FC2ブログ

★小さな春――つくし(土筆)

つくし
   田んぼのあぜ道で

ウグイスも鳴いているし、もう土筆が出ている頃だろうと思って、田んぼのあぜ道を探していたら、案の定、しっかりありました。
うれしいですね。もう確実に春です。彼岸が来週ですから当然といえば当然です。

つくしの別名、つくしんぼう。つくつくし。
春の七草には数えられないけれど、フキノトウと並んで春の代表的な野草。
煮物、つくだ煮、卵とじ、天ぷら…。
調理にはハカマをはずすのが面倒で、手指も汚れるのが難点。

正岡子規は土筆が好きだったようで、いくつもの句を残しています。

   家を出でて土筆摘むのも何年目
   病床を三里離れて土筆取
   つくし煮て飯くふ夜の台所
   つれづれや病床に土筆の袴取る
   ふむまいそ小道にすみれつくつくし

和歌もあります。
   くれなゐの梅ちるなべに故郷(ふるさと)につくしつみにし春し思ほゆ

病床にあった子規はしきりに故郷松山の景色を思い出していたようです。
土筆を見ると、土筆を愛した子規が思い出されます。


 
スポンサーサイト



★春を告げる山菜――フキノトウ

フキノトウ
    庭にもフキノトウが顔を出した

冬のいすみ市は一面の枯れ野原とは言え、一年中緑の茂る照葉樹林があるし、年末から咲いている水仙もあるし、畑にはソラマメやサヤエンドウの苗が育っています。
冬でも緑は珍しくないとはいえ、やはりフキノトウが顔を出すと、もう春だなと実感します。
雪が降ったって、雪の間からもう春だと告げているのがフキノトウです。

江戸時代から昭和初期までを地代背景とした小説で、フキという名の女性が出てくると、たいてい目立たないけどしっかり者で苦難に耐える女性と描かれている感じがします。
フキという名の女性にはなんとなく親しみが湧き、感情移入して読んでしまいます。

天ぷらにして食べるのが一番ですが、フキ味噌もよろしい。
スーパーに行けばいつでも季節外れの食材が豊富に並んでいます。
旬の季節がわからなくなっていますが、山菜は旬の季節にしか出回りません。
フキノトウも並び始めました。
山野に足を延ばせば、タダで手に入る場所がいすみ市にはまだまだたくさんあります。
季節を感じて満喫しましょう


 

★山菜シドケ(モミジガサ)を頂いた

シドケ

知人が岩手の実家に孫の顔見世を兼ねて行き、お土産に頂いたのが上の画像のシドケ。
桜の季節の山菜ですが、岩手ではまだ採集できたらしい。
知人は子供の頃よく山に行って渓流脇のシドケを採集したものがそうです。

早速湯がいて食卓に乗ったのが下の画像。左=おかか、右=胡麻和え
   シドケ2

湯がきすぎるとアクがまったくなくなり山菜のだいご味がなくなりますから、湯がくのは数分。
人によっては山菜の王様というだけあって、自然界のおいしい恵みでした。
次回は酢味噌か天ぷらにしてみましょうか。

シドケは標準和名がモミジガサで、葉が全開するとモミジ型に切れ込んだ傘のような姿になります。
おいしく食べる時期は、まだ傘が閉じた状態、あるいは開きかけた状態のものが若々しく、筋がありません。

わたしが良く行くフィールドにはなく、よく似たヤブレガサならあります。
ヤブレガサも山菜として食べることができますが、うぶ毛が多く、モミジガサはうぶ毛がありません。
湯がけばうぶ毛など気になりませんが、やはりピカピカ光り輝くシドケの方が上品です。

自然の恵みをそのまま頂くのが今の時代には一番のごちそうかもしれません。
知人に感謝していただきました。

   シドケ3 シドケ画像(ウィキから転載)

 



★栗の季節――里山の恵み

ナマグリ渋皮煮
       里山に栗が落ちている          渋皮煮にしてみた

里山にはもともと山栗が自生していましたが、会員がかなり前に植えた栗が育ち、今年は豊作で大きな実ができていました。
だれも収穫しないで落ちたままになっていましたから、いくつか拾ってきました。

