★玄鳥至――ゲンチョウイタル

ツバメ
     某スーパー入口にツバメが来た

1年12か月をそれぞれ前半後半に分けて24とし、季節の変化を示したのが 二十四節気。
72に分け、ほぼ5日ごとに季節の移ろいをあらわしたのが 七十二候。
二十四節気の「気」と、七十二候の「候」とを合成すると 「気候」 になります。

さて、この4月4日が七十二候でいう「玄鳥至」で、ツバメが飛来する頃といいます。
今年、初めてツバメに出会ったのは6日でしたから、ほぼドンピシャでした。

本日4月7日の午前中、道を歩いていると草むらから ジュクジュクジュクジー とおなじみのツバメの鳴き声がします。
3~4羽ぐらいが鳴きあいながら、エサをねらっているような雰囲気でした。
しかし、ツバメが地面を歩いている姿は今まで見たことがありません。

この近辺のセキレイは車を恐れず、チョコマカ地面を歩き回っていますから、セキレイの見間違いと思ってじっと観察したものの、やはりツバメです。
飛べば特徴的な燕尾姿でした。

後から考えれば、あれは巣作りの準備中だったのですね。
ご存知のように、ツバメの巣は泥とワラをツバで固めて作ります。
その泥かワラかを採集していたのだと気づきました。

画像のスーパー入口の巣は昨年の巣の再利用のようです。
ところが、某ドラッグストア、某ホームセンター、某病院のツバメの巣は撤去されています。
ツバメはまた一から巣を作ろうとして泥やワラを採集していたのでしょう。

都会ではめっきりツバメの姿を見かけなくなりました。
千葉県でも準絶滅危惧種に指定されています。

いすみ市では絶滅の危惧はないようで、なじみの夏鳥です。
ツバメを見たことがないという都会の子どもは気の毒です。

『竹取物語』の中で、姫は結婚の条件として無理難題を求婚者に出します。
石上麻呂には「燕の子安貝」を持ってくるならば、と言いました。
「燕」は当時、「ツバクラメ」と発音しました。
やがて、ツバクラ→ツバクロと変化し、戦前生まれの方はツバクロがなじみの単語です。
「子安貝」はタカラガイの一種で王朝で貨幣として使われていたり、「安産のお守り」でした。

ついでながら、ヤクルトスワローズのマスコットは “ツバ九郎”。
ツバメの古語、ツバクロをもじったネーミング。親父ギャグです。
              
なお、明日4月8日は灌仏会(カンブツエ)。
お釈迦様の誕生祭で、4と8をシとヤと読み、あわせて シャカ と読むと忘れない。

9日が七十二候で 「鴻雁北 コウガンキタス」。 雁が北へ帰る頃の意味です。
もう季節は確実に移り変わっています。
冬鳥のツグミたちは、まもなく北へ帰ることでしょう

 
 
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★冬の水たんぼ 

水たんぼ
     水が張られた、ただの枯れた田んぼにみえるが

冬でも田んぼの水を落さない田んぼを「冬水たんぼ」というのだと、地元の自然を守る会の人から教わりました。

ここは夷隅川河口左岸(北)の田んぼで、いすみ市がコウノトリを呼び込んでコウノトリと共生する田んぼのお米という付加価値を付けて地元のお米を売り出そうとする、その計画が発表される前から、冬は水たんぼでした。

いわば冬水たんぼの老舗(シニセ)ですから、野鳥たちも良く知っています。
画像ではほとんどわかりませんが鳥たちが来ています。
車で脇を通過したらまったく気づかないでしょう。歩行者だってその気で探さなければ見落とすと思います。こんな鳥が何羽も来ていました。
タゲリタシギ
           タゲリ                   タシギ

タゲリは水のない田んぼにもいます。地面を蹴とばして、驚いて地面から飛び出した虫を食べるから 田蹴りでタゲリ。
タシギは田んぼによくいる鴫だから田鴫でタシギ。

湘南の大磯に「鴫立庵」があります。
西行法師が  心なき 身にもあはれは しられけり 鴫たつ沢の 秋の夕暮
と詠んだのが大磯の近くだったそうで、このシギはタシギだったろうと言われています。

