★人気の“きゅうりのQちゃん”

Qちゃん

今年はトマトやきゅうりが大豊作です。
各地では記録的短時間大雨情報が出され、甚大な被害が出ているのにいすみ市は対岸の火事。
先週、一度雨が降ったきりで、むしろ干ばつ気味です。

きゅうりはちょっと油断するとまるでヘチマのように巨大化して困ります。
そんなきゅうりでもQちゃんにすればおいしくいただけます。

きゅうりの大量消費をめざしてせっせと作り、何人かにおすそ分けして喜ばれています。
毎年いろいろ試しましたが、最近はこのレシピに落ち着いています。

【材料】
   きゅうり1kg 醤油2カップ 酢1/2カップ 砂糖200g 鷹の爪3~4本 生姜適当量。

【作り方】
  1.きゅうりは適当にスライス。
  2.煮汁はきゅうり以外のすべてを投入して一度沸騰させる。
  3.火を落し、きゅうりを全量入れたら30~60秒。すぐ引き上げ、ザルにて冷ます。
    出来上がりシャキシャキ感を保つには“すぐ引き上げる”が肝要。
  4.きゅうりが冷めたら、再び煮汁を沸騰。きゅうりを投入して、またすぐ引き上げる。
  5.これを都合、3~4回繰り返す。
  6.ゴマを振るのはお好みで。

鷹の爪は開いて種は捨てる。その手指で顔を触ると悲劇が起きる。よく手指は洗うこと。
“すぐ引き上げる”が思い切れず、ちょっと煮てしまうとクタクタのQちゃんになってしまい、おいしい食感になりません。
味がきゅうりにしみ込むのは冷える時。
すぐ引き上げても、まとわりついた煮汁が冷めるにしたがってきゅうりにしみ込みます。
これを繰り返すことで、シャキシャキ感があり、しっかり味のついたQちゃんになります。
つまり、手間暇はそれなりにかかります。
 
煮汁は捨てない。何回かQちゃんを作る時に使いまわせます。
煮汁濃度が薄まったなと思ったら、煮汁材量を継ぎ足せばよろしい。
保管は勿論、冷蔵庫で。



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★太東埼のスカシユリ

スカシユリ

今年のスカシユリは満開で、なかなか見ごたえがありました。
色濃い橙色のユリで、背はあまり高くなく、がっしりとした印象です。
海浜植物ですから、強い風に対応するように背が抑えられているのだと思います。

花びらは一見すると6枚ですが、構造的には3枚の萼(ガク)と3枚の花弁でほぼ同じ模様です。萼だ花弁だと、こだわらなくともいいと思うのですが…。

名前の由来は花の付け根、萼と花弁が接する部分にすき間があること。
普通は重なる部分が、まるで虫歯、味噌っ歯のようにすき間が開いているからでしょう。

画像撮影場所は、いすみ市太東埼に隣接した海岸の海浜植物群落地。
そこは大正8年(1919)に制定された史蹟名勝天然紀念物保存法 に基づいて、翌年、日本最初の国指定天然記念物に指定された由緒ある場所です。

ところが当時と比べると海岸線は著しく後退し、植物群落はかろうじて存在しているにすぎません。
波浪による浸食を防ぐためテトラポットが置かれ、河川の土砂はダムでせき止められ、その他海流の変化などさまざまな影響で海浜を構成する砂が供給されなくなったことで、砂浜が消失し、植物群落も消失し続けました。
文化文明の進歩が大自然を破壊している例といえるのかもしれません。

花の時期は短く、花がないとただの野原で、期待外れです。
スカシユリの季節はさすがだな、という見事な景色で、一見に値します。
もうそろそろ終わりに近づきました。
機会があれば、今の季節に一度は訪れた方が良い場所だと思います。

なお、スカシユリはいすみ市の花に指定。
スカシユリという名で売られている園芸種は、似ても似つかない百合ですから注意が必要。
太東崎漁港-海浜群落-大原八幡崎にて野生のスカシユリに出会えます。

     スカシユリ2

*****

頚肩腕症候群になるかと思うくらい各種文章の締め切りに追われ、あちこち出かけ、忙しい毎日が続きました。
ようやく宿題の大半をやり終え、たくさん寝て、好きなことをして脳みそをリセットしました。

