★大正堰のコガモ 

毎年秋から春にかけて大正堰に来るカモです。
日本の鴨の仲間の中では一番小型というけれど、さほど小さいわけではありません。
カルガモと一緒にいることが多く、見分けるにはお尻近くのクリーム色の三角形があればコガモ。
顔は古代人のような、全面刺青(イレズミ)風に彩られていますが、遠目にははっきり見分けられません。

ピローッピローッとかわいい声で鳴きます。まるで笛を吹いているような感じです。
一方、カルガモはゲーゲゲゲゲとまるで人を馬鹿にしているように鳴くのでかわいげがない。
野鳥の鳴き声もいろいろです。

昨日の新聞に千葉県の手賀沼の野鳥が激減したという記事が載っていました。
家庭排水で水質汚濁、耕作放棄地が増えてエサ不足などいろいろ原因があるようです。
乾田農法といい、冬場は田んぼの水を抜く農法が普及して小型生物――両生類や水棲昆虫、小魚などが死滅するのも大きな影響だと書かれていました。

その事情はいすみ市でも同じですが、都市化が進んでいない分まだましです。
行政的な様々施策は、環境を改善し快適な暮らし――を目指しているのでしょうが、それが都会的暮らしの模倣ならば、野生生物の快適な環境とは矛盾することになるでしょう。

たとえば“春の小川”をコンクリU字溝に置き換えていけば“目だかの学校”や“ホタルの宿”は死滅します。
“春の小川”が汚水の排水溝になっているから問題なので、汚水の問題を解決すれば“春の小川”は観光資源にさえなりうるのに。

ところが主たる汚染源である家庭排水の単独浄化槽問題、農地やゴルフ場の過剰農薬問題の解決は遅々として進まず、絶望的なくらい大変です。
みんなの智恵が集まって解決される方向が見えてくることを望みます。
そんな現状を打破する話し合いが2月2日にあります。 顔を出してみますか。
                                 里山シンポジューム→●

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★”キムチの素”で超簡単キムチ作り 


        材料はこれだけ

知人が樽で白菜キムチ作りをしていました。
いろいろ試行錯誤の末、これが一番簡単でおいしいキムチができると話していました。
その“キムチの素”でキムチを作ってみました。なるほど超簡単でした。

  1.白菜1/4を適当に切り、ビニ袋に入れて計量。
  2.重量の1割程度の“キムチの素”入れて均等によく混ぜ、冷蔵庫保管。
  3.翌日にはもう食べられます。

夫婦二人所帯ですからこんなもんで十分な量です。
酸っぱくなってしまったキムチも使いよう、とはいえ、やはり新鮮な方がおいしいので少量ずつ作っています。
昔、諸材料を買い込んで無駄にしたことがありましたからね。
この方法なら「切って混ぜるだけ」ですから失敗のしようがありません。

ずいぶん昔、韓国旅行で連れ合いさんはキムチの味を覚えました。
どの食堂でも必ずキムチが大量につきます。
カレー屋さんの福神漬けのように、どれだけ取って食べても良いようでした。

当時の日本のキムチと較べると味がマイルドで深みがあり、後で調べてみると辛くない唐辛子を使用していました。
真っ赤な唐辛子なのにさほど辛くなく甘味のあるキムチ用の種類は、最近でこそデパ地下などで販売していますが、どこで購入したらよいか当時は不案内でした。

その後、日本のキムチも進化し、韓国直輸入のキムチさえいすみ市でも購入できます。
そしてついにこんな“簡単キムチの素”まで入手できるようになりました。

簡単すぎるのがちょっと不安ですが、満足できる味です。
しばらくはこれに付き合ってみようと思っています。
                                  キムチの素→●

★しなびたミカンの利用法


   中身は甘いので、ジュースにし、ゼリーにしました

知人宅のミカンの木には鈴なりのミカンがなるといいます。
じゃ、もらいに行こうかなと言ったまま約束を果たさなかったら、レジ袋一杯持ってきてくれました。恐縮です。
小型サイズですが、もちろん無農薬なので安心ミカンです。
ただし皮の表面の見栄えはあまりよくありません。薄汚れた感じです。

いただいたミカンは食べても食べても食べきれず、しだいにしなびて、実にぴったりと貼りついてむきにくくなり、手が伸びずにいると一層しなびて…

半切りにしてレモン絞り器でジュースにしていただくとそれはもう甘くて最高でした。
それをゼリーにしたのが画像です。ゼリーにするとジュースの時ほどは甘みを感じません。
もっと砂糖を加えればよかった。

