★岬町の花、スカシユリ全開

スカシユリ2
    太東海浜植物群落指定地にて

今日までの三日間は猛烈な暑さが予告されていましたが、予告通り朝から30℃を越え、昼過ぎには34℃を超えました。
こういう暑さの日は水風呂にでも入り、午後は昼寝に限りますが、西日本の被災地の皆さんやボランティアの皆さんは水道水さえない中でご苦労していると思うと、何と言ったらよいのか言葉に詰まります。

倉敷市真備町の人が、「死んだ祖父から昔、2階から船で救出されたという話を聞いていたので早めに避難して助かった」と話していました。
所によっては4~5mの浸水だったそうですから、昔からの言い伝えは大切です。

政治の基本は古代中国の時代から、治山治水だと聞いたことがあります。
小田川の付け替え工事は50年も前に計画されていたのに実行されなかったのは、お金がなかったからでしょう。
正確にはお金はあったが、予算の優先順位で後回しにされ続けてきたということです。
国民の命と財産を守る治山治水が後回しにされてきたのが、今日の政治の実態かと思うと、ちょっとねぇと考えてしまいます。

真備町は「まびちょう」と読むようですが、奈良時代の政治家・吉備真備(きびのまきび)と関係あるのかと調べてみたら、かの政治家の出身地だそうです。
今時、真備で「まきび」と読むのは難しいから、「まび」と読ませるようです。

さて、画像の海浜植物群落地ですが、2011年の東日本大震災の際は津波に襲われた場所です。
今はまったくその痕跡を感じません。
315年前の元禄大地震とその直後の大津波にも襲われたはずですが、自然の回復力はすごいなと思います。

ひるがえって人間のことを考えると、災害で生命財産を失った人、その親族や関係者の受けた打撃は何年たっても回復しないでしょう。
理不尽な不幸に泣く人を最小限にするために、まだまだできることが、たくさんあるような気がしています。
記憶を記録にとどめ、その事実を忘れないように伝承することもその一つでしょう。


 
 
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★房総沖、スロースリップの地震だって

スロースリップ
    地盤が南東に6.5cmずれた

6月12日の明け方、震度3の地震があり、ちょっと驚きました。

11日に政府の地震調査会から『房総沖でスロースリップが頻発しているので注意を要する』との発表があり、翌12日に震度3の地震があったので、調査会委員長が 「きのうの会合で指摘したとおりに地震が起きた」 となかば自慢げにコメントしていました。

そして14日にも地震があったので、あわててこの1か月の地震を調べてみました。
房総沖では震度1の地震が4回、震度2が4回、震度3が2回。
頻発していると言えるでしょう。

――千葉県の房総沖は、陸側のプレートがフィリピン海プレートに沈み込んでいる。ここでは、境界面がゆっくりと滑るスロースリップ現象が数年おきに発生しており、そのたびに周辺の地震活動が活発になっている。――

つまり、活動期と休眠期があり、今が活動期だという指摘です。
ふたたび休眠するか、それとも大きな地震の前触れなのか、その指摘はありません。
『今後比較的大きな地震が起きる可能性』があるとして注意を呼び掛けているだけです。

甚大な被害を出した3.11、あるいは2016年の大分・熊本地震。
次は南海トラフの巨大地震かと警告されています。
その陰に隠れて房総沖、相模湾、東京直下の地震はちょっと緊迫感が薄れていました。

米と味噌があるので最低限の飢えはしのげそうです。冷蔵庫にはなにがしの食料が入っています。
水、ガスボンベ、乾電池を点検しました。
3.11の時はいすみ市でも多少の津波がありましたが、たいした被害ではありませんでした。
困ったのは、どこのガソリンスタンドも長蛇の列で、いつ給油できるかおぼつかないことでした。
それで、100km程度は走れる量のガソリンはいつも車に残量があるようにしています。

携帯の充電も常にアンテナ3本立っているようにしないとね。
残量がなくて通話が突然プッツリ切れてしまった経験があります。

いくら準備してもダメな時はダメですが、備えもせずに討ち死にとは愚かなことです。
この原稿を書いているたった今、震度3の地震がありました。
震源は隣町の一宮。一宮と長南町が震度4。