嫌な仕事はやらない、好きなことだけすると決めたのに、頼まれるとなかなか断れない。
世の中には断り上手な人がいて、うまく口実を設けてすり抜ける。
人は人。自分は自分。
そういう人生だと前世から決まっていたに違いないと思います。


 
 

★土用の梅干し

梅干し
    合計2.5kgの梅を漬け、干しています

購入した南高梅1kgと知人が採集してきた梅1.5kgを、それぞれ砂糖10%+塩10%の甘酢漬けにしたのが6月中旬。
ちょうど1か月たち、昨日19日から土用入り。
朝から晴天、気温33℃、風も少々あって、梅の干し日和です。

3~4日ほど干せば出来上がり。小型容器に入れ替えて冷蔵庫保管です。
塩20%以上の昔ながらの作り方ならば、10年も20年も常温保存できますが
なにせ塩分控えめなので、冷蔵庫保管が良いでしょう。

残った梅酢は、新ショウガをスライスして漬けた「ガリ」が定番ですが
キュウリ、ミョウガ、カブの甘酢漬けにも利用できます。

何だったらタコをスライスか、あるいはぶつ切りにして酢だこというのはどうでしょうか。 
砂糖をもっと足して溶かし、水で割れば塩分も含まれているので甘酸っぱい経口補水液として利用できます。――熱中症対策になります。

昨年まではザルの上で干していたのですが、ザルにくっついてしまう梅がありました。
それで今年はプラスチックの「バスケット」を購入してみました。
なかなか使い勝手がよく、気に入りました。
2枚で1000円でした。

もちろん別の機会には魚を干したり、キノコを干したり使えますから便利です。


 
 

★万能調味料マッサを作ってみた

マッサ
    なにやら真っ赤なジャムのようなただずまい

TVでポルトガルの万能調味料だというマッサ(MASSA)が話題になっていました。
さっそくネット検索して、料理研究家やまでらくみこさんのレシピで真似してみました。

必要な材料はパプリカ(赤2個)と塩(40g)だけです。
種をとって適当に切り分け、塩漬けにして冷蔵庫で1週間。
水で洗って塩水気をとり、天日干し1日。
フードプロセッサーでガガ―っとやれば出来上がり。

何に使うかといえば、万能調味料ですから何にでも合わせればよいのでしょう。
冷奴、パスタや炒め物、サバの切り身のフライパン焼きの調味料…などが例示されていました。

それで一番簡単な冷奴にのせてみました。
ちょうど練り梅を載せたような感じですが、パプリカだから色が鮮やかです。
で、肝心の味ですが、ちょっと塩辛かった。
塩が多すぎたのかな? 
パプリカの味が隠れてしまっています。
       冷奴


せっかく作ったのですから、パスタやチャーハン、チキンライスなどに使いましょう。
また作るかどうかは、いろいろ使ってみてからの話ですね。

****

いやぁ、今日も暑かったですね。
気象庁発表の気温とは、広い芝生の上の、風通しの良い日影での気温ですから、生活実感温度とは2~3℃のずれがあります。

直射日光に照らされている建物の屋根や壁は朝から熱を蓄え続けます。
特にコンクリは蓄熱体ですから、マンション住まいの方は気の毒です。

吉田兼好が徒然草の中で――家の作りやうは夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑き比(ころ)わろき住居は堪へ難き事なり。――と言ったのがわかります。
熱中症で週に何百人も救急車で運ばれ、死者も出るなんて困ったものです。
冬は寒くともこんなに救急車は出動しません。

さて、7月19日(水)からが「土用」で、いくらなんでも気象庁は梅雨明けを発表するでしょう。
そして23日(日)からが本格的な「大暑」ですから、想像するだけで頭がくらくら、足元がふらふら。

朝夕に少し仕事をし、暑い昼間は昼寝などして、人様の迷惑にならぬよう・心配かけぬよう、頑張らないで夏を切り抜けることにしましょう。


 
 