タシギは茶色のまだら模様が枯葉の中では保護色となり、人が来るとじっと動かず風景の一部になりきります。
しかし、あまりに近くなるとバッと飛び立ち逃げ去ります。鴫たつ沢とはそんな景色なのでしょう。

水をはった田んぼには微生物が多く住み、イトミミズやドジョウなど小生物も多い。それをねらって鳥が集まり、フンを落として帰る――それが田んぼの肥料となる。雑草もまた鳥たちのエサとなる。
やがて水ぬるめば蛙の大合唱。蛙は害虫を食べ続けてくれる。
微生物と鳥やミミズのフンなどがうまく絡み合えばトロトロの田んぼになって雑草さえ生えないと自然農法家は言います。

自然農法の実践家によれば、農薬は百害あって一利なし、化学肥料はいらないと言います。
上手に付き合えば除草剤だって不要だとも言います。

でもまねして始めてみた人は大変な苦労だった。やはり文明の力は借りたっていいじゃないかと言います。
難しいもんですね。


 
 

★庭のメジロ

メジロ
    ミカンにつられてやってきた

何有荘にノラ猫が住み着き、ここが自分ちだと思っているらしい。
朝晩、エサ遣りをしているのだから、もうノラ猫だとは言えないのかもしれませんが…。
頭の良い猫で、叱られるので決して室内に入ろうとはしません。
しかし天気の良い日は濡れ縁でのうのうと横たわっています。

だから今年は野鳥のエサ遣りはやめようと思っていました。
時々、スズメが犠牲になっていますから。
それに、ヒヨドリがエサを独り占めしようとするのを追い払うのも面倒です。

ところが山茶花(サザンカ)の花が盛りを過ぎたころから、庭木の枯れ枝にメジロが飛んでくるようになりました。
もしかしたら、“たしか去年はここにミカンがあったはずだ”なんて思っているのかもしれません。
たまたま干からびたミカンがあったので枝に刺したら、すぐ飛んできてご機嫌につついています。
チイーチュルチュル とさえずっているのは雄でしょう。
雌はあまり鳴きません。

1羽で来るときも、2~3羽で来るときもありますので、まだツガイにはなっていないようです。
椿が咲き、梅の花が咲くようになるまで、たぶんエサ不足でしょうから
猫がジャンプしても届かない場所にしばらくはミカンを置いてやりましょう。

ついでながら、梅の花に来るのはウグイスではなく、メジロです。
メジロはあまり人を怖がらず、こちらがジロジロ見ても動ぜず、熱心に蜜をつついています。
ウグイスはめったに人前に姿を見せません。

世に言う “ウグイス色 (黄緑)” はメジロ色で、本当のウグイス色はもっと茶色がかった渋い色です。
JRも悪いんですよ。ウグイス色のラインが入った電車は山手線だなんて言うもんですから、黄緑をウグイス色だと思い違いをしている人が多いと思います。

メジロは名前の通り目の周りが白く縁どられています。
だから、スズメよりやや小型で黄緑色、眼のふちが白ければメジロです。
まん丸目玉がかわいいのですが、よく見ると恐竜の子孫らしく恐ろしい顔つきをすることもあるんですよ。


 

★ツバメの巣立ち、まもなく

つばめ2
    もう、いっちょ前の大きさになったが親からのエサを待つ

ツバメの赤ちゃんの画像を撮ろうと出かけたら、どこもここも巣がなくなっていました。
まさか叩き落されたのかと、一瞬暗い思いがしましたが、多分、もう巣立って空の巣になったから取り除かれたのではないかと考え直しました。

画像はやっと見つけた巣で、某スーパーの出入り口にありました。
ツバメの子育て時期から考えると、遅い方ですから、二度目の子育てかもしれません。

ところで、人間に最も身近な小鳥であるスズメの子育てを見たことがありますか。
あの憎たらしいカラスは田舎でも都会でも威張っていますが、子育てを見た人はいないでしょう。

ツバメが子育てを人間に公開している方が普通じゃないのです。
それだけ、人間に依存し、人間に守られて子育てすることが前提になった生き方です。
巣を叩き壊しちゃ、それはツバメの生き方を否定することになります。