一部は袋ごと重曹で軽く煮て、薄い袋を溶かし、砂糖を加えてジャムにしました。
皮がもう少し綺麗ならばマーマレードにするのですが、ちょっとその気になれませんでした。

◆ミカンの皮の利用法
 1.そのまんまクリーナー。
   キッチンの蛇口、シンク、コンロまわりをこするととてもよく汚れが取れます。
 2.そのまんま入浴剤
   100均で購入した目の細かい洗濯ネット、あるいはパンストタイプのゴミネットに入れ、
   バスタブ内でモミモミすれば温泉気分になり、肌もスベスベ。保温効果もあります。
――その後、生ごみ堆肥に投入し、最後まで使い切ります。

◆よく乾燥させたミカンの皮の利用法
 1.手でちぎったりハサミでカットし、適当な布袋に入れれば香り袋になります。
   素敵な布ならインテリア。そうでないならタンスや靴箱などへ。
 2.千切りか細かくするかして、紅茶と一緒にどうぞ。
 3.粉になっちゃったら漬物や納豆、うどんやソバなどの上からパラパラはどうですか。
 4.水で戻せばフレッシュの時と同様にキッチンでクリーナー替わり、あるいは入浴剤に。
 5.隣りの家の奥さんは乾燥した皮を白菜の漬物に入れていました。

皮を生ごみで捨てるなんてとてももったいなくてできません。

 
 

★安納芋でスイートポテト

むずかしいことは何もないのです。
  1.焼き芋を作って中身をかきだし、裏ごしする。
  2.市販のホイップクリームを適量混ぜてアルミ箔に盛り付け。
  3.オーブントースターで10分。
  4.別途作った【味醂+砂糖】液を表面に塗って出来上がり。

安納芋は水分が多いのでオーブントースター10分では不足でした。
もう少し水分を飛ばしたかったし、表面の焦げ目も頼りない。

安納芋は甘いので、バターや砂糖を省きました。
ホイップだっていらないと思いますが、それじゃ洋風にならないので加えました。

上塗りの味醂+砂糖液は加熱するとトロリとし、なかなか素敵です。
余った液は玉子焼きにでも使いましょう。

安納芋は焼き芋にすると鮮やかなオレンジ色でしっとりし、とても甘くなります。
何回かそうしましたが、しだいにホクホクした普通の焼き芋が恋しくなりました。
まだ余っている安納芋を違った食べ方をしようとしてスーとポテトにしたのです。

バターを加えて混ぜる手間がないし、味もしつこくなりません。
上塗り液は味醂を使ったのがミソですが、加熱した時にアルコール分が飛んでしまいました。
ラム酒など少々加えると大人の味になるでしょう。
次回はそうしてみたいが、もう安納芋がなくなってしまいました。

今朝もまたうっすらと雪が積もりました。今年2度目です。
気分はなんとなく“雪の嵐山”
モノトーンの景色は美しく感じます。
この程度なら雪かきも不要。でも凍っているから足を滑らせないようにしないとね。
新聞の配達も遅れました。
ご苦労様です。感謝。

 

★釣り針星――ヒアデス星団の話 


   オリオンの三星をたどると牡牛座となる                画像元→● 

先週、オリオンの三ツ星は海の神様、航海漁労民族の神様だという話をしました。
今週はオリオンのすぐそばにある釣り針星の話です。海の神様の近くなので釣り針星なのでしょう。

オリオンの三ツ星をまっすぐ上に眼を移していくとゴチャゴチャッとV字型に連なった星々を見ることができます。
牡牛座の顔にあたる部分ですが、あの星を眺めて画像のような雄牛の図柄を想像した人ってどんな人なのでしょう。普通は無理ですよね。

ゴチャゴチャとV字型に星が集まった部分だけを見て、漁民は「釣り針星」と見、農民は「釣鐘星」と呼びました。馬の顔の形に似ているから「馬面星」と言う人もいるそうです。
中でもひときわ明るい赤い星が一等星・アルデバランで、突進する雄牛を空に描いた「おうし座」の右眼になります。
一昔前に流行った漫画では星闘士・ゴールデンマトックの「アルデバラン」として有名になりました。

