★木いちごの花

モミジイチゴ
    モミジイチゴの花は下向きに咲く

桜の花の咲くころ、山野に桜によく似た五弁の白い花が咲いています。
1mぐらいの低木で、とげがあります。
スーッと伸びた枝に一輪ずつ鈴なりに花咲かせているブッシュを見つけたら、それは木いちごですから、その場所を覚えておきます。

太東崎灯台への道にも咲いていますが、道路際なので草刈りに刈られてしまうこともままあります。
運が良ければ生き残り、6月に橙色の小さな実を付けます。粒々の集合体の実です。
これを散歩の途中でつまんで食べるのが、ひそやかな楽しみです。

この木の葉は、紅葉ほど極端ではありませんが、1枚の葉が五分裂しています。それでモミジイチゴ。
中央が(中指)が長い葉の品種が、ナガバノモミジイチゴ。その変種がモミジイチゴで、いすみ市ではナガバよりもモミジの方がが多いと感じます。
秋になれば、一丁前に黄葉し、冬は落葉します。

バラ科ですからトゲがあります。
繰り返しになりますが、蔓バラのような細い枝に、下向きに白い豪華な花を咲かせており、6月なれば黄色~橙色の光輝く粒々の1cmほどの実がなります。

木にできるイチゴだから、木いちご。
黄色い実だから黄イチゴ。どちらでも良いでしょう。
ジュ―シーで、生食のほか、ジャムにする方もいます。

似た木いちごに カジイチゴ があります。
花は白くモミジイチゴと大変似ていますが、やや大型。
葉は落葉せず、モミジイチゴより色が濃く、大型。
葉は3~7に分裂するが五分裂が一番多いので見分けにくい。
しかも黄色い実ができるので、慌(アワテ)て者はモミジイチゴと間違える。
一番の違いは、花の向きがまちまち。上を向くのが多い。

いろいろ言っても現物を見て違いを納得して区別するのが一番ですね。


 
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★ハハコグサ(母子草)の草餅

ハハコグサ(母子草)
      庭の母子草を採集

何年か前、ハハコグサを野から採集して庭に植えておいたら花が咲き、しだいに増えました。
古い名前はオギョウあるいはゴギョウといい、春の七草の一つで、七草粥に用います。
草餅、草団子、あるいはひな祭りの菱餅の緑色は昔はハハコグサを利用したそうです。

年末、年始の頃から芽生え、もう花を咲き終えた個体もありますし、すでに4月なのに今芽生えたばかりの個体もあります。
本日(4月4日)は旧暦ならば弥生の8日。ひな祭りを過ぎたばかりですから、ハハコグサの摘み草も季節外れではありません。

ついでに言えば、本日は二十四節気で清明(セイメイ)。草木の花が咲き始め天地万物が清らかになる季節であり、七十二候では玄鳥至(ゲンチョウイタル)。もうすぐツバメの季節だと告げています。

ハハコグサは花が咲くとスジが気になりますから、若い株を3株採集したのが画像です。
若草色で、茶道の茶さじのようなヘラ型の葉が特徴。触ってみるとベルベットのようなフンワリ感があるのは微細な毛でおおわれているからです。

地面に触れて汚れた葉や軸を除き、葉だけを塩少々を入れた熱湯で30秒ゆで、
冷水にとってざるに上げると、ゆでたホウレン草のような鮮やかな緑色になりました。
これを摺りつぶしたり切り刻んだりして餅に混ぜれば草餅の完成です。

ところがこの工程がすごく難しかった。
なかなか切り刻めないし、摺りつぶすのも難しい。

けっきょく、乾燥させてフープロで粉砕。
見事に粉砕できたけれど、細かい毛と毛が絡み合ってしまい、サラサラの粉にはなりません。
だからお餅に混ぜ込むのも大変でした。

適当なところであきらめて丸くまとめて団子にしました。
こし餡をあしらって完成。
草餅がヨモギを材料にするようになったのは、ヨモギの方がずっと扱いが簡単だからでしょう。

ま、ともあれ、悪戦苦闘してできあがった母子草の草餅でお茶をいただき、春の季節を満喫しました。
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★ヤブカンゾウ―――春の野草

ヤブカンゾウ若芽
     特徴的な葉の若い芽吹き

ヤブカンゾウはニッコウキスゲの仲間で、その若い芽や花のツボミはすぐれた山菜です。
そのおいしさは野生鹿が証明しています。
日光キスゲ平のキスゲが野生鹿に食べつくされたことがありました。

鹿ヤイノシシ、ヒヨドリなどは美味しいものをよく承知しています。
ヤブカンゾウは野草としては超一流の味です。
と言っても野草独特のニガ味、渋味があるわけではありません。
繊維質が固く,スジが気になることもありません。