★ヤブカンゾウのお浸し

ヤブカンゾウ2
         ツボミを調理する

いすみ市で花咲かせているヤブカンゾウとはこんな花→●
若い芽はピカイチのおいしい野草ですが、今の時期のつぼみはさらに優雅な味わいです。

一日花なので、すでに明日、明後日などのつぼみが育っています。
そのツボミをいくつか採集し、軽く汚れを落とす程度に水洗い。

お浸しですから、ホウレン草や小松菜の場合と作業工程はほぼ同一です。
少々の塩を入れて沸騰させた湯に数十秒間つけてから冷水にとり、ざるにあげる。
水気をキチンペーパーで吸い取る。
器に盛り、漬け汁をかけまわせばできあがり。

漬け汁は「そばつゆの素」を水で割れば一番簡単だけれど
本格的に作るならば、醤油、味醂、砂糖、出し汁、酢--の「甘酢たれ」が良い。
まぁ、いつものように適当に作れば、それで良いでしょう。

多少のぬめり分と新鮮な歯ごたえが共存する野草料理の逸品です。

湯がいた後、乾燥保存させれば、中華街で売っている「金針菜」だそうです。
わたしは購入したことがありません。
水で戻して、天ぷら、炒め物や汁物など何にでも使うようです。

そんな面倒なことをするより、旬の時期に旬の食べ方――「お浸し」が一番簡単で、だからこそ一番おいしいのではないかと思います。

北九州をはじめ、全国で異常気象、異常降雨が続いて被害が出ています。
温暖化の影響なのでしょうか。
ボランテイアや行政の支援が入り、少しは回復が進んでいるようです。

異常気象はますます進み、東京下町が水没する「線状降雨帯」の襲来も杞憂ではなくなりました。
そんなことは考えもしなかった――とはいかないようです。

草深い田舎でも、ハイテク大都会でも大きな被害がありうる時代に生きています。
支援の手にすがりつつ、それでも、もしもヤブカンゾウのツボミが現地で手に入ったならば、
少しは生きていく力になれるのではないか、と思います。

自然には人々の心を癒(イヤ)す力があり、その力の利用法を多くの人が心得ていれば良いなと思います。
ヤブカンゾウのお浸しだって、そんな一品になることでしょう。


 

★取れすぎたトマトはドライで保存

ドライトマト
    トマトを2本植えたらもう食べきれない。

夏が近づくとホームセンターや直販所に夏野菜の苗がずらりと並びます。
苗は80~100円程度。二人暮らしには苗で買う方が便利で確実。
おかげ様で、小玉のトマトがもうびっしりと付いて毎日とても食べきれません。

それでドライにしてみました。
毎日、快晴で気温は30℃越え。風も結構あります。湿度は55%ぐらい。
こんな日はドライにするのに一番適しています。

画像は初日の画像。今日で三日目で、もうだいぶドライになりました。
完全にドライにしないとカビる恐れがありますから、もう数日間、干すことになるでしょう。

市販のイタリア産ドライトマトを見ると原材料に塩が含まれています。
ドライにする際、塩を振ると水分が出やすくなるし、カビ防止にもなるからだと思います。

塩分のあるドライトマトは嫌なので塩は振っていません。
かといってカビるのも嫌なので、夕方室内に取り込むとき、軽く焼酎を吹きかけています。
軽くですから、翌日に外へ出せば飛んでしまいます。

想定外だったのがカナブンです。
昨日の夕方、ネットを室内に取り込むときにカナブンが3匹取りついているのを発見しました。
連中は夜行性だから昼間は大丈夫と思ったのが甘かったのです。

ジューシーなゼリー状の部分が大好きで皮だけ残していました。
カナブンを追い払い、カナブンが吸いついていた半ドライのトマトは生ゴミ堆肥へ行きました。
もったいない。くやしい。
今日は朝からネットをかぶせていたからセーフですが
カナブンは何とかエサにありつこうとしてネットにへばりついていました。

天日干しではなく、オーブンでドライにすれば数時間で仕上がりますが、それじゃぁ、それだけの電力がかかります。
無駄とは言わないまでも、節約できる電力はできるだけ使わない。

何日もかけて太陽様の力で水分を抜いてドライにするのは、水分が単に抜ける以上の効果があるのではないでしょうか。
キノコ類が干せば劇的に甘さや栄養価が上がるのと同じような効果があると勝手に信じています。


 
 

★暑さ対策――遮光ネット

遮光ネット
    南側にずっと遮光ネットを張り巡らした

梅雨明け宣言はまだだというのに連日の暑さです。
例年ならば梅雨明けに設置するのですが、耐え切れずに設置しました。
遮光率75%の農業用ネットですが、これがしゃれたタープよりも安くて軽く扱いやすいのです。