このV字型の星団を今日の天文ファンは「ヒアデス星団」と言います。
ヒアデスとは天を肩にかついでいる巨人神アトラスの7人の娘のことで、兄ヒュアスがリビアで狩りの最中、猪に襲われ殺されたのを深く悲しみ、泣きながら死んだのをゼウスが傷んで星にしたと言われています。
ギリシャ地方では、日の出前にヒアデス星団が上ってくるころ雨季(10月以後)に入るので、雨はヒアデスの涙とされ、「雨降りヒアデス」と呼ばれました。

一方、中国ではこの星団を二十八宿の『畢宿(ヒツシュク)』と呼びました。
畢はうさぎを捕る網のことで、V字型を柄のついた網に見立てたのでしょう。
古い詩経に「月畢にかかれば滂沱(ボウダ)たらしむ」とあり、月がこの位置にあると大雨が降るとあるそうです。
西のギリシャと東の中国でどちらも雨に関係する星座としたのは不思議な話です。

『丹後国風土記』逸文には次のような話があります。
――水の江の浦の島子(=浦島太郎)は、亀の化身である美女から「蓬山(ホウザン)へ行こう」と誘われ、舟を漕いで海中の大きな島に到った。七人の童子と八人の童子が出迎えた。亀姫は、「七人の童子は、すばる星(=プレアデス星団)。八人の童子は、あめふり星(=ヒアデス星団)」と説明した――
おそらく中国の「畢」の知識が話の下敷きになっているのでしょう。
しかし、日本でもヒアデス星団が「雨降り星」だったことは忘れ去られた事実です。
逆に言うと、当時は「雨降り星」といえばそれなりに理解する人が多かったに違いありません。

いずれにせよ、ここを双眼鏡で眺めてみると宝石を散りばめたように見えます。
大型望遠鏡でなく、むしろ普通の小型双眼鏡の方がこの星団を見るには適します。
寒さに耐えて眺めてみる価値がある星団です。

 

★本物の干物を食べたことがありますか 


     拓さんのカワハギの干物と何有荘の野菜の付け合せ

本物の干物はおいしい。
どこかの高級料亭の高級料理よりもずっとおいしい。(行ったことも食べたこともありませんが)
「こんなおいしい夕食で幸せだね」といただきました。

なんとなく干物が食べたくなり、「漁師工房 拓」さんに電話しました。
「今、カワハギを作っているところだよ」というので求めに行きました。
特に難しい秘術を尽くした干物ではありません。
拓さんは昔からの方法しか知らないし、それが一番おいしいと信じています。

まず第一に獲れたての刺身になるような魚を使います。
第二に、海水と同じ程度の塩分濃度で処理します。
第三に、天日で様子を見ながら半日程度干します。
どうってことのない単純な方法で仕上がった干物です。

ところがある種の干物は「安くておいしい」がとんでもない商品です。
売れ残った魚を使い、過酸化物質の生成を抑える食品添加物やある種のうま味成分(アミノ酸)などを噴霧し、機械で乾操し、長期冷凍保存したものを頃合いを見計らって市場に出します。
某スーパーの1尾100円の冷凍干物はおいしいのですが、二日続けて食べる気はしません。
しかし都市住民はこのような「安くておいしい干物」しか手に入らない。
だから干物はチープでプアな食品の印象になってしまいます。

拓さんの干物はリッチです。
水分の飛び具合、塩分の乗り方、干物なのに新鮮というのも変ですが新鮮な干物です。
その日に獲れた魚しか干物にならない。
だからまた食べたくなります。
高い・安いの問題ではなく、おいしい食べ物は人を幸福にする力があります。

さて、画像の付け合せは何有荘産。
カブの漬物とカブの葉、それと庭の柚子。
ほんの少しで、ささやかな自給自足のまね事なのに偉大なことを成し遂げたようにうれしいのです。

                          漁師工房 拓→● 

 

★野良猫 タマ 


  やや眠そうな顔をしてこちらを見た

週に1~2回、画像の野良猫が何有荘に来て、ブラブラして帰っていきます。
畑の上で丸くなって寝たり、発泡スチロール箱の上で狛犬ならぬ狛猫のただずまいで周囲を見渡してから昼寝をきめこんでいます。
驚いた時はカーッと口を開け、鋭い歯をむき出しにして威嚇のポーズをとります。
痩せこけているので恐ろしい顔になり、サッと隙を見て逃走します。
ノラだからね。人間不信感が強いのでしょう。