どのくらいの時間、落ちたままになっていたか不明なので、収穫した栗は水に漬けて虫がいないかを確認します。
浮いてしまったり、虫が出てきたり、穴が開いている栗は残念ながら廃棄です。

翌日、よく天日乾燥したうえで、新聞紙に包んで冷蔵庫のチルド室で一週間は保管します。
すると寒くなったと勘違いした栗はみずから糖分を作って凍結しないようにします。
つまり甘みが増します。
一週間ほど食べるのを我慢すれば、たしかに待った価値はあって甘くなります。

一番簡単な食べ方は蒸すか、ゆでて包丁で半分に切ってスプーンでかき出して食べます。
一番豪華な食べ方は渋皮煮でしょうか。

沸騰したお湯につけてから鬼皮を包丁でむくと割と皮むきが簡単です。
渋皮はもちろん渋いので、たっぷりの湯で何度もゆでこぼします。今回は3回。
ゆで汁が真っ黒になるので驚きますが、栗が黒く染まることはありません。
重曹は使っても使わなくとも構いません。

ゆで汁の色がが薄くなったら、熱のあるうちに砂糖を加えます。
レシピの70%程度の方が、栗本来の味が楽しめます。
冷えるにしたがって味がしみこみますから、そのまま一晩おけば出来上がり。

ちょっと最後の煮汁が多かったけれど、汁は汁で十分おいしくいただけます。


 
 

★ギンナン--里山の恵み

ギンナン
    巨大低気圧の後、ギンナンの実が散乱
銀杏2
    果肉を除去して天日干し

先だっての大雨ではいすみ市でも避難勧告が出された地域があり、知人には心配かけました。
幸い当地ではさほどではなく、ちょっとした雲の厚みの気まぐれで地域差が大きいようです。

その翌日、散歩をしていると道路にたくさんの銀杏の実、ギンナンが側溝近くに並んでいました。
どうやら、避難地域指定所になっているやや高台のお寺の銀杏のギンナンが落ちて流れ、そこにたどり着いたらしい。
その無住職のお寺まで見に行くと、もう無数の落下したギンナンだらけでした。

こりゃ幸いとバケツ、チリ取り、熊手を持って出直し、もう一攫千金状態で収穫しました。
もっとも夫婦二人暮らしですから、食べられる量、収穫量はほどほどですが。

地元の人でもギンナンを拾う人は減ったようです。
わたしが毎年狙っていた某地区の神社のイチョウは先だって高さが半分で切られました。
ギンナンの始末が大変だから切ってしまったとは、地元の知人の話です。

ギンナンは良いけれど、その果肉の腐臭がいたたまれない――その通りヒドイものです。
ギンナンの実のひどさを知ったのは某大学の並木道でした。
学生さんは食べないのですかねぇ。

ギンナンの入ったバケツに水を満たし、一日置きます。果肉がより柔らかくなります。
実と果肉とをビニール手袋した手でひねりつぶして分けます。
実にはまだしつこく果肉片がついていますから、できるだけ流水で落とします。
除去した果肉は地中埋設が一番良い。腐敗臭が気になりません。

天日乾燥したギンナンの一番簡単な食べ方は、封筒に入れて電子レンジでチン。
600wで50秒。超簡単。

下準備は必要です。じゃないと大爆発してしまいます。
ペンチまたはニッパでギンナンをはさんで割って、ヒビ割れしておく必要があります。
まな板の上に指でつまんで縦に置き、上からハンマーで直撃してもひび割れします。

エメラルドグリーンのすっきりした透明感ともっちりした食感が身上ですね。
もっとも薄茶色の薄皮が興ざめですが、わたしは気になりません。

見栄えを気にしたり、インスタ映えを気にするなら「湯がけ」ば 薄皮ははがれます。
そんなギンナンは宝石のように美しく、味わいがあります。
塩を振るとよけいおいしいといいますが、振らなくとも十分おいしいと思います。

毎日、少しずつ頂くのが良いようです。
でもこれから寒い季節を迎えるので、串刺しにしておでんに入れるとか、茶わん蒸しにちょこっと入れるとかすると、少し豪華な気分でうれしいですね。

そんな日のために余ったギンナンはジップロックに入れて冷凍保存しておくことにしましょう。