★栗の季節――里山の恵み

ナマグリ渋皮煮
       里山に栗が落ちている          渋皮煮にしてみた

里山にはもともと山栗が自生していましたが、会員がかなり前に植えた栗が育ち、今年は豊作で大きな実ができていました。
だれも収穫しないで落ちたままになっていましたから、いくつか拾ってきました。

どのくらいの時間、落ちたままになっていたか不明なので、収穫した栗は水に漬けて虫がいないかを確認します。
浮いてしまったり、虫が出てきたり、穴が開いている栗は残念ながら廃棄です。

翌日、よく天日乾燥したうえで、新聞紙に包んで冷蔵庫のチルド室で一週間は保管します。
すると寒くなったと勘違いした栗はみずから糖分を作って凍結しないようにします。
つまり甘みが増します。
一週間ほど食べるのを我慢すれば、たしかに待った価値はあって甘くなります。

一番簡単な食べ方は蒸すか、ゆでて包丁で半分に切ってスプーンでかき出して食べます。
一番豪華な食べ方は渋皮煮でしょうか。

沸騰したお湯につけてから鬼皮を包丁でむくと割と皮むきが簡単です。
渋皮はもちろん渋いので、たっぷりの湯で何度もゆでこぼします。今回は3回。
ゆで汁が真っ黒になるので驚きますが、栗が黒く染まることはありません。
重曹は使っても使わなくとも構いません。

ゆで汁の色がが薄くなったら、熱のあるうちに砂糖を加えます。
レシピの70%程度の方が、栗本来の味が楽しめます。
冷えるにしたがって味がしみこみますから、そのまま一晩おけば出来上がり。

ちょっと最後の煮汁が多かったけれど、汁は汁で十分おいしくいただけます。


 
 
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★ギンナン--里山の恵み

ギンナン
    巨大低気圧の後、ギンナンの実が散乱
銀杏2
    果肉を除去して天日干し

先だっての大雨ではいすみ市でも避難勧告が出された地域があり、知人には心配かけました。
幸い当地ではさほどではなく、ちょっとした雲の厚みの気まぐれで地域差が大きいようです。

その翌日、散歩をしていると道路にたくさんの銀杏の実、ギンナンが側溝近くに並んでいました。
どうやら、避難地域指定所になっているやや高台のお寺の銀杏のギンナンが落ちて流れ、そこにたどり着いたらしい。
その無住職のお寺まで見に行くと、もう無数の落下したギンナンだらけでした。

こりゃ幸いとバケツ、チリ取り、熊手を持って出直し、もう一攫千金状態で収穫しました。
もっとも夫婦二人暮らしですから、食べられる量、収穫量はほどほどですが。

地元の人でもギンナンを拾う人は減ったようです。
わたしが毎年狙っていた某地区の神社のイチョウは先だって高さが半分で切られました。
ギンナンの始末が大変だから切ってしまったとは、地元の知人の話です。

ギンナンは良いけれど、その果肉の腐臭がいたたまれない――その通りヒドイものです。
ギンナンの実のひどさを知ったのは某大学の並木道でした。
学生さんは食べないのですかねぇ。

ギンナンの入ったバケツに水を満たし、一日置きます。果肉がより柔らかくなります。
実と果肉とをビニール手袋した手でひねりつぶして分けます。
実にはまだしつこく果肉片がついていますから、できるだけ流水で落とします。
除去した果肉は地中埋設が一番良い。腐敗臭が気になりません。

天日乾燥したギンナンの一番簡単な食べ方は、封筒に入れて電子レンジでチン。
600wで50秒。超簡単。

下準備は必要です。じゃないと大爆発してしまいます。
ペンチまたはニッパでギンナンをはさんで割って、ヒビ割れしておく必要があります。
まな板の上に指でつまんで縦に置き、上からハンマーで直撃してもひび割れします。

エメラルドグリーンのすっきりした透明感ともっちりした食感が身上ですね。
もっとも薄茶色の薄皮が興ざめですが、わたしは気になりません。

見栄えを気にしたり、インスタ映えを気にするなら「湯がけ」ば 薄皮ははがれます。
そんなギンナンは宝石のように美しく、味わいがあります。
塩を振るとよけいおいしいといいますが、振らなくとも十分おいしいと思います。

毎日、少しずつ頂くのが良いようです。
でもこれから寒い季節を迎えるので、串刺しにしておでんに入れるとか、茶わん蒸しにちょこっと入れるとかすると、少し豪華な気分でうれしいですね。

そんな日のために余ったギンナンはジップロックに入れて冷凍保存しておくことにしましょう。


 

★ヤブカンゾウのお浸し

ヤブカンゾウ2
         ツボミを調理する

いすみ市で花咲かせているヤブカンゾウとはこんな花→●
若い芽はピカイチのおいしい野草ですが、今の時期のつぼみはさらに優雅な味わいです。

一日花なので、すでに明日、明後日などのつぼみが育っています。
そのツボミをいくつか採集し、軽く汚れを落とす程度に水洗い。

お浸しですから、ホウレン草や小松菜の場合と作業工程はほぼ同一です。
少々の塩を入れて沸騰させた湯に数十秒間つけてから冷水にとり、ざるにあげる。
水気をキチンペーパーで吸い取る。
器に盛り、漬け汁をかけまわせばできあがり。

