★大多喜の地酒屋さんのレンガ煙突 


  新丁(シンマチ)にある豊之鶴酒造工場 

人口減少が続いている大多喜町は、“房総の小江戸”を標榜し、街並みを“小江戸”風に復活することにも力を入れており、風情のある街区を形成しています。

城下町らしい鍵型に折れ曲がった国道に面する豊之鶴酒造の母屋は国の有形文化財に指定され、典型的な商家の店先を残して写真写りは良いのですが、残念ながら無人の“記念建物”であり、精気が感じられません。
商品の展示販売などをそこで行い、活用することは禁じられているのでしょうか。
江戸・明治の雰囲気を改変しないで、動態保存はできないものかと思います。人がそこで働いていてこその建物の価値があると思います。

その建物の横を入ると画像の清酒工場があります。
もちろん酒造メーカーの現役の工場ですから観光客が来る場所ではありませんが、観光資源として立派な価値があります。
まず目に付く赤レンガの煙突は高さ16m。底部は1.6m四方。頂部は三段飾りになって強度を増しています。
1948年建造で、隣接する三角屋根の工場と共に当時の最新型酒造工場の様相を今日に伝えています。

わたしはこのレンガ煙突と、かつて大多喜にあった溶鉱炉であるレンガの反射炉との関係が知りたかったのですが、どうやら無関係のようです。
反射炉が解体されたのがたぶん明治のはじめ頃。豊之鶴酒造の煙突は戦後の話ですから時間の差がありすぎます。
それでも、1948年以前に、つまり明治時代にレンガの煙突がなかったのかどうか確かめたかったのですが、資料がないようで残念なことです。

房総半島は地酒半島と呼んでも良いくらい各地に特色のある地酒があります。
何有荘の近辺で言えば、この大多喜の豊之鶴酒造。一宮の稲花酒造。大原の木戸泉酒造。勝浦には腰古井を出す吉野酒造など、そうそうたるメーカーがそろっています。
そしてこのいずれの酒造所も空にそびえる立派なレンガの煙突を備えています。

日本瓦の鈍い銀色の屋根、白い漆喰の壁、黒い焼板の腰壁かウロコ壁の酒造工場は赤いレンガの高い煙突を備え、和洋折衷の独特の雰囲気を持つ房総の歴史遺産、景観遺産だと勝手に思っています。
それぞれのお酒の味を楽しみながら、いずれレポートしてみましょう。

 

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★土手に咲くタンポポの花 


  正立寺地区に立ち寄った時、日当たりのよい土手にタンポポが花盛りでした

この花は関東タンポポで、西洋タンポポは探してみても一輪もありませんでした。
千葉県にはこの地区に限らず、西洋タンポポが侵入していない地区があるのでうれしくなります。
西洋タンポポは裏返すとガクがぐるりと反り返っているのに対し、日本のタンポポはガクがみなくっついてカップのような姿で花を受けています。
  西洋タンポポ

タンポポの名前の由来については諸説ありますが、昔の鼓(ツヅミ)との関係が有力です。
頭花を左右二つ並行にして中央をつまむと鼓に見え、「タン・ポンポン」とその音を真似たというもの。
また、茎の両端を細く裂き水に浸けると鼓の形になるため、とも言われています。
兵庫県の川西市にある“鼓が滝”はその水の落ちる音が典雅なことで知られていました。

―――八百年余り前、西行法師が和歌の道を志して間もなくのころ、山をいくつも越え、猪名川のほとりにある鼓が滝に着きました。見事な滝をながめて浮かんだ一首が

     はるばると 鼓が滝にきてみれば 岸辺に咲くや たんぽぽの花

出来栄えに満足すると、疲れのためか、ついうとうとと眠ってしまいました。
冷たい夜風に目を覚ますと、近くに民家の灯があり、訪ねてみると白髪の老夫帰と孫娘らしい幼子が快く迎えてくれました。

温かい食事をごちそうになりながら、西行法師が自慢げに鼓が滝の歌を披露すると
老人は 「大変良い歌だが、ちょっと直しても良いかな」 と言う。
西行はむっとしましたが一宿一飯の恩義があるので、よろしくお願いしますと下手に出ました。
老人は「はるばると」を「音に聞く」とした方がよろしかろうと思いますと言う。
西行は、確かに老人が言うように「音に聞く鼓が滝」の方が、繋がりが良いなと感心しました。

