★秋祭り、ススキの穂の色は「まそお色」

ススキの穂
  真赭(マソオ)色とは赤系統で明るさを落とした感じの色。

日本では古来から硫化水銀から得られる辰砂の朱色が魔よけの色として使われてきました。
古墳時代の棺桶の内側に塗られたり、神社の鳥居の色に使われ、卑弥呼の時代には中国に輸出もされていました。

ススキと言えば十五夜お月さんですが、いすみ市近辺の秋祭りでも重要な素材です。
穂をよく見ると、ススキの若穂の色はかすかに赤味がかっています。それが霊力のしるしです。

ハツクニシラススメラミコト(初めて国を統治した天皇)の名で知られる崇神天皇は国内が混乱した時に、いずれの神様の祟りかを占うために [神浅茅ヶ原 カムアサジガハラ] で祈りを捧げました。
カヤやススギ、オギなどが生い茂る荒野は神の住む場所ように思われたのでしょう。
時代が下がると、浅茅ヶ原は鬼婆が住む場所と恐れられます。
現代では、箱根の仙石原などは一大観光地と化し、恐れる人はいなくなりました。

それでも昔からの伝統を引き継ぐ秋祭りでは、五穀豊穣・大漁祈願・悪霊退散のシンボルとしてススキは欠かせない素材です。
ついでに言うと、いすみ市に昔から住む人々は、祭りをマチといいます。古い日本語です。

そのススキが今年はめっぽう少ないのです。
天候不順のせいか、はたまた草刈り機で毎年のように刈られてしまっているからか、ちょっと寂しい気がします。
まそお色も鮮やかに出ていませんでした。

秋の虫のマツムシはススキに産卵しますから、ススキがなくなれば全滅するのは当然です。
今年はマツムシの声も聞こえません。
秋の七草の一つであるススキは日本の秋を代表する植物です。
空き地に生えているススキは、できれば刈り残してもらいたいものです。

*****

ゴーヤのちょこっと料理――画像がなくてごめんなさい。今年はゴーヤの当たり年。

①ピザパンの具。細切りにしてピーマン同様に使います。
②豚肉ロースの拍子木切りと色とりどりのピーマン、パプリカの細切りを油味噌炒め。

どちらもパパッと料理でゴーヤを簡単に消費できます。

 
 
スポンサーサイト

★やっとスルメイカが出回るようになってきた

イカメシ
      活力鍋で使えばイカ飯は簡単だ

北海道ではイカが空前の不漁だといいます。
そのせいで関東でもなかなか出回らず残念な思いをしていましたが、ようやく小型ながらも手に入るようになりました。

<材料> ①スルメイカ2はい ②もち米 1/2カップ
   お米の下味用 ③酒、醤油、各大さじ1/2
   煮汁用     ④酒、みりん、醤油、砂糖 各大匙1 ⑤水またはだし汁 200cc   
<作り方>
1.もち米をとぎ、1時間以上浸水し、ざるで水切りし、ボールに入れて下味をつけておく。
2.イカの足・内臓・軟骨をきれいに引き抜き、水洗い。
3.イカの胴に下味付きもち米を6分目程度まで入れて、爪楊枝で止める。
4.活力鍋にイカと煮汁を全部入れて加圧3分。
5.自然冷却したら、イカの上下を返して煮汁を中弱火で煮詰める。
6.これで出来上がり。切り分けて召し上がれ

さて、イカのワタはすごくおいしい。捨てるなんてモッタイナイ。
イカの足とワタと塩で塩辛ができますが、一番簡単なのは、ホイル焼き。
足を適当な長さに切り分け、ワタと一緒にアルミフォイルに包んで焼くだけ。
醤油をちょっと垂らしていただけば絶品です。

===どうでもよい雑知識===

高校1年の時、難読漢字とやらを勉強させられました。
イカは [烏賊] で、ぜったいにイカとは読めないとフンガイしたものです。

今思うと、これは古代中国語のようです。
『旧唐書・南越志』という本には――イカはいつも水の上に浮かんでいて死んだふりをしている。それをカラスが見つけてくちばしでくわえようとすると、とたんに巻き付いてカラスを捕まえてしまう。それで「烏賊」と言う――

そんなばかなと思う昔のベトナムの話ですが、海産物にうとい大陸の中国人は信じたようです。
その単語が遣唐使とともに 日本に輸入されたわけです。

現代中国語辞典で調べてみると [魷魚] とありました。
ヨイイーみたいな発音です。
漢字で書いても、現代中国人には烏賊では通じないかもしれません。



 

★ようやくサンマが安くなりました。

サンマ刺身
  サンマをさばいて刺身にした。これで100円。       

ようやくサンマが安くなってきました。1尾で100円の特売。
かつてのように3尾100円とまではいかないものの、これなら買う気になります。
5尾買って500円。刺身、塩焼き、煮つけにしました。
これで何回か食事がとれます。まさに庶民の味方です。

サンマと言えば「目黒のサンマ」。
江戸庶民の味を初めて知ったお殿様は お城でサンマを所望するが油抜きの蒸し焼きで少しもおいしくなかった。それで「サンマは目黒にかぎる」とのたまわったという落語。

油が乗ったサンマは下魚でした。焼けば煙がもうもう。お殿様の食品ではありませんでした。
それはマグロのトロも同じ。わさびが流通する前は嫌われていました。
しかし下魚ゆえに安価で庶民に好かれ、やがてその味に慣れると日本の代表的な料理になりました。