別に悪さをするわけでもないので無視しているとしだいに慣れてきたようで、数m移動していつでも逃げられる場所を確保してから、振り向いてこちらの様子をうかがっていました。
やがて目が合うとニャーと向こうから挨拶するようになり、ニャーニャーと媚を売って来ることもあります。
たぶんエサを催促しているのでしょう。
たびたび来るので、タマと名付けました。
「またタマが来てるよ」との会話が交わされます。

エサをやれば必ず居ついてしまう気がします。
それでなくとも夏の間、開け放したドアの網戸が開いている時に台所まで侵入してきた実績がありますから、室内を自由に徘徊されたら困ります。
でも痩せこけた猫が哀れな声で鳴いていると、1回ぐらいエサを遣ってもいいか、などと仏心というか弱気になります。

夕方には姿を消しています。
心配する必要などないのですが、何有荘に来ない日はどこで何をしているのでしょうかねぇ。

 

★ささやかな収穫 大きな幸せ 


   今日の収穫です

耕作放棄地と見間違えるような雑草の中で、といってもまだ雑草は低くべたーっとしていますが、その中でよく見るとネギやダイコン、カブが育っています。
昨日は風もなくおだやかな日だったので久しぶりに畑に行きました。

欠株となったソラマメを補植し、なんとかなっていそうなカブとダイコンとネギを引き抜きました。
どれも期待以上によく育っていました。
少なくとも私たちにとっては“上出来”です。
食べなくともわかります。
きっとどれも柔らかくて張りがあり、味にトゲがなくマイルドで、その野菜特有の甘み・うま味があることでしょう。
最近ほとんど信念というか、確信というか、農薬を使わない野菜は優しい味がすると思っています。

市販されている普通の野菜は消毒と称する農薬をかけられています。
もちろん農家の方も重々承知ですから減農薬を心がけ、ネットで野菜を保護する方向に動き、大変な苦労をしていることは傍目にもわかります。
しかし商品価値を維持するためには農薬は不可欠のようです。

農薬をかけられた野菜はたぶんそれが刺激が強くて有害な物質であることがわかるのでしょう。
身を固くして自分を守ります。
ある種の物質を体の表面部分に出して自分の身を守ります。
成分分析など関係ない。あくまでも感覚の問題ですが、スーパーで売っている野菜は表面が固く、筋っぽく、味に濁りが感じられます。
それはたぶん農薬をかけられたせいだろうと思っています。

ある人は、野菜は皮をむかず、全体食がいいと言います。
ある人は、皮付近に重金属など有害物質が集積するから必ず皮をむいて食べろと言います。
どちらの言い分もきっと正しいのでしょう。

無化学肥料、無農薬で育った何有荘の野菜はたぶん農薬で育った野菜よりは安全でしょう。
だからのびのび育ち、優しい味、野菜本来の味がするのだと思っています。
二人だけの暮らしですから、これでもう十分な収穫です。
太陽様と土の神様と雨の神様に感謝です。

 
 

★モンツキドリのメス 


 正しい和名はジョウビタキ

何有荘に来る野鳥です。
ジョウビタキは雑穀も食べないし、ミカンもつつきません。
昆虫食だから何有荘のエサにつられて来たわけではなく、おそらく他の野鳥がにぎやかにしているので「ナンダ、ナンダ」と野次馬根性でやってきたのでしょう。

数年前に来ていたオスはかなり人間に親しく、庭仕事中のわたしが移動するたびに後からついてきました。可愛く思ったものです。
今年のメスは用心深く、撮影しようとカメラを向けると逃げてしまいます。
画像は驚かさないように室内から窓越しに写しました。

じつはオスの方がハデで美しい装いです。
ボディはオレンジ色で羽は黒。羽の中央に白い紋があるので、まるで紋付を羽織っているように見えるので「モンツキドリ」といいます。
メスの方が地味な色合いなのは、子孫を残す使命があるために外敵に目立たぬようにしているのでしょう。連れ合いを選ぶ権限はメスにあるので、着飾る必要がありません。
人間のメスはというと―――これは深入りしないことにしましょう。