直射日光下では人間干物ができてしまうくらいの暑さですが、
この下にいると風が通り、涼しいと感じます。
ちなみに気温30℃でも、直射日光下のアスファルト舗装道路表面は50℃だとか。

夏の海岸の砂浜も裸足で歩くのは困難ですね。
何有荘ではなるべく地面がむき出しにならぬようにしていますが、それでも強い直射日光(熱)が庭に反射して室内に入り込みます。

夏の直射日光は屋根の庇でさえぎりますが、庭からの反射までは計算しませんでした。
それで遮光ネットを考え付きました。
いい調子です。

東西北の開口部にはスダレやタープ、グリーンカーテンなどで直射日光をさえぎっています。
ともかく直射日光をブロックすること。
風の通り道を確保すること、
そして緑を多くして植物の蒸散作用による気温降下を期待し、朝晩は水遣りすること…。

それでもやはり、夏は暑いです。



 

★いすみ市はヤブカンゾウの季節

ヤブカンゾウ2
   ユリの仲間。近縁種には、ノカンゾウ、ニッコウキスゲなど。

薮萓草と書き、豆科の甘草とは音が似ていますが、全く無関係。
7月になるとあちこちで咲きだします。多くの場合、他の雑草に紛れていますので、草刈り機で刈られてしまうのが残念です。
春の若い芽も今の季節の花のつぼみも、びっくりするほど優秀な野草料理の一品になるのに…。

万葉集の時代から「忘れ草」の名前で知られていました。
若いころ、勿忘草(ワスレナグサ)をあなたに、なんて歌が流行りましたが、こちらは忘れ草。

一日花で、日ごとに新しい花が咲き、次々に花が散るので、過去にとらわれない花とみなされ
嫌なことや未練を断ち切るにはこの花を見習えばよいと万葉の人々は思いました。

   忘れ草 垣も繁みに植えたれど 醜(しこ)の醜草(しこくさ) なお恋にけり
                       『万葉集』巻十二3062 詠み人知らず

――忘れさせてくれる草と聞いて垣にたくさん植えたのに、ちっとも効き目がなくて、あの人のことが忘れられない。なんて役に立たない草だ、なんてバカな名前の草なんだ――

次は政争に敗れて大宰府に左遷された大伴旅人の歌。巻三 334

    わすれ草 わが紐に付く 香具山の故(ふ)りにし里を忘れむがため

――忘れ草を私は腰の紐に付けている。香具山のふもとの懐かしい故郷を忘れるために――
大伴氏は天皇がまだ大王(オオキミ)と呼ばれていたころの大豪族でしたが、奈良時代になると次第に藤原氏などに圧迫されて地位が低下し、ついに左遷されます。その頃の歌二首。

   344番  あな醜 賢しらをすと酒飲まぬ人をよく見ば猿にかも似む
   348番  この世にし楽しくあらば来む世には虫に鳥にも我れはなりなむ


偉そうに酒も飲まずに説教垂れる人を良く見ると猿に似た顔で醜い姿じゃないか、と歌ってみたり、
楽しければ来世に生まれ変わるのに虫でも鳥でも構わないとうそぶく旅人ですが、つい寂しさに腰にヤブカンゾウを挿して、できれば昔の栄華は忘れたいと願うのでした。

やがて平城京に帰還できますが、息子の家持はさらに大弾圧を受けます。それはまた別の話。
万葉集の編纂者として知られています。その家持がまだ若いころの歌。巻四・727

  忘れ草 我が下紐に付けたれど 醜(しこ)の醜草 言(こと)にしありけり

大伴家持の歌は上記3062番を踏まえていて、同じ語句が採用されています。恋の相手は後に妻となる坂上大嬢(サカノウエノ オオイラツメ)。
名前の割には全く役立たずのバカ草じゃないかとののしっています。

万葉時代の人々にはそれほど愛され、頼りにされ、そしてののしられた花なのに
現代人は見向きもしない人が多いのは、昔の人より悩みが少なくなったからでしょうか。
いや、そうではなく、花に慰められる暇さえ見つからないからだと思います。


 