しかし最近は、海流の変化、資源の枯渇、はたまた中朝の爆漁なのか、高いのは困ります。
流通網の発達で、サンマが刺身で食べられるほど新鮮なままで食卓に上がるようになったのはうれしいことです。
初めて秋刀魚の刺身を食べた時はびっくりしたものです。

サザエさんの漫画でも七輪の上のサンマをドラ猫が盗んでいくのはおなじみです。
生のサンマは塩焼きが庶民の味でした。
佐藤春夫がサンマを秋刀魚と表記してから秋刀魚と書くのが普通になったそうで、それ以前は「三摩」など、いろいろな書き方があったそうです。

その佐藤春夫が歌った 「さんま苦いか塩つぱいか」 という 「秋刀魚の歌」 のワンフレーズは多くの人になじみのことでしょう。

   「秋刀魚の歌」佐藤春夫  『我が一九二二年』に掲載

  あはれ秋風よ
  情(ココロ)あらば伝へてよ
  ――男ありて
  今日の夕餉(ユウゲ)に ひとり
   さんまを食(クラ)ひて
  思ひにふける と。

  (中略)

  ――男ありて
  今日の夕餉に ひとり
  さんまを食ひて
  涙をながす と。

  さんま、さんま
  さんま苦いか塩つぱいか。
  そが上に熱き涙をしたたらせて
  さんまを食ふはいづこの里のならひぞや。
  あはれ
  げにそは問はまほしくをかし


実は、佐藤春夫と谷崎潤一郎、そして谷崎の妻千代との間に深刻な問題がありました。
「秋刀魚の歌」に登場する 「男」 は佐藤自身で、その間の複雑な事情・心情が歌いこまれています。(中略した部分に)

サンマに塩を振りすぎたとか、腹ワタは苦いとか、そんなことではなかったのですね。
一人焼いたサンマを食べて涙する男、他方には焼いたサンマに歓声を上げる市井の人々。
まさにもの思わせる秋の景色を切り取った一編です。

「さんま苦いか塩つぱいか」 というフレーズは佐藤春夫の詩歌にかかわらず、箸をとり舌鼓を打つ様々な庶民の期待の心を表したものとして独り歩きしていますが、それはそれでいいんじゃないか、と思っています。


 
 

★9月になりました。

センニンソウ
    夏の終わり、仙人草(センニンソウ)の花

夏の終わり、8月中旬から9月にかけて、真っ白な花が藪に覆いかぶさるようにして咲きます。
近くによってよく見てみると、一つひとつの花がとても精巧で美しい花だと思います。

蔓性多年植物でキンポウゲの仲間。学名はクレマチス(Clematis terniflora)といいます。
園芸品種のクレマチスはこのセンニンソウの仲間なんですね。
キンポウゲの仲間はどれもみな美しくて毒があります。

昔、医療が発達していなかった頃、人々が頼ったのが迷信と薬草でした。
毒草は薬草でもあり、センニンソウは扁桃腺や虫刺され、火傷の薬でした。
茎を切った時やもんだ時の汁に効能があるようで、汁でかぶれます。
最近、野生化している何有荘の庭にも進出しており、引き抜く折には気を遣います。

馬や牛は本能的に毒性があるのを知っているのか、路傍の草を食べる時もこの草はよけると言います。
ところが、飼料として草刈りをしたときにこの草が混じると大変なことになるようです。
それで別名が、ウマノハオトシ、ウシクワズといいます。
知人はヤギを飼っていますが、草には気を付けていると言っていました。

自然界には毒のある草はたくさんあります。
アサガオ・アジサイ・エンゼルトランペット・スズラン・スイセン・ヒガンバナ・ポインセチアなど。キョウチクトウも危険です。
ジャガイモだって青い芽で食中毒を起こします。

いたずらに恐れる必要はありませんが、野草はおいしい、何でも食べられると思うのは無知というか、傲慢です。
わたしたち人類は馬や牛ほど本能が発達していません。
新しいことを知り、謙虚にならねばと思っています。


 
 

★ゴーヤもいろいろ

ゴーヤいろいろ
    
一番上のゴーヤは長さ45cmで巨大。中の2本は色も形も普通サイズ。下の3本は小型サイズで、いくら待っても大きくならず、放置しておけばこのサイズで黄色く過熟します。

最近、ホームセンターでは何種類ものゴーヤの苗や種が売り出され、わけもわからず購入した各種のゴーヤがグリーンカーテンで実をつけています。
味の差は鈍感なので区別がつきません。
どれも同じように調理しています。

先だって、 「ゴーヤの佃煮」 を紹介しました。
これはなかなか評判が良くてあちこちにおすそ分けで喜ばれています。
日持ちがしますから大量消費にちょうど良いと思います。

今日紹介するのは、温かいソーメン、冷たいソーメンの汁にゴーヤを利用しました。
温かい  冷たい汁

温かいソーメンは、つゆに温玉、ゴーヤ、シイタケ、ニンジンの炒め物が入っています。
冷たいソーメンは、つけ汁にゴーヤ ミニトマト、ツナ缶のツナ、ゴマを加えてあります。

ゴーヤはチャンプルーと決めつけず、何にでも利用してみると、どうにかなります。
生のままでもOKですが、軽くゆでた方が苦みが柔らかくなります。
苦みが身上とは言え、あまり強すぎるよりもマイルドの方が食べやすいと思います。

「ツナマヨゴーヤ、ミニトマト添え」 なんかも簡単で食がすすみます。
なにせ、ゴーヤもトマトも豊作で、せっせと食べねばなりません。
工夫すれば、アキがきません。
せっかくの夏野菜ですから、無駄にはしないようにしましょう。