すると婆さんが横から「わたしも一つ直して良いかのう」と言い出したので、西行は何だこの婆さんは失礼なと思ったけれどじっと我慢しました。
「じいさんが直した次のところなんじゃがのう。『鼓が滝に来てみれば』を『鼓が滝を打ち見れば』とした方が、滝の音がポンポンーンと鼓を打つように聞こえてくる感じがしてくるんじゃがのう」
西行は大変驚いた。
「打ち見る」とは古語で、ちょっと見るの意ですからうまく掛詞になります。
西行は「お二人の申すこと誠にもっともで、見事じゃ」と誉めました。

それを聞いていた七、八歳の孫娘が、「じゃー、ついでに私も一つ直してあげましょう」と言ったので、
あきれてしまい、こんな子どもに何が判るか思いつつ、仕方なく聞いてやることにしました。
すると、「『岸辺に咲きし』を『川辺に咲きし』とした方が、上から下までみんなそろってよろしいかと思います」 
西行は愕然として言葉も出ません。娘は鼓の「皮」と「川」とを掛けた方が面白いと指摘したのです。
三人の添削をまとめると

     音に聞く、鼓が滝を打ち見れば川辺に咲きし、たんぽぽの花

西行は自分の歌が添削の結果、格段に優れた歌になったのを認めざるをえません。
三人の顔を呆然と眺め、ついにガクッと頭を垂れました。
その瞬間、西行はハッと驚き夢を見ていたことに気づきました。老人の家は跡かたもなく、そこは鼓が滝の前であり、脇には住吉神社の祠(ホコラ)がありました。
住吉神社は和歌の神様です。神様が夢に現れ西行の慢心を諌めたのだと悟り、以後は身を慎み、歌道にいっそう励んだそうな―――

どうもこの話は伝説・民話というよりも、鼓とタンポポとを無理やりこじつけた江戸時代ごろの講談か落語の創作話のような気がします。
添削後の歌も新古今調の秀歌だとは思えませんが、タンポポの名前の由来が鼓と関係があると昔の人が信じていた話として読むと、それはそれで味わい深いものがあります。

 
 

★春の山菜 赤い葉のスイバのジャム 


     赤葉のスイバ           スイバジャム

近くの雑草だらけの空き地に赤いスイバがあちこちで葉を広げていました。
これだけ真っ赤な株がたくさんある場所はめずらしい。たいていは緑の葉です。
シメシメとほくそえんで採集してきました。

根が深くて駆除が難しく、農耕地では有名な嫌われ者の雑草です。
葉をかじるとひどく酸っぱいのでスイバ(酸い葉)といい、シュウ酸を多く含むので日本では食料とは考えられてきませんでした。
ホウレンソウと同じタデ科の植物で、ソレルという名前でハーブとして販売されています。
何有荘にはフレンチソレルが1株あり、これはやや酸味が薄い。
海外で野菜として公認されているのは酸味が薄い個体として品種改良されたのでしょう。
画像のスイバはいわば原種でまさにスイバ。ジャムにすると格別のうまさに変身します。

◆スイバジャムの作り方
 1.柔らかそうな赤い葉を大量に摘み、よく洗い、1~2cm幅でスライス。
 2.水滴がついたまま鍋に入れ、同重量の砂糖を加えて1時間放置。
 3.ほんの少々水を加えて火にかけると数分でとろけ始める。
 4.よくかき混ぜて繊維をほぐし、煮詰まったら甘酸っぱいジャムの出来上がり。

早春には赤い葉をつける個体と緑の葉をつける個体とがあります。
寒さにさらされた葉が赤くなるのでしょう。赤い葉の下にある隠れた葉は緑色だったりしますから。
葉の水分が凍って細胞膜を破壊しないように糖分が増加しているので、早春のスイバは狙い目です。

なお、スイバがある野原や路傍には必ずギシギシも生えており、この二つは区別が難しい。
大きさも色も形もそっくりですが、葉の肌触りが違い、ギシギシの方が荒れている。
そんな感覚的なことではなく、見た目で区別するには葉の基部を見ます。
細長い葉の基部が丸くまとまった軍配型ならばギシギシ。
スカートが広がっているように見えるならばスイバです。古墳時代の剣のような形をしています。
まちがって食べても問題はありません。