★今年も会えたネジバナ

ネジバナ
    高さ20cm程度。ラン(蘭)の仲間で、いわば芝生の雑草。

開店祝い、当選祝いなどお祝いの花といえば胡蝶蘭。
いすみ市の里山の宝といえば金蘭、銀蘭。
そして芝生に咲く蘭の花が画像のネジバナです。

雑草に交じって咲く花で、わたしが最初に見たのは勤務場所があった東京大井町の空き地。
つまり都会地でもそう珍しくありません。
最近は特に建物の周囲を公園のように植栽するビルが増え、その植栽の間からネジバナが顔を見せることがよくあります。

わたしがいすみ市のネジバナポイントとして見に行く場所も、まったくの自然状態の場所ではなく、芝生が植えられた場所です。
おそらく芝生を植える際の用土にネジバナの種が混じっていたのでしょう。

しかし芝生ゆえに管理者の都合で刈られますから、毎年見られるわけではありません。
残念なことに今年は2カ所で1本も見ることはできませんでした。

ネジバナは不思議な植物で、小さな花がねじれながら花茎に順次着いて花咲かせます。
しかも、右回りか、左回りか五分五分で、特に決まった法則はないそうです。

その小さな5mm程度の花をルーペでよく見ると確かに蘭(ラン)の仲間だと納得します。
野生の植物は、特に蘭の仲間は家で育てるのは難しいと言われています。
このネジバナも、ラン菌という特殊な菌の力を借りなければ育ちません。
いわば共生関係。
ラン菌のない所では育たず、芝や雑草と一緒に刈られてオダブツ。日照りでオダブツ。洪水に流されてオダブツ…。  

ある植物が、ネジバナが今そこにあるということは、奇跡のような偶然が積み重なってこそ、今そこにある ということなのでしょう。
おそらく人間も、わたしが今生きているということも、数多くの偶然と善意に支えられてのことなのだと思います。

ブツブツ文句ばっかり言っていないで、「感謝」 を座右の銘にしなくちゃなと思っています。


 
 

★7月2日は半夏生(はんげしょう)

ハンゲショウ
      水辺にはハンゲショウの「花」が…。

夏至から数えて11日目、7月2日からの5日間が「半夏生」です。
7月7日からは「小暑」となり、いよいよ暑さが本格化します。

その頃、水辺には白い花が咲きます。
花といっても本当は葉で、葉の一部がまるで白粉を塗ったように真白くなって虫を誘います。
本当の花は白い葉の上に穂のようになって突き出ています。
お化粧したような姿なので、「半化粧」で、ハンゲショウといいます。

どう見ても厚化粧なので、連想として、苦界に身を沈めた薄幸の女性の生まれ代わりのような感じが漂います。
おそらく、ケショウという単語がそのイメージを導くのでしょう。

仏教では母親の胎内から出生するものを胎生(たいしょう)といい、卵ならば卵生(らんしょう)。
ウジやボウフラ、カビのように湿気の中から産まれてくるのが湿生(しっしょう)。
そして、前世の業(ゴウ)により忽然と現れるものを化生(けしょう)といいます。

天女や地獄の鬼などが化生。
だけと妖怪・変化・化け物・幽霊などをいうことが多い。
つまりハンゲショウだと、半分化生の者、というイメージが出てきます。

ハンゲを人格的にとらえて、地域によってはこの時期に降る雨をハンゲ様と言って、毒の雨が降ると信じられてきました。
井戸に雨水が入らぬようにフタをしろ、とか、妊産婦に生水は飲ませるな、なども聞いています。

おそらく不衛生であった昔の人の教えとして食中毒などに気を付けよということなのでしょう。
働いてはいけないという地域もあり、これも季節の変わり目に際して過労死を諌めるものでしょう。
これから本格的な暑さが来る前の心構えを事前確認する習慣だったと思います。

ハンゲの危険な五日間を乗り切るために、地方によっては独特の食習慣がありました。
タコ(関西)、サバ(福井)、ウドン(香川県他)が有名です。

いすみ市では特別な食習慣は聞いたことがありませんが
今年はスーパーのチラシに、ハンゲショウにはタコを食べる という宣伝が載りました。
関西発祥の恵方巻のように、関東でも流行らせて一儲けしようという魂胆でしょう。