あ、また揺れました。
なんとか休眠期に入ってほしいと思っています。
あ、またまた地震。
これで本日は震度3,2,3の3連続。
1か月で13回。ちょっと不安になります。


 

★定家葛(テイカカズラ)

テイカカズラ
     プロペラに似た形の白い花が咲くのですぐわかる

入梅の頃、大きな木に白く小さな花がびっしり咲いていると何の木だろうかと思います。近寄ってみるとそれはテイカカズラというツタ植物がまとわりついているのだということがわかります。
このままじゃ、まとわりつかれた木がかわいそうだという気もしてきます。
山林の手入れをする人はだから容赦なく切り捨ててしまいます。

テイカとは藤原定家のことで、源平時代、小倉百人一首の選者として知られています。

   来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩(もしほ)の 身もこがれつつ
                                       権中納言定家(97番)
――松帆の浦で藻塩を焼く煙が立ち上っています。私の心はその藻塩のように待つ人を恋焦がれ、焼けるような思いで揺らいでいます――という女性目線で詠んだ歌です。

その恋人であったとウワサされていたのが、後白河法皇の娘で、加茂神社の斎王であった式子(ショクシ)内親王。情熱の歌人として知られています。

  玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする
                                     式子内親王(89番)
――魂をつなぎとめているという紐が切れてしまって死んでしまってもかまわない。このまま忍ぶ恋を続けていれば耐え切れず、ついにその恋が露見してしまうよりはマシだ。――

斎王とは神様に仕えて一生独身であることを強制された女性です。
そのような社会的身分であっても、生身の女性として恋をすることがあったとしても当然でしょう。

式子内親王と定家が許されぬ関係にあったかの証拠は残っていません。
定家は内親王より13歳年下ですが、彼女を先輩歌人として尊敬していたのでしょう。写実よりもロマンチックな心象と技巧を重視した新古今集時代の風潮が後押しました。
斎王を引退した内親王がその後、様々な俗世のトラブルに巻き込まれて病床に伏せっていた屋敷に、定家が頻繁に見舞いに訪れたという記録が定家の日記に残されています。

たぶんそのようなことから、スキャンダルやゴシップ記事が大好きな人々によって定家と内親王の話が密かに伝えられたのでしょう。

その話を芸術の域にまで高めたのが、宝生流謡曲(能)の『定家』です。
内親王の墓に定家の霊であるツタがまとわりつき、両者とも今生に未練を残して苦しんでいる。旅の僧が弔ってはじめて成仏したという舞台です。

まとわりつき、しがみつく、まるでストーカーのようなツタですが、貴族としての華麗さを保ったような白い花なので、テイカカズラと名付けられたのでしょう。
田舎道を散歩していると、鬱蒼とした木立の中にこのきれいな花を見かけます。


 

★田んぼにジャンボタニシの卵塊が

ジャンボタニシ
    気色悪いピンク色の卵塊

梅雨の季節になるころ、田んぼの苗はすくすくと育っており、時折吹く風になびく姿を見ていると心も晴れやかになる気がします。
足元に目をやればオタマジャクシが逃げ回っているのも愛らしく感じます。

その田んぼの泥の中にタニシが潜んでいますから、注意深く見ればすぐ見つかります。
しかし画像の田んぼでは、昔ながらのタニシはほぼ全滅。
田んぼのタニシは外来種のジャンボタニシに占拠されています。

ジャンボタニシは本名をスクミリンゴガイといい、タニシと名付けられてもタニシの仲間ではないそうです。
大変な悪食大食漢で、特に田んぼの苗などバリバリ食べてしまうので、特定外来生物ワースト100に選ばれています。
田んぼをよく見ると苗が部分的にすっぽり消えてなくなっている箇所があります。
農家の方の話によると、そこがジャンボタニシの食害の跡だといいます。

