★ヤブカンゾウのお浸し

ヤブカンゾウ2
         ツボミを調理する

いすみ市で花咲かせているヤブカンゾウとはこんな花→●
若い芽はピカイチのおいしい野草ですが、今の時期のつぼみはさらに優雅な味わいです。

一日花なので、すでに明日、明後日などのつぼみが育っています。
そのツボミをいくつか採集し、軽く汚れを落とす程度に水洗い。

お浸しですから、ホウレン草や小松菜の場合と作業工程はほぼ同一です。
少々の塩を入れて沸騰させた湯に数十秒間つけてから冷水にとり、ざるにあげる。
水気をキチンペーパーで吸い取る。
器に盛り、漬け汁をかけまわせばできあがり。

漬け汁は「そばつゆの素」を水で割れば一番簡単だけれど
本格的に作るならば、醤油、味醂、砂糖、出し汁、酢--の「甘酢たれ」が良い。
まぁ、いつものように適当に作れば、それで良いでしょう。

多少のぬめり分と新鮮な歯ごたえが共存する野草料理の逸品です。

湯がいた後、乾燥保存させれば、中華街で売っている「金針菜」だそうです。
わたしは購入したことがありません。
水で戻して、天ぷら、炒め物や汁物など何にでも使うようです。

そんな面倒なことをするより、旬の時期に旬の食べ方――「お浸し」が一番簡単で、だからこそ一番おいしいのではないかと思います。

北九州をはじめ、全国で異常気象、異常降雨が続いて被害が出ています。
温暖化の影響なのでしょうか。
ボランテイアや行政の支援が入り、少しは回復が進んでいるようです。

異常気象はますます進み、東京下町が水没する「線状降雨帯」の襲来も杞憂ではなくなりました。
そんなことは考えもしなかった――とはいかないようです。

草深い田舎でも、ハイテク大都会でも大きな被害がありうる時代に生きています。
支援の手にすがりつつ、それでも、もしもヤブカンゾウのツボミが現地で手に入ったならば、
少しは生きていく力になれるのではないか、と思います。

自然には人々の心を癒(イヤ)す力があり、その力の利用法を多くの人が心得ていれば良いなと思います。
ヤブカンゾウのお浸しだって、そんな一品になることでしょう。


 
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★カジイチゴの実が食べごろ

カジイチゴ
     明るい橙色のツブツブの集合果

木になるイチゴのような実だから木苺。英語でラズベリー。
木苺もラズベリーも一般名詞で、個々の種類は多数あります。
ムーミンやピーターラビットのように欧米の人たちは各種ラズベリーが大好きなようです。

日本では田舎暮らしの人か、山野を歩くハイカー以外にはほとんど知られていませんでした。
最近では、木いちごをジャムにしたり、ケーキやサラダのトッピングにするのが若い人たちに人気があります。

画像はカジイチゴの実。カジイチゴの英語名はありません。
つまり、純国産、ローカルな木いちごです。
バラ科なのに成長するとトゲがなくて扱いやすい。葉は三~七列しアシタバに似ています。
春に白い五弁の豪華な花が咲き、初夏に橙色の実がなり、つまんで食べるのが一番オイシイ。

ジャムにするとカジイチゴ本来の味も食感も隠れてしまいます。
形を崩さずシロップ漬けみたいのが、見た目と食感が残って良いかもしれません。
でも、それほど苦労しなくとも、摘まんで食べれば満足、で良いじゃないですか?

いすみ市で良く見かける橙色の木いちごは、モミジイチゴの場合が多い。
モミジイチゴの葉はカジイチゴとよく似ていますがずっと小型で、枝にトゲがあります。
花の咲き方は、一列に並んで下向きに咲くのですぐわかります。
実の時期もモミジ――が5月初旬、カジ――が5月下旬と異なります。

挿し木でいくらでも増えるそうです。
何本か植えたら数年で生垣になったという話があります。
地下茎で増えるので、数年でセイタカアワダチソウの原野をカジイチゴの原野に変えたという話もあります。

だから自宅のささやかな庭には向かないのでしょうね。
やはり、生存競争の激しい原野で見つけたら、ちょっこっと実を摘んでパクッと口に入れる 縄文人以来の ”狩猟採集生活” な付き合い方が一番良いと思います。


 

★五月、山菜の天ぷら

山菜天ぷら
       A=ドクダミ  B=ユキノシタ  C=柿の葉

新緑の季節となり、「山笑う」と表現されます。
山が若葉に覆われ若々しく、確かに山が元気に笑っているように見えます。

そんな季節になると何有荘の庭の雑草もまた元気にのびやかに育ちます。
困った、困ったと嘆いていても解決にはなりません。
そんな時は気分転換に食べてしまいます。

今回は画像のように、ドクダミとユキノシタ。柿の葉はついでのおまけ。
ドクダミは刈ると独特の臭気があり、とても食べる気にはなりませんが、天ぷらにすると臭気はほとんど気になりません。ドクダミだなと気づく程度です。