ギシギシは中央の若葉が芽生えて鉛筆のように丸まって直立している部分をカットして生で食べます。
もう半月ほどすればその季節になります。
ジュンサイのような食感で味は酸っぱい。
こういうのを道々歩きながら食べているとツウと尊敬されるか、アワレと同情されるか。
他人からの評価はどうでもいいのです。
おいしいものはおいしい。

 
 

★丸ごと青大豆のヨーグルト 


  見た目はお豆腐ですが、味は確かにヨーグルトです

豆乳でヨーグルトを作ることは珍しくありませんが、おからも微粉砕して全部ヨーグルトにしてしまおうという企画です。ポイントはおからをどれだけ粉砕するかにかかります。

材料 ①乾燥大豆100g(3倍の水に一晩漬けておく) ②水750cc  ③市販のヨーグルト小さじ1

作り方
 1.膨らんだ大豆の半量と水200ccをミキサーに入れてチョビチョビ合計1分間。
 2.布巾を敷いたザルにこぼして、生おからと生豆乳とに分けます。
 3.残りの大豆半量も同様。
 4.生おから2回分に水200ccをミキサーで、チョビチョビ合計1分間。
 5.ミキサーの汚れも水150ccで落として使います。
 6.生おからと生豆乳を鍋で沸騰しないように煮ます。10分間。
 7.ひと肌に冷めたらヨーグルト小さじ1を混ぜ、消毒した容器に入れます。
 8.40℃程度の保温器に入れて5時間で出来上がり。冷蔵庫保管です。

自宅にあった青大豆を発芽させてから使いましたが、市販の煮大豆、蒸し大豆でもOKでしょう。
水の量は適当です。少しずつ使うのが良いと思います。
ヨーグルトを混ぜる際に、砂糖や塩少々を加えると発酵が進み、味もクセがなくなります。
見た目はつぶつぶ感がありますが、舌触りはまぁまぁ滑らかです。
とはいえ、おから入りですからそれなりの味だと覚悟してください。

うっかりミスで12時間保温してしまったらひどく酸っぱいものになってしまいました。
何時間でベストかは、それぞれの保温スタイルで異なるでしょう。
何有荘の保温器は発泡スチロール箱にペット用暖房座布団を入れています。
今回は5時間で保温をとめました。
味見して確かめるしか方法はなさそうです。(失敗は成功の母)

ブログ友達、グレープおばさんの「大豆丸ごとヨーグルト」➔● を参考にさせていただきました。ありがとうございます。

 

★耐熱・耐圧ペットボトルは? 


  メーカーに関わらず口は透明と乳白色の2種類ある

ペットボトルは良く洗ってから再利用することがありますね。
水筒代わりにお茶でも入れて行こうかなと思ったら、口が乳白色のペットボトルを使います。
これは耐熱を示し、hot で売られている商品はみな口が白い。

口が透明なペットボトルに熱湯を入れたらグチャグチャになって危険です。
口が透明ペットボトルは常温か、冷やした商品に使われています。

降雪などの停電で暖房が効かなくなった時、口が白いペットボトルを湯たんぽ代わりに使えます。
ただし、白い口ではなく透明部分の本体は60℃ぐらいの耐熱だと考えた方が安全でしょう。
タオルなど巻いて使えば停電時でも少しは役に立ちます。
納豆やヨーグルトを作る時に、発泡スチロール箱に保温用のペットボトルを入れますが、白い口のペットボトルを使います。


  底は凹型とロケットみたいな菊型の2種類ある

普通、ペットボトルの底部は凹型になって強度を高めています。
ところが炭酸飲料はどれも底部がロケットの底部のように5本の脚があり、菊型というそうです。
内部からの圧力を分散させるためのより強固な形が菊型です。

何有荘でドブロクを作る時、あるいはEMやエヒメAIを作る時はこちら(菊型)のペットボトルを使っています。
耐圧とはいえ、時々はフタを緩めて内部の高まったガスを逃がしてやるのは言うまでもありません。

複数の素材を使ったり、構造が複雑なボトルの方が高機能なのは当然です。
白は耐熱、菊型は耐圧と覚えておくと何かと便利です。

 
 

★大原出身の歌人『父 矢代東村』が発売されました。


    立派な装丁で、中身がぎっしり詰まった作品です。

矢代東村(ヤシロトウソン)の歌碑は大原海水浴場の裏手、日在浦海浜公園にあります。
偶然、その歌碑を見た時にいい歌だなぁ、矢代東村って誰だろうと思って少々調べ、2012年に5回にわたって当ブログにアップしました。
大原の旧東村(アズマムラ)出身の歌人・本名・矢代亀廣(1889-1952)は東京で活躍し、いくつかの号を持っていましたが、東村(トウソン)に落ち着いたのは出身地に捨てがたい愛着があったからでしょう。

