧が深く、朝には消えてしまっているとき、庭はびっしょり濡れています。
明け方、庭が濡れているのは朝露の場合もありますが、夜霧の場合もぐっしょり濡れます。

そんな時、万葉集の歌が実感を伴って想像できたりします。

    あしひきの山のしずくに妹待つとわが立ち濡れぬ山のしずくに 
                           大津皇子 (巻-0107)
   我を待つと君が濡れけむあしひきの山のしずくにならましものを
                           石川郎女 (巻2-0108)

昔の人のデートは大変でしたねぇ。特に人目を避ける場合は。
もっとも、こんな掛け合いが公表され、記録されているのはどういうわけなんでしょう。

よく読めば、こんなに苦労したんだと訴える皇子に対し、
石川郎の方が1枚上手のようです。
あ、そう。それなら雫になりたかったわ、と軽く返されたような雰囲気です。




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★庭のホタルブクロ

ホタルブクロ

毎年、5月の最終週から6月にかけて、近辺ではホタルの季節となります。
それは見事なもので、暗闇にホタルが乱舞する光景は一度は見るに値すると思います。
しかし、ちょっと有名になりすぎたのか、近所迷惑な観光客が増えたのか、最近は宣伝を控えているように思えます。

一方、地元の、まったくどうということのない水田地帯でも、ヘイケボタルが見えたという報告を聞くことがあります。
減農薬に努めている農家さんが増えているからでしょう。

ホタルの季節になると咲くのがホタルブクロ。
ホタル狩りで捕らえたホタルをこの花に閉じ込めて運ぶと、ほんのり輝き幻想的だと言います。
今どきはホタルを捕まえること自体が禁止されているので、どうにもなりませんが。

ホタルの季節といえば、終戦間際の断末魔に耐えていたころの日本が思い出されるのでしょうか。
先日、降旗監督が亡くなられました。同監督の映画に“ホタル”(2001年、高倉健 田中裕子)があります。
九州の片隅の漁村で暮らしている年老いた漁師の夫婦に、特攻隊員の遺品を遺族に届けてくれという依頼が来ます。その特攻隊員は朝鮮半島の出身者でした。
出撃する彼は「今度はホタルになって帰ってくる」と言い残しておりました。

アニメ『火垂るの墓』の高畑勲監督ももう個人になられました。
ホタルを「火垂る」と表記するのは昔からあるのですが、この場合は、B29が落とす焼夷弾をも意味しているようです。
空襲で焼け出され、親戚からも冷たくされ、二人でしっかり生きていこうと誓った兄妹はどうなったか。

どちらの映画も反戦を正面に出しませんが、じっくり重い、涙の映画です。
降旗氏も高畑氏も伝えたかったのは戦争の裏側の真実でしょう。
戦争の記憶などない、アホな国会議員さえ出てくる中、わたしたちがすべきことは、死んだ人の思いをしっかりと未来につなげていくことだと思います。