ユキノシタは大きくなりすぎた葉ではなく、若くて中小の葉を選びます。
葉には産毛がモコモコ付いていますが、天ぷらにしてしまえば全く気になりません。

柿の葉は昔から「柿の葉寿司」や「柿の葉茶」などに利用されています。
若い柿の葉は天ぷらにしてもおいしい。
スジなどなく苦みもなく、癖のない味で、ほのかに甘味があります。

画像のように今回の天ぷらは薄茶色っぽく、見栄えが地味でした。
華やかにするために、別皿にニンジンやエビ、キヌサヤの天ぷらを用意しました。画像なし。

藤の花が今を盛りと咲いていますが、花穂の天ぷらも華やかでオツな味です。
アザミやツツジの花の天ぷらを出す店もあります。
スギナだって天ぷらにする人がいます。

ま、ともあれ、本日も好天で夏日だとか。
本日のお昼は野草の天ぷらに冷やしソーメンで大満足でした。


 
 

★石蕗(ツワブキ)でキャラブキ

キャラブキ
    漆黒のキャラブキは見るからにおいしそうだ

地元では蕗(フキ)のキャラブキが直販店で販売されています。
地元の主婦が集まって趣味の会を兼ね、多少の現金収入を得ているようです。

栽培されている蕗ではなく、山野に行けば、いくらでも野生・自生の蕗が手に入ります。
それを山蕗といい、香りも味も栽培品とは一味も二味も優れたものだと人は言います。

それを見て食べたくなり、何有荘の石蕗でキャラブキを作ってみました。
フキと比べると軸が太いので作業が楽です。
手指がアクで汚れないので、気楽に作業できます。

自生している石蕗を採集しに行くのならば、大原の八幡岬付近や太東漁港付近の山地を探せば簡単に手に入るでしょう。
海にも近い某神社の裏手は石蕗の群生地で、その季節になると菊に似た花が咲き、それは見事なものです。

根こそぎ採るのはルール違反で、来年のために根を刈り残すのが山野草採集の基本です。
太い軸が良いと言っても、柔らかい方が良いので、軸に産毛が密集している今年の軸を選びます。
二人分ですから、5,6本も採れば十分でしょう。
葉は切り落とし、良く洗います。産毛はそのままでも構いません。

鍋に入る長さに切り、塩を少々入れて沸騰させた鍋に入れて3分湯がいてから水にとります。
半日(4~6時間)水に浸してアクを抜く。
ここで皮をむき、5cmぐらいに切りそろえる。

味付けはいつも適当。
だし汁 100cc、醤油 50cc、酒 25cc、味醂 25cc、砂糖大さじ 1.5ぐらいかな。
いったん沸騰させ、後は中弱火でじっくり煮詰めてできあがり。

まだ茶色のキャラブキだけど、一晩おくとツヤツヤ輝く真っ黒なキャラブキとなります。

キャラは「伽羅」と書き、東南アジア原産の最高級の香木で、古代インド語であるサンスクリット語では「黒」を意味すると言います。
それで、真っ黒なフキだから、キャラブキ。
最高級のフキの煮物という意味でしょう。 
少々気取りすぎの気がしますが、意気軒昂でよろしいんじゃないですか。

田舎暮らしをしていると、だんだん、そこにあるものを使って料理することを覚えてきます。
だってそこに食材があるのですから。
自分で作れば、少々味オンチでも、おいしい、おいしいと言って食べられるのはシアワセというのでしょうね。


 
 

★木いちごの花

モミジイチゴ
    モミジイチゴの花は下向きに咲く

桜の花の咲くころ、山野に桜によく似た五弁の白い花が咲いています。
1mぐらいの低木で、とげがあります。
スーッと伸びた枝に一輪ずつ鈴なりに花咲かせているブッシュを見つけたら、それは木いちごですから、その場所を覚えておきます。

太東崎灯台への道にも咲いていますが、道路際なので草刈りに刈られてしまうこともままあります。
運が良ければ生き残り、6月に橙色の小さな実を付けます。粒々の集合体の実です。
これを散歩の途中でつまんで食べるのが、ひそやかな楽しみです。

この木の葉は、紅葉ほど極端ではありませんが、1枚の葉が五分裂しています。それでモミジイチゴ。
中央が(中指)が長い葉の品種が、ナガバノモミジイチゴ。その変種がモミジイチゴで、いすみ市ではナガバよりもモミジの方がが多いと感じます。
秋になれば、一丁前に黄葉し、冬は落葉します。

バラ科ですからトゲがあります。
繰り返しになりますが、蔓バラのような細い枝に、下向きに白い豪華な花を咲かせており、6月なれば黄色~橙色の光輝く粒々の1cmほどの実がなります。

木にできるイチゴだから、木いちご。
黄色い実だから黄イチゴ。どちらでも良いでしょう。
ジュ―シーで、生食のほか、ジャムにする方もいます。

似た木いちごに カジイチゴ があります。
花は白くモミジイチゴと大変似ていますが、やや大型。
葉は落葉せず、モミジイチゴより色が濃く、大型。
葉は3~7に分裂するが五分裂が一番多いので見分けにくい。
しかも黄色い実ができるので、慌(アワテ)て者はモミジイチゴと間違える。
一番の違いは、花の向きがまちまち。上を向くのが多い。

いろいろ言っても現物を見て違いを納得して区別するのが一番ですね。