野草というよりも、ほのかにネギの味と香り、食感がある野菜であるという印象です。
画像はもう食べられる大きさです。もう少し育った方が量多く採集できます。
地中に小刀を入れ、根元から切り取ります。

この姿のまま食べたい誘惑にかられますが、葉と葉の間に土や汚れがありますから
1枚1枚取り外してよく水洗いします。

鍋に塩少々、水をはって沸騰させ、30秒程度さっとゆでます。
ザルにあげ、冷水で冷やし、水を絞って食べやすい長さに切りそろえます。

さて、そこからはお好み次第。
天ぷら、お浸し、酢の物、胡麻和え、卵とじ、バターソテーなどなど。
鰹節やシラス、すりゴマをまぶしてお醤油たらりが一番簡単ですかね。

画像は酢味噌和え。やや甘めの酢味噌にしました。
切り方はちょっと短めになりすぎました。5cmぐらいで切っても大丈夫です。

       ヤブカンゾウ酢味噌

★春の野の味――ツクシの煮びたし

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先週あたりから、ツクシが芽を出し、今週末はボコボコ出始めました。
もう、あちこちでウグイスが鳴いていますから、春になったのだと実感します。
20日がお彼岸の中日です。季節は確実にめぐってきています。

<ツクシの採集>
  1.ワンコちゃんの散歩道のツクシは避けた方が良いでしょう。
  2.穂先が固く締まっている若いツクシが良いが、丈が短く軸が細いのが欠点。
  3.背が高く軸が太い大きなツクシは穂先が開き、アクが強すぎるのが欠点。
  4.だから若いツクシを多数収穫し、ツクシらしさを味わい、
    大きなツクシは量(カサ)を増やすために採集し、その穂先は切り捨てる。

<ツクシの下処理>
  1.まず全部水洗いで、ゴミや土・泥、雑草を除いてから、ザルにあける。 
  2.ハカマをはずすのが一番面倒な作業で、アクが手指に着くと、なかなか落ちない。
    とっておきの方法が、左右の指先を酢に浸してからハカマをはずすこと。
    これで手指は汚れない。
  3.指先用の残った酢と塩少々を入れたたっぷりの水にツクシを浸し、時々かき混ぜる。
  4.30~60分すればかなりアクが抜けている。浸した水は緑色。花粉の色でしょう。
  5.沸騰した湯にツクシを15秒ほど入れて下ゆでし、冷水にとる。

<ツクシを煮る>
  1.出汁、醤油、味醂、酒、砂糖で味付け。その量はツクシの量によるでしょう。
   今回はツクシ60本に対し、出汁100cc、醤油:味醂:酒:砂糖が大匙2:2:1:2。
    面倒くさければダシ入り麵つゆを利用すれば簡単です。
  2.弱~中火で10~15分煮込み、そのまま自然冷却で味をしみこませて完成。

味付けはやや濃いめが良いでしょう。ご飯のおかずにもお酒のアテにもなります。
削り節をまぶす、玉子とじの具材、ピザトーストの具材、冷奴の添え物などバリエーションは工夫次第、お好み次第。
余った漬け汁は豚コマの煮汁に再利用しました。

春の野に出てツクシ摘み―――これは春の到来を楽しむ昔ながらの日本人のイベントです。
早春を代表するフキノトウに苦みがあるように、ツクシにも苦みがあります。
冬の間に縮こまった体を活性化させるには苦みが良いのだと昔の人は言いました。
ツクシが手に入る環境ならば、ぜひツクシ摘みをお楽しみください。



 

★ヤブカンゾウは金針菜

ヤブカンゾウ
     ヤブカンゾウ、いすみ市ではいたるところで見かけます。

金針菜とは中華の食材で、その実体はヤブカンゾウの蕾(ツボミ)を乾燥させた食品。
水に戻して使いますが、今の時期はフレッシュなツボミを簡単に入手できます。
一日花で次から次に咲きますから、遠慮しないでツボミを採集しましょう。

ちょっと洗って乾燥させれば保存食品になりますが、それはしたことがありません。
フレッシュで食べられる食材はフレッシュで使えば良いじゃないですか。
使い方は シシトウ と同じように少し火を通せば何でもOK。

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     たくさん収穫しました             ゆでて、三杯酢が一番簡単

金針菜天ぷらホタテ金針菜
    天ぷらもいいですね           ホタテとシイタケと合わせてサッと煮醤油味

不思議な食感で、ぬめりがあります。おいしいですよ。
タダの食材ですから、路傍に咲いていたら少し失敬してみましょう。

野草の食材としては、野草とは思えぬ1級品。
味噌汁の具にするとか、冷やし中華の具にするとか、応用は自由自在です。