標準和名の「ジョウビタキ」は漢字で「尉火焚き」。難しい名前です。
「尉」は能用語で老人を意味し、オスの頭が白髪交じりのように見えるから。
「火焚き」はこの野鳥の鳴き声がカチカチカチッカチ、とまるで火打ち石をたたいているように聞こえるからだといいます。機嫌の良い時はヒッヒッヒと鳴きます。
確かに、どちらの鳴き声も、オヤ?何の声だろうと気になる鳴き声です。

野鳥も野草も名前を覚えると親しく感じるようになります。
そして細かい特徴にも気付くようになります。

嫌なニュースが多く、ままならぬ世に疲れた時に野鳥や野草はわたしたちに元気を与えてくれます。
あまり悩んでいるようには見ないし、だれかを恨んで呪っているようにも見えません。
自分だけは楽して金儲けするなど、いやしい算段を計画しているはずもありません。

そのような世間とは無縁だからこそ癒されるのでしょう。

   ※アルジェリア軍のテロリストせん滅作戦が終了。苦い思いが残ります。
 

 

★オリオンの三ツ星は海の神様 


  左:通常のオリオン座  右:東から昇る時はベルトの三ツ星が縦に並ぶ

冬は星座が一番美しく輝く季節で、数々の物語が伝えられてきました。
その中でもオリオンは星座を見分けるのが苦手の人でも容易に識別できる星座です。

画像のように今の星座はオリエントやギリシャ・ローマ文明に彩られていますが、そんな画像を昔の日本人は知る由もありません。
世界各地でオリオンの三ツ星が様々に語られてきました。
『古事記』『日本書紀』にもその記述があります。

アマテラス(太陽)、ツキヨミ(月)、スサノオ(暴風)の三貴神は知っていますよね。
その三貴神が生まれる直前に生まれたのがこの三ツ星で、それは海の神様でした。
海の神様を綿津見(ワタツミ)といいますが実は、底津ワタツミ、中津ワタツミ、表津(ウワツ)ワタツミの三柱とされています。

底津ワタツミが生まれると同時に底津ツツノオが生まれ、同様に中津ツツノオ、表津ツツノオの順に生まれます。ツツノオは「筒之男」と書き、「筒」は「星」の古代語です。
底津ツツノオ、中津ツツノオ、表津ツツノオがオリオンの三ツ星に相当します。
ワタツミとツツノオはペアで三組生まれたと記述されています。

いすみ市にいると横たわったオリオン座が、東の太平洋から昇ってくるのが見ることができます。
それは雄大ですばらしい夜景ですから感激しました。
古代日本漁民に即して言うと、最初にベルトの右の星が海面上に見えてきます。
これが表津筒之男=表津綿津見の星です。ついで中津筒之男=中津綿津見、そして底津筒之男=底津綿津見が昇ってきます。
それが一晩かけて夜空を一周するのですから素晴らしい。

『古事記』『日本書紀』では三ツ星=底筒男命・中筒男命・表筒男命は住吉大神(スミノエノオオカミ)のことであると述べ、海の神=底津少童命・中津少童命・表津少童命は阿曇連(アヅミノムラジ)たちが祭祀をおこなっている神であると記述しています。
住吉大神は瀬戸内海航路の古代日本の海洋漁労民族の神であり、阿曇連は北九州の豪族で、対馬海峡を行き来する航海民族であり漁労民族でした。

かれらの民族神話が「日本神話」に採用されたわけで、古代日本(倭国)成立にかれら、海洋漁労民が非常に大きな役割を果たしたことが透けて見えています。

一般庶民はこの三ツ星を「親孝行息子」とたとえてきました。
親孝行息子の左には赤く目立つ星(ベテルギウス)があり、右には白く輝く星(リゲル)があります。
この紅白二つの星を老いた両親にたとえ、親孝行息子が老いた両親を天秤棒に載せて移動しているのだと考えました。

あるいは紅白にちなんで、ベテルギュースとリゲルを「源平星」という場合もあります。
この命名もなかなか素敵です。

蛇足を二つ。
アベッチが景気回復の三本の矢などと言っていますが、三本の矢で有名なのは戦国武将・毛利氏。
その家紋は「一文字三ツ星」。これはオリオンベルトの三ツ星のことです。
そういえばアベッチは長州の出身でしたね。なるほど。

韓国の大手家電メーカーサムスンは漢字で書けば「三星」。これもそうです。
いつの時代、どこの国、どの地域でも三星は目立つ星だったのですね。