著者は小野弘子さん。『短詩形文学』 誌上に父・東村について連載した記事が元になっています。
著者もまた歌人であり、その文章は無駄がなく、淡々として平易であるがゆえに強い説得力を持ちます。

東村の足跡をたどりながら、はからずもそれは大正昭和の世相と歴史を振り返ることにつながり、近代短歌のあるべき姿を求めた多くの歌人たちの歴史をたどることになります。
もちろん東村伝記ではありますが、時代を追った東村歌集でもあります。
歌論であり、評論であり、時には推理小説を読むような緊迫感があります。
最近のわけのわからない小説よりもずっと面白い。
文章に過剰な思い入れがなく、さらりと客観的な事実を積み上げていく文章は、逆に弘子さんの父上に対する尊敬と愛情が滲み出ていることを読みながら感じました。

一昨年、大原の図書館に「東村の資料があったら読みたいのですが…」と訪れた時、司書さんはちょっと困った顔をして「実はあまりないのです」と言って連載されていた『短詩形文学』のコピーを貸し出してくれました。
今回、ようやく東村についてまとまった本が出版されて良かったと思っています。
東村の人となりとその歌についての集大成といえましょう。

読んでみればわかるのですが、東村は偉大な歌人でした。愛情深い父親であり、弁護士としても立派な足跡を残しています。
3500円と少々高価なので、いすみ市の図書館や学校が地元出身の歌人の資料として購入することを期待します。
いすみ市の誇りとする人物でしょう。
東村の生き方に現代人は学ぶことが多々あることと思います。

大原出身の弁護士歌人、矢代東村(1) 
   (2) (3) (4) (5)

 

★今年のイチゴ1号 


 畑で雑草化しているイチゴの花が寒さの中で咲きました

スーパーや産直店でイチゴが並ぶようになりました。
どれも大きくて美しく見事です。
みんなハウス栽培で手入れが行き届き、重油代がかかっているのでしょう。
クリスマスのケーキ用イチゴが一番高く売れるのだそうです。
季節外れであっても食べたいという欲望が季節外れの商品を生み出しています。

何有荘の畑の一画にグランドカバーよろしく育っているのが画像のイチゴで、今シーズン初めて咲きました。
雪が降ったってなんだって、もうすぐ春だと実感します。
季節が来ればイチゴの花が咲く。5月の連休の頃には実をつける――それが自然のサイクルであり、自然の恵みです。
自然の恵みをいただいて無欲に生きていく、それでいいじゃないかと思います。
実がなるのが楽しみです。

それなのに誘惑に負けて1パック500円のイチゴを買ってしまいました。
それがじつにおいしいのです。
地元農家さんの商品を買ってあげなくちゃね、などと後付の理屈をこねながらいただきました。
やっぱりプロ農家が作る日本のイチゴはすばらしい。

 

★超簡単・大豆カレー 


  フライパンでシンプルに

カレーというと人参、玉ねぎ、ジャガイモの三種類がいつも入りますが、今回は玉ねぎと大豆とし、肉はひき肉を使った超簡単なカレーです。

◆超簡単大豆カレーの作り方
 1.玉ねぎを荒みじん切りにし、透き通るまで炒める。
 2.ひき肉を加えて炒める。
 3.蒸し大豆・水を加え、市販のルーを加えて煮込めば出来上がり。

こんなのでどうかと思いましたが十分おいしく頂けました。
特に大豆の味がしっかりとしているのが特徴で、大豆とカレーは合うと再認識しました。

大豆は何有荘の発芽大豆を蒸して使用しました。
市販の煮大豆、あるいは蒸し大豆を使えば簡単です。
人参もジャガイモも使いたければ賽の目切りを炒めて使うのが良いと思います。
カレーは“ブラックボックス”で何を入れてもカレー料理になりますね。
いつもは冷蔵庫にある残った野菜は何でもみじん切りにして使い、味に深みを出しています。

でも今回はあえて玉ねぎと大豆だけにしてみました。
最低限の材料でもカレーになってしまうのが不思議です。
それだけ MADE IN JAPAN のカレールーは素晴らしい。
なにせ、本当かどうか、インド人が感激したというくらいですから。

 