そんなこと言ったって、糞害ですよ――という声も聞こえそうです。
近所のおじさんはアオダイショウが来るから、という理由で巣を撤去したそうです。

ヒナが育ってしまうと、もう南の国に帰ったかと考える人がいますが、そうではありません。
この画像は何有荘前の電線です。
つばめ

だいたい30羽ぐらいいました。グジュグジュグジュと大騒ぎです。
大正堰の上で何だか知りませんが、猛スピードで飛び回り、小虫を捕らえて満腹するとひと休み。羽つくろいも余念がありません。

たぶん、この集団には今年生まれのツバメも含まれていることでしょう。
こうやって、長距離飛行の準備をしているに違いありません。

ツバメって集団生活していることを最近知りました。
スズメのお宿って聞いたことがありますね。
ツバメのお宿は芦原だそうです。だからもう巣にはいません。

イタチやアライグマなど天敵が芦原に近づくと、芦がかき分けられた異常振動で、ツバメは危険を察知するのだそうです。
いすみ市は芦原が多いので、お宿には苦労しないことでしょう。

数千年、数万年にわたって人類に依存してきたツバメですが、最近は都会地からは締め出され、田舎でも安住の地とはいい難い状況になりました。
芦原なんか価値がない、埋め立てれば価値が生まれるだなんて、なんてケチな考えなんでしょう。

ポケモンなんて実際には存在しない幻影を求めるより、本物のツバメを発見して、その姿に感動するほうが何倍も良いと思いませんか。


 
 

★コアジサシがやってきた

コアジサシコアジサシ2
     望遠でも画像は厳しい         こんな鳥です(Wikiより画像拝借)

野鳥のコアジサシは夏の渡り鳥です。
ツバメより1か月遅れでいすみ市に来訪し、夷隅川河口の広大な砂礫地に巣を作り繁殖しているようです。
子育てを邪魔するといけないので、まだ巣を見つけには出かけていません。

千葉県レッドデータブックでは最重要保護生物(A)に指定されています。
絶滅が危惧されるのは、巣を営む海岸付近の荒れ地――砂礫地そのものが埋め立てで減少していること、自然な海岸も海水浴客や観光客が押し寄せ、安心して子育てできる環境が激減しているからだといいます。

コアジサシという名前は小さなアジサシという意味で、アジサシとは海中の鯵(アジ)をダイビングして捕らえる食餌行動から 鯵刺し と名付けられました。
体の大きさはハト程度。ハトより翼は長く、全体的にスマートです。

何有荘前の大正堰に数日前から白い小さな鳥が飛来してグルグルとかなりの速さで巡っており、時折、水面に急降下で飛び込んで、すぐ舞い上がります。
獲物獲得に失敗するとまたグルグル飛び回り、成功すると海岸方面に飛び去るのは子育て中なのかもしれません。
大正堰は淡水なのでアジはいません。フナかなんかを捕まえているのでしょう。

野鳥の会の知人に確認したら、それはコアジサシだと即答されました。
水面を埋め尽くしていたカモ類は故郷に飛び立ち、今は定住しているカルガモだけとなり寂しなりましたが、コアジサシが来たので、また水面を見るのが楽しみになりました。

時には黒い小鳥――ツバメが飛んでくるので白と黒の競演となります。
定住しているサギ類は白、大型の野鳥はアオサギ。
朝から騒いでいるのはコジュケイとホトトギス。ウグイスだってまだまだ健在。
芦原で大騒ぎしているのはオオヨシキリ。
ノソノソ歩いているのはキジ。
野鳥が元気になる季節になりました。

海があり川があり、ため池の多いいすみ市。
山があり畑があり田んぼがあり、そして耕作放棄地が広がるいすみ市は野鳥にとって住みやすい地域です。

最近は無農薬・有機肥料の田んぼも増え、たぶん野田市からでしょう、コウノトリも飛来しました。←わたしはまだ出会っていませんが、知人が二度、画像に収めました。

豊かな自然環境は人間にとっても暮らしやすいというか、心豊かになる環境です。