漬け汁は「そばつゆの素」を水で割れば一番簡単だけれど
本格的に作るならば、醤油、味醂、砂糖、出し汁、酢--の「甘酢たれ」が良い。
まぁ、いつものように適当に作れば、それで良いでしょう。

多少のぬめり分と新鮮な歯ごたえが共存する野草料理の逸品です。

湯がいた後、乾燥保存させれば、中華街で売っている「金針菜」だそうです。
わたしは購入したことがありません。
水で戻して、天ぷら、炒め物や汁物など何にでも使うようです。

そんな面倒なことをするより、旬の時期に旬の食べ方――「お浸し」が一番簡単で、だからこそ一番おいしいのではないかと思います。

北九州をはじめ、全国で異常気象、異常降雨が続いて被害が出ています。
温暖化の影響なのでしょうか。
ボランテイアや行政の支援が入り、少しは回復が進んでいるようです。

異常気象はますます進み、東京下町が水没する「線状降雨帯」の襲来も杞憂ではなくなりました。
そんなことは考えもしなかった――とはいかないようです。

草深い田舎でも、ハイテク大都会でも大きな被害がありうる時代に生きています。
支援の手にすがりつつ、それでも、もしもヤブカンゾウのツボミが現地で手に入ったならば、
少しは生きていく力になれるのではないか、と思います。

自然には人々の心を癒(イヤ)す力があり、その力の利用法を多くの人が心得ていれば良いなと思います。
ヤブカンゾウのお浸しだって、そんな一品になることでしょう。


 

★カジイチゴの実が食べごろ

カジイチゴ
     明るい橙色のツブツブの集合果

木になるイチゴのような実だから木苺。英語でラズベリー。
木苺もラズベリーも一般名詞で、個々の種類は多数あります。
ムーミンやピーターラビットのように欧米の人たちは各種ラズベリーが大好きなようです。

日本では田舎暮らしの人か、山野を歩くハイカー以外にはほとんど知られていませんでした。
最近では、木いちごをジャムにしたり、ケーキやサラダのトッピングにするのが若い人たちに人気があります。

画像はカジイチゴの実。カジイチゴの英語名はありません。
つまり、純国産、ローカルな木いちごです。
バラ科なのに成長するとトゲがなくて扱いやすい。葉は三~七列しアシタバに似ています。
春に白い五弁の豪華な花が咲き、初夏に橙色の実がなり、つまんで食べるのが一番オイシイ。

ジャムにするとカジイチゴ本来の味も食感も隠れてしまいます。
形を崩さずシロップ漬けみたいのが、見た目と食感が残って良いかもしれません。
でも、それほど苦労しなくとも、摘まんで食べれば満足、で良いじゃないですか?

いすみ市で良く見かける橙色の木いちごは、モミジイチゴの場合が多い。
モミジイチゴの葉はカジイチゴとよく似ていますがずっと小型で、枝にトゲがあります。
花の咲き方は、一列に並んで下向きに咲くのですぐわかります。
実の時期もモミジ――が5月初旬、カジ――が5月下旬と異なります。

挿し木でいくらでも増えるそうです。
何本か植えたら数年で生垣になったという話があります。
地下茎で増えるので、数年でセイタカアワダチソウの原野をカジイチゴの原野に変えたという話もあります。

だから自宅のささやかな庭には向かないのでしょうね。
やはり、生存競争の激しい原野で見つけたら、ちょっこっと実を摘んでパクッと口に入れる 縄文人以来の ”狩猟採集生活” な付き合い方が一番良いと思います。


 

★五月、山菜の天ぷら

山菜天ぷら
       A=ドクダミ  B=ユキノシタ  C=柿の葉

新緑の季節となり、「山笑う」と表現されます。
山が若葉に覆われ若々しく、確かに山が元気に笑っているように見えます。

そんな季節になると何有荘の庭の雑草もまた元気にのびやかに育ちます。
困った、困ったと嘆いていても解決にはなりません。
そんな時は気分転換に食べてしまいます。

今回は画像のように、ドクダミとユキノシタ。柿の葉はついでのおまけ。
ドクダミは刈ると独特の臭気があり、とても食べる気にはなりませんが、天ぷらにすると臭気はほとんど気になりません。ドクダミだなと気づく程度です。

ユキノシタは大きくなりすぎた葉ではなく、若くて中小の葉を選びます。
葉には産毛がモコモコ付いていますが、天ぷらにしてしまえば全く気になりません。

柿の葉は昔から「柿の葉寿司」や「柿の葉茶」などに利用されています。
若い柿の葉は天ぷらにしてもおいしい。
スジなどなく苦みもなく、癖のない味で、ほのかに甘味があります。

画像のように今回の天ぷらは薄茶色っぽく、見栄えが地味でした。
華やかにするために、別皿にニンジンやエビ、キヌサヤの天ぷらを用意しました。画像なし。

藤の花が今を盛りと咲いていますが、花穂の天ぷらも華やかでオツな味です。
アザミやツツジの花の天ぷらを出す店もあります。
スギナだって天ぷらにする人がいます。

ま、ともあれ、本日も好天で夏日だとか。
本日のお昼は野草の天ぷらに冷やしソーメンで大満足でした。