スッポンやコイが天敵だそうですが田んぼにはいません。いすみ市だとカルガモやサギの仲間が田んぼに降りてきて捕食するぐらいでしょう。
もともと人間様の食料として輸入繁殖させたものが、経営的につまずき放置され手全国に広まったそうです。
それで、知人の一人は実際に食べてみたそうです。
食べられるけど、あまりおいしくはなかった。もう一回食べる気はしないと言っていました。

被害を減らすためには卵の段階で駆除するのがさしあたっての方法でしょうか。
画像のようにどぎつい色のピンクの卵塊は棒でつついて水面に落下させれば、孵化しないと先ほどの農家さんは言っていました。
その方は先端に小さな網をつけた長い棒を用意し、田んぼのジャンボタニシを捕獲しては長靴でつぶすのだと言っていました。気の遠くなるような方法です。

田んぼの所有者でもない私たちができることは、散歩の途中で見つけた卵塊を棒でつついて水に沈めることぐらいでしょう。


 
 

★この花、狂暴につき--

謹啓菊
     国道沿いに咲くオオキンケイギク

コスモスに似た可憐な花で、謹啓菊とか金鶏菊とか表記される外来種で、近頃話題になっている水辺に住み着くカミツキガメと同様に駆除すべき特定外来種だとは思いもよらない人が多いことでしょう。
いつの間にか家の前や庭に姿を現したオオキンケイギクを愛らしいと思って保護している家庭もいすみ市では多く見かけます。
荒れ地や道路沿いの草刈りをしたときにオオキンケイギクだけを刈り残して「保護」している場面にもよく出くわします。

外来種だからって嫌うことはないだろう――という意見はごもっともです。
稲だって梅だって外来種です。カボチャもジャガイモも外来種です。
このオオキンケイギクだって国土交通省だか高速道路株式会社だかが、造成した土地を急速に緑化、しかも景観に配慮してばらまかれた種から生き延びて繁栄しつつある種類です。
つまり、日本のために大いに役に立ったと褒められてしかるべきかもしれません。

次の画像は岡山県のある河川敷の画像です。
    yjimage[2] 画像元→●
数年前、岡山県を旅行してJR車窓から眺めて愕然としました。

両岸とも一面のオオキンケイギクで、地元の人は困ったことだとは思っていないようです。
けっこう美しい花ですから、観光資源として人を呼べると思っているかもしれません。
しかし、埋め尽くされたオオキンケイギクによって、古来から河川敷を生存場所としてきた固有種がそこでは全滅したことは確かで、その固有種を食草としてきた蝶などは駆逐されたはずです。

繁殖力が強いので、意識的に駆除しない限り日本の景色は画像のように一変するかもしれません。
ススキの野原は風情がありますが、セイタカアワダチソウがススキの野原を侵食しました。
今では共存している景色が普通になり、純粋のススキ原野は貴重になりました。

いすみ市では特に国道沿いに多いようです。年々その面積を拡大しつつあります。
反面、去年まではあった場所に今年はないこともありますので、ひそかに駆除に協力している人がいることも確かです。
繁殖速度が速いか、駆除のスピードが勝っているか、そのせめぎあいですが、たぶん、自然の繁殖力の方が人為的駆除よりも勝っているだろうな と悲観的な気分です。

日本産で外国に行って嫌われている植物もあります。
のり面緑化にクズが導入され、繁茂して困っている、デビルプランツ(悪魔の植物)と言われ嫌われているという話を聞きました。

ちょいと思い付きで外国産品を利用すると思わぬ副作用がある――しかもだれも責任を取らない。
TPPが国会を通過しそうです。
自民党を先頭にあれほど反対していたのにコロッと変わってしまう。
食の安全を守れ、担保せよの声は今や少数派ですが、命を守るためには声をあげ続けねばなりません。
同様に自然の景色を守れ、そこに生きる多様な生物の命を守れということは、たぶん人間の本性に根付いた要求なのだろうと思います。

追記
キンケイギクとオオキンケイギクは正確に言うと違います。
いすみ市の場合、 野生化しているのは画像のオオキンケイギクであり、黄色一色の花です。
そして特定外来種はこのオオキンケイギクです。
単にキンケイギクと表記すると誤解を与えるとのご注意を頂きました。