★トウキョウサンショウウオの卵塊発見 


   卵の塊を正しくは“卵嚢 ランノウ”というらしい

いすみ市とは不思議な場所でそんな僻地とは思えないけれど絶滅危惧種があれこれいます。
画像のトウキョウサンショウウオ(東京山椒魚)もその一つで、まさか千葉県で、しかも人家のすぐ近くにも住みついているとは思いもよりませんでした。
トウキョウ-と名付けられているのは最初の発見地が都内だったためで、実際には関東各地に棲息していましたが水環境が悪化したために今や各地で絶滅危惧種です。

この卵塊もコンクリU字溝にあったので、安全な場所に移してから撮影したものです。
人間にとっては便利で環境美化につながるU字溝も野生生物にとっては生きづらい場所です。
春の小川はさらさら行くよ…はU字溝ではなかったはずで、人間の都合で多くの野生生物が絶滅してきました。ミズスマシやタガメなんか、もう二度とわたしたちの前に姿を見せないのでしょうか。

トウキョウサンショウウオはカエルと同じく両生類なので、カエルと同じように卵はカンテン質に包まれています。
画像のように三日月型の卵塊で、目玉が集まったような卵塊ではなく、ひも状の卵塊でもないのですぐ区別がつきます。
水が温んでくる頃に目立つようになりますから、この卵塊の生みの親は先だっての暖かい日に間違って産卵してしまったものでしょう。
ところが何十年ぶりかの積雪が続き、さて今後はめでたくオタマジャクシになることができるのか危ぶまれるところです。

オッチョコチョイが早すぎる産卵をしたり、愚か者が遅すぎる産卵をするのは自然の絶妙な采配です。
もしもある時期に一斉に産卵したら、たまたまその年の自然環境が悪かったら全滅し、種族断絶につながりかねません。
そのため危険分散として産卵時期をずらしてその後の環境変化に対応し、だれかは生き残る保障をしている自然のメカニズムです。

おそらく人間にもその危険分散システムが働いているからこそ、個性の違いがあり、体質の違いがあります。それぞれの顔や体格が違うように考え方・思想の違いがあります。
“みんな違ってみんないい”――多数が小数を抑圧することがなく、少数が多数を支配することなく、みんなそれぞれ自分の場所を発見し、個性を発揮できる世界が来るのは遠い将来のことではなく、わたしたちが日ごろから心がけていれば、夢物語ではないと思っています。
だってそれが自然の摂理ですから。

 
 

★雑草の中のキヌサヤは順調 


   どこがキヌサヤかわからない

畑の雑草は嫌われ者で目の敵にされていますが、それほど悪者でしょうか。
何有荘の菜園では雑草が野菜苗と共存して元気に育っています。
雑草があるために地盤が安定し、大雨でも畝が崩れません。霜柱も立ちにくい。
暑さ寒さから畝を守り、害虫から苗を守ります。
雨の時の土の跳ね上がりも防げます。

でも雑草も春を迎えてどんどん大きくなるので、そろそろ退場してもらいましょう。
地際でカットして畝に並べます。
雑草を引き抜いて畝を荒らすようなことはしません。

抜いてみればひげ根がびっしりとはびこり、土をしっかりつかんでいるのが判ります。
それを捨てちゃうなんてモッタイナイ。
根際でカットして上部を伏せておけば、雑草の根に日も当たらず復活を妨げることができます。
するとひげ根はそのうち“有機肥料”として土に戻っていきます。
そしてひげ根の形に空気抗ができるのでしょうか、畝の土はフカフカです。
切り取った雑草の上部をいわばマルチとして利用するわけです。
上から米ぬかをばら撒いておけば、そのうちに自然に分解して土に戻っていきます。

耕して土を掘り返し、ふっくらとした畝を作っても、雨が降れば沈んでしまいます。
何日かたてばけっこう固く締まってしまうのはプロ農家の畑。
だから畑に大雨の後は水たまりができたりしますが、雑草共生畑では水はけが良い。

団粒構造ができ、水はけが良くて保水性のある畑が良いとされています。
雑草共生畑はそんな畑です。
最大の欠点は見栄えが悪いことです。
あれでも畑かねぇ、サボってる、手抜きしていると思われることですが最近は理解者が増えてきました。
もっとも手抜きは確かに手抜きで、手抜きして作物ができないかと実験しながら何年かたちました。
立派なキヌサヤが今年も(たぶん)収